近くのAndroid端末間でデータ/ファイルを共有できる「Androidビーム」、使ってますか? 連絡先やWebページのURL、写真やオフィス文書をかんたんに転送でき、しかもインターネット接続できない場所でも利用できます。NFCとBluetoothをサポートする端末(Android OS 4.1以降)が必要ですが、2018年現在販売されているAndroid端末であればほぼ確実に対応しています。
iPhoneで利用されている「AirDrop」は、比較的近距離のファイル共有機能という点では似ていますが、しくみが大きく異なります。Androidビームとの互換性はないため、最近日本でも検挙され話題になった"AirDrop痴漢"の被害がAndroid端末におよぶ可能性はありません。
AirDropはBluetooth(BLE)とWi-Fiを利用したファイル共有機能で、半径10メートル以内であれば通信できます。しかも、「すべての人」を対象にするとセキュリティが緩くなり、連絡先に登録のない見ず知らずの相手から写真や各種データを送りつけられてしまう可能性が出てきます。そこに付け入られたのが"AirDrop痴漢"なのです。
一方のAndroidビームは、NFCで通信相手を決定する仕様上、端末同士が数秒間触れるほど近づけなければ通信を開始できません。そのうえ、両方の端末がロック解除されていなければならないため、AirDrop痴漢のように離れた場所から一方的に送りつけることはほぼ不可能と言っていいでしょう。
ところで、このAndroidビーム、Android OSの次期バージョン(Android 10)で廃止されます。Androidビームが"知る人ぞ知る"機能だったためかもしれませんが、少々残念な話ですね。