4Kテレビや無線イヤホン、スマートウォッチが販売増。’19年上半期家電動向

GfKジャパンは、2019年上半期(1-6月)の家電・IT市場の販売動向を発表。家電小売市場は、金額で前年をわずかに上回った。冷蔵庫や洗濯機、エアコンを含む大型生活家電がけん引し、AV・IT関連についても前年を上回る結果となったことが寄与した。特に、4Kテレビや完全ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチなどの販売台数が伸びている。

薄型テレビ市場規模の推移(出典：GfKジャパン)

10月増税の影響は「’14年よりも小規模」

GfKジャパンでは、2019年通年の見通しは、前年の販売金額を2%程度上回ると予測。販売形態別では、インターネット販売が成長を維持し、金額で2桁の伸びとなった。

10月に予定されている消費増税の影響については「増税前の駆け込み需要、増税後の反動減ともに、2014年の増税時よりも小規模になる」と予想。また、「2020年のWindows 7のサポート終了や、東京オリンピックを見据えた需要の一部が年末にかけて徐々に顕在化することが、2019年下半期の市場浮揚要因になる」と見ている。

4Kテレビ販売台数は130万台、前年比3割増

2019年上半期のAV市場は、主要製品である薄型テレビの買い替えが進んだほか、BDレコーダーや、Bluetooth対応ヘッドホン・イヤホンなどの好調により、数量・金額ともに前年の販売を上回った。

薄型テレビの販売台数は前年比4%増の270万台で、このうち4Kテレビは前年比30%増の130万台。薄型テレビに占める4Kテレビの販売台数は数量ベースで49%。2018年12月に新4K8K衛星放送が開始されるなど、4Kを取り巻く環境が活性化したことにより需要が押し上げられた。4K有機ELテレビに限ると、その割合は5%と小さいものの、販売台数は前年同期の2倍強と大幅に伸長した。

BD/DVDレコーダーとBD/DVDプレーヤーは前年比4%減の180万台。内訳は、BDレコーダーが前年比2%増の98万台で、トリプルチューナー搭載モデルが拡大している。4K Ultra HDブルーレイ対応のレコーダー・プレーヤーの販売台数は、前年同期の2倍強と引き続き伸長した。

完全ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチ急伸、PCも回復

ヘッドホン/ヘッドセットは、数量は前年からほぼ横ばいの1,030万本。ただしワイヤレス製品の伸長により、金額では前年比17%増となった。完全ワイヤレスイヤホンの販売本数は前年の2倍強と急伸し、Bluetooth対応機のうち31%を占めた。

スマートウォッチなどのウェアラブル端末は前年比46%増の85万本で、このうちスマートウォッチが数量前年比90%増の48万本、活動量計などのコネクテッドウォッチが同102%増の18万本となった。

パソコンは前年比31%増の870万台。タブレット端末は前年並みの360万台。パソコンとタブレット端末を合わせた市場規模は、前年比20%増の1,230万台となった。パソコンのリテール(小売)市場の販売台数は150万台で前年比2%減の微減だが、リセラー(法人向け)市場が大きく伸長したことで前年同期を大幅に上回った。2012年以降は市場の縮小が続いていたが、「10月の消費税増税や来年のWindows 7サポート終了を追い風にゆるやかな回復基調にある」といい、金額規模ではやや前年同期を上回った。

パソコン+タブレット市場規模の推移(出典：GfKジャパン)

デジタルカメラは前年比18%減の120万台で、コンパクトカメラが同18%減、一眼レフカメラが同37%減と大幅に前年を下回った。ミラーレス一眼カメラは前年並みの販売を維持しており、フルサイズ機の販売台数は前年同期の約2倍に伸長し、これによりミラーレス一眼の販売金額は同11%増の2桁増となった。交換レンズは前年比18%減の33万本。