第1期ヒューリック杯清麗戦五番勝負は8月22日(日)に鹿児島県指宿市「指宿白水館」で第2局が行われ、里見香奈女流五冠が甲斐智美女流五段を下して対戦成績を2勝0敗としました。
里見女流五冠、史上初の女流六冠に王手 甲斐女流五段は作戦勝ちを生かせず
里見女流五冠の先勝を受けての第2局。対局場の指宿白水館は羽生善治九段が永世七冠を達成した地としても有名です。
女流のタイトル戦が行われるのは初めてのことで、前夜祭ではそれぞれが新棋戦誕生について主催社への感謝を述べるとともに、「羽生先生が永世七冠を達成された地に、対局者として来ることができて非常に光栄に思います。明日は自分の力を精一杯出しきって、対局に集中したいです」(里見女流五冠)、「白水館はとても素敵な対局場で、窓からは大きな海が見えまして、伸び伸びとした気持ちで対局ができそうだなと思いました」(甲斐女流五段、いずれも中継ブログより)と抱負を語りました。
そして翌日の対局。先手の里見女流五冠が中飛車に構えると、甲斐女流五段は三間飛車に振って、戦型は相振り飛車になりました。序盤は甲斐女流五段のほうが指しやすい展開でしたが、里見女流五段が放った自陣角の勝負手を境に形勢が逆転。里見女流五段は打った角を豪快に捨てる強襲で後手陣を突破すると、的確な寄せで甲斐女流五段の玉を包囲します。最後は受けなしに追い込んで2勝目を挙げました。これで初代清麗の座、そして女流棋士として初の六冠まであと1勝です。
里見女流六冠のストレート戴冠か、甲斐女流五段が踏ん張るか。注目の第3局は9月7日(土)に、石川県金沢市「ホテル日航金沢」で行われます。