東京2020組織委員会はこのほど、東京2020パラリンピックメダル、メダルリボンおよびメダルケースのデザインを発表した。
メダルのデザインは、「扇の要(かなめ)を中心として生み出される新しい風は人々に熱気を与え、また新たな風を生み出す原動力となる」というコンセプトのもと、人々の心を束ね、世界に新たな風を吹き込む「扇」をモチーフとしている。
扇を束ねる「要」部分は、人種や国境を越えて人々の心を一つに束ねてくれるアスリート自身を表し、扇面には、人々の心を生命力として捉え、日本に生きる自然、岩・花・木・葉・水が表現されているという。
サイズは直径85mm、厚みが最大部分で10.7mm。重量は、金メダルが約526g、銀メダルが約520g、銅メダルが約430g。デザイナーの松本早紀子氏は、「このメダルが選手と人々の心を繋ぎ、新たな風を生み出す原動力となれば嬉しいです」とコメントしている。
メダルのおもて面には、国際パラリンピック委員会の規定に基づき、「TOKYO2020」の文字を点字で表記。また側面には、金・銀・銅メダルの違いが触れて分かるよう、金メダルには1つ、銀メダルには2つ、銅メダルには3つ、それぞれ円形のくぼみが施されている。
リボンには、東京2020大会を象徴する紅に加え、桜を使用し、日本らしい組市松紋を用いたデザインを採用。祝祭感とともに多様性と調和を表現しているという。また、リボンにも、視覚に障がいのある人でも順位がわかるよう、金メダルには1つ、銀メダルには2つ、銅メダルには3つ、裏側にシリコンプリントで凸加工が施されているとのこと。
メダルケースは、国産のタモ材を使用し、日本の高度な木工技術と職人の手で、一つずつ丁寧に仕上げられている。藍色の奥に浮かび上がる、一つひとつ異なる個性豊かな杢目は、オリンピック・パラリンピックの多様性を象徴しているという。また、円形のフタと本体は、磁石によってつながった輪のように開き、そのままメダルをディスプレイすることが可能。
なお、メダルに使われている金属は、「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」を通じて、全国から回収された使用済み携帯電話等の小型家電から抽出したものを使用している。