日本テレビ系大型特番『24時間テレビ42』(24日18:30~25日20:54)で24日、スペシャルアイスショー「羽生結弦と松任谷由実が共演 被災地・北海道に 春よ、来い」の模様が放送された。

  • 「羽生結弦と松任谷由実が共演 被災地・北海道に 春よ、来い」より=日本テレビ提供

これは、昨年発生した北海道胆振東部地震からの復興の願いを込めたもので、フィギュアスケートの羽生結弦選手と、シンガーソングライターの松任谷由実の共演が実現。演目は「春よ、来い」で、羽生選手は「この曲で被災地の皆さんの心に、春を届けたい」とショーの前に語っていた。

羽生選手は6月下旬、北海道・厚真町へ向かい、町の名産・ハスカップを栽培している山口善紀さんと対面。厚真町は昨年のハスカップの生産量日本一だが、畑の一角には土のうが積み上げられていた。地震で裏山が崩れ、元に戻るには約10年かかるという。羽生選手は作業場を見学し、ハスカップのスムージーも味わった。

一方、松任谷が訪ねたのは、町民吹奏楽団の練習場。今回のアイスショーで冒頭演奏をしてくれた厚真町民吹奏楽団の人たちだが、指揮者として皆をまとめてきた松下一彦さんが地震で土砂崩れに遭い、息子さんと共に帰らぬ人となった。

大黒柱でムードメーカーだった松下さんを失い、楽団は活動を休止。一時は、解散も考えたが、地震で被害を受けた時こそ頑張るのが町の楽団の使命…松下さんならきっとそう言ったはず…そんな思いで、震災から約3カ月後、地元の保育施設のクリスマス会で活動を再開した。子供たちの笑顔を糧に活動を継続することを決めたのだ。

アイスショーは、山口さんをはじめ被災地・厚真町の人々を中心に約400人を招待。楽団による演奏で開幕し、ピアニスト・清塚信也氏のアレンジと演奏による「春よ、来い」を松任谷が歌う中、羽生選手は華麗な滑りを披露した。

被災地の人々の笑顔と涙、そして温かな拍手が会場を包み、羽生選手は「春が来るようにと思って滑ることができました。ありがとうございます」と締めくくった。