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【この記事のエキスパート】
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター:田澤 仁
90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。
DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。
Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。
得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。
ドラムを演奏する人たちにとって、ドラムスティック選びは上級者になっても難しいもの。選ぶ際は材質やチップの形状など、様々な要素が必要になってきます。元プロドラマーの田澤 仁さんに聞いた、ドラムスティックの選び方とおすすめ製品ランキングをご紹介します。
元プロドラマーに聞く
ドラムスティックの選び方
音楽ライターで元プロドラマーの田澤仁さんに、ドラムスティックの選び方のポイントを教えてもらいました。自分の手の延長のように自由に演奏するには、正しい持ち方で演奏することは言うまでもありませんが、スティックの木材の種類、グリップの感触、長さなど、さまざまな要素が演奏に影響します。
体格やスタイルに合った長さ、重さのスティックを
自分に合ったサイズのスティックを選ぶ
ドラムスティックで大事なことは、きちんとコントロールできることです。そのためには、体力や体格に合ったサイズのスティックを選びましょう。
基本的には、パワーヒッターなら長くて太いもの、より繊細なコントロールを重視するなら細いもの、といった選び方になりますが、最初からあまり極端なサイズのものを使うのは避けてください。自分に合っていないスティックを使うと、指にマメができやすくなりますし、肘(ひじ)を傷める原因にもなります。
長さが400mm前後、太さが14mmから15mmのものが標準的なサイズですので、まずはこのサイズのものから試して、徐々にサイズを変えていくことで、自分に合ったサイズを見つけることをおすすめします。
とくに体格が小さくなりがちな女性や子どもの方は意識して選ぶようにしてみてください。
「重さ」「かたさ」「音」も変わってくる
材質の種類で選ぶ
スティックに使われる材質は、おもにヒッコリー、オーク、メイプルの3種類です。
ヒッコリー:プロもアマも愛用!迷ったらこれ
ヒッコリーは適度にかたく軽量で、ある程度のしなりもあるので使いやすい材質です。材質選びに迷ってしまう初心者やそれほど気にしないという方は、ヒッコリーを選ぶとよいでしょう。
オーク:パワフルなサウンドが魅力
オークはヒッコリーと比べるとやや重い材質なので、スティックの重さを利用してパワーを出すのに向いています。また硬さもあるため、迫力のあるサウンドを出したい方におすすめです。
メイプル:繊細なコントロールが求められる
メイプルはとてもかたい素材で、シンバルは「カツーン」とかたい音がします。もっとも軽いので、指を使った繊細なコントロールがやりやすいですが、パワーがないと跳ね返されてしまい、ドラムをしっかり鳴らせないこともあるので注意してください。
アタックの音が変わる
チップの形状で選ぶ
ドラムスティックの先端のチップの形は、おおまかに分けて3種類あります。
ボール型:均一なサウンドが出せる
まん丸のボール型は、ドラムやシンバルにどの角度で当たっても当たる面積が同じなので、粒をそろえた均一なサウンドを出すことができます。
俵(たわら)型:オールラウンドに使える
ボール型を少し縦に引き伸ばしたような俵(たわら)型は、通常はドラムヘッドに平たい面が当たるので、よりパワーを出しやすくなりますが、角度によって当たる面積が変わるため、スティックコントロールによって多彩な音色を出すことができます。オールラウンドに使えるのがこのタイプです。
ティアドロップ型:繊細なプレイで上級者向け
先のほっそりとした楕円(だえん)形のティアドロップ型は、さらにいろいろな音が出せますが、きちんとコントロールしないと音がばらついてしまうので、やや上級者向きといえます。
ドラムヘッドのダメージに注意
より鋭いアタックを求めるなら「ナイロンチップ」
トップに向かってあまり細くならない形状。かたく明るい音を出すことができるナイロンチップはボール型で、ムラのない音色で演奏できます。
チップにだけ硬質のナイロンをかぶせた、ナイロンチップのスティックもあります。
ウッドチップの場合、チップだけが欠けてしまうと使えなくなってしまいますが、ナイロンチップはその心配がありません。また、ナイロンチップはとてもかたいので、アタックが鋭く、強くなります。ただし、チップがかたいぶん、ドラムヘッドも傷みやすくなるので注意が必要です。
かっこよさやかわいさで選んでも良し!
好きなアーティストの使用モデルで選ぶ
ドラムスティックにも、アーティストの使用モデルが数多くありますので、好きなアーティストの使用モデルを選ぶのもひとつの方法です。
パワフルなプレイが持ち味のドラマーは、たいていパワーが出やすいスティックを使っていますし、繊細なテクニックを駆使するドラマーは、コントロールしやすいスティックを使っています。同じスティックを使えば、似た傾向の音を出しやすくなるのは確かですし、気分も上がること間違いなしです。
ただし、そのアーティストの音に近づくには、奏法の研究をし、練習を積み重ねなければならないことをお忘れなく。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)