漫画家・立葵さんがTwitterにて発表した短編漫画「あいつだけずるい」が、注目を集めている。描かれているのは学生たちによる三角関係……と思いきや、何とも"絶妙な"三者の関係。意外な展開に、驚きや称賛のコメントが寄せられている。
【創作】あいつだけずるい pic.twitter.com/X6cqbcT9FE
— 立葵 (@hiyokobeya) August 22, 2019
主な登場人物は、男子生徒・晴、女子生徒・雨野さんと雪の3人。物語は、晴がメガネを外した雨野さんを目にする場面から始まる。普段、雨野さんがメガネを取ることは珍しいのだろう、晴は驚きながら、その素顔を見ようと歩み寄る。「絶対そっちのが可愛い」と褒める晴だが、雨野さんは恥ずかしそうに「あんま見ないで……」と顔を隠してしまう。
クラスメイトたちに「雨野さん怖がってんじゃん~」とたしなめられるも「怖がってねーよ! 俺ら超仲良しだもんな~?」と、さらに近寄っていく晴。そんな中、ブルーで面白くなさそうな表情を浮かべるのは雪だ。「晴のやつまた雨野さんかまってるよ」「いいの? あれほっといて」と言う友人にも「……よくな~い」と嘆く。
そこで一転、「流石に今回はジッとしてられないわ」と席を立つ雪。晴を咎めるのかと思いきや、向かった先は雨野さんのもと。正面から眺める晴に対して、下からじっくり覗き込む雪は「え、まじ可愛いんだけど」と一言。晴も「可愛いよな」と同調する。その間、恥ずかしがりっぱなしな雨野さんの表情も含め、微笑ましい一幕だ。
また、見方によっては、少し異なる読み取り方もできうるだろう。2ページ目、雨野さんにグイグイと絡んでいく晴を横目にする、雪のアンニュイな表情が見られるが、彼女が嫉妬しているのは、雨野さんではなく、大胆な行動を取った晴の方かもしれない。以前より雪も雨野さんに近付きたかったものの近付けず、内心でやきもきしていたところ、臆せず動く晴を見て「流石に今回はじっとしていられないわ」と立ち上がったようにも見えてくる。このように、漫画は多義的な関係を匂わせる要素を持っている。
リプライには「オチが素敵…」「さすがにこの流れになるとは思わなかった」という驚きや「自分も混ざりたい」「二人ともズルい! 僕にも見せて下さい!」という同調の声も。さらに「覗き方のガッツリ感好き」「最後の顔え? あんたも? 私だってやりたいのにみたいな顔もすこ」(すこは好きの意)「この作品と彼女の美顔と二重の意味で見ないと損ですね」と称賛のコメントが寄せられている。
この短編の作者は、小学館のコミックアプリ「マンガワン」で『幸せな恋、集めました』も連載している漫画家・立葵さん。22日には、Twitterで発表してきた短編と描き下ろしの作品が収録した、自身初となる単行本『なにがなんでもハッピーエンド 立葵短編集』(スクウェア・エニックス)が刊行された。
この話が入ってるわけじゃないんですがこの話を楽しんでいただけた方はたぶん楽しめるであろう短編集が今日発売致しました💨💨💨
— 立葵 (@hiyokobeya) August 22, 2019
どうぞよろしくお願い致しますm(*_ _)m https://t.co/X5oGx8ivpU