映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer 』(監督:田崎竜太)『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』(監督:上堀内佳寿也)の大ヒットを記念し、『仮面ライダージオウ』で主演を務める奥野壮が19歳の誕生日を迎えた8月21日に、「大ヒット御礼!奥野壮バースデー上映会」が東京・丸の内TOEIにて催された。

  • 特製バースデーケーキを前にして得意のポーズを決める渡邊圭祐(左)と奥野壮(右)

2018年9月に放送開始した『仮面ライダージオウ』のテレビシリーズも、いよいよ8月25日の放送で最終回を迎えることに。1年間にわたって仮面ライダージオウ/常磐ソウゴを演じ、ソウゴと共に心も身体もめざましい成長を遂げた奥野は、会場を埋め尽くした500人ものファンに向かって笑顔で挨拶を行った。奥野は登場すると共に「祝え! 今日は俺の誕生日だ!」と、少々照れながら『ジオウ』劇中の"魔王"さながらの立派な"宣言"で、客席を興奮に沸かせていた。

19歳の誕生日を迎え、大勢のファンから祝福の声を浴びた感想は?とMC(寺迫麿)より聞かれた奥野は「こんなに(大勢から)お誕生日をお祝いされることがなかなかないので……」と大いに照れながら「うれしいです! 昨日もたくさんのキャスト陣から祝ってもらったんですけど、今日はいつも『ジオウ』をテレビで観てくださっているみなさんからお祝いをしていただけるということで、すごくうれしいです。ありがとうございます」と、前日に共演者の面々から1日早い誕生祝いをされていたことを明かしつつ、大勢のファンに改めて感謝の言葉を述べた。

自身の「18歳」の時間と重なる『ジオウ』での1年間を振り返った奥野はしみじみと「大変でしたね……。最初はやはり、初めてのことだらけで未熟な部分がたくさんあったんですけれど、でもこの1年、すべての仕事を楽しんでやることができました。今となっては"すごく楽しかった"と言うことができます」と語り、デビュー作であり初主演ドラマでもある『ジオウ』に全力で取り組み、確実に力をつけることができたという自信を感じさせた。

思い出に残るエピソードは?という質問に奥野は「僕のことではないですが、大幡しえりが爆破シーンのときに毎回めちゃくちゃ大きな声で驚く、というのが印象に残っていますね。こんなエピソードでいいのかな(笑)」と、特撮ヒーロー作品につきものの「爆破」シーンの撮影で、ヒロインのツクヨミを演じる大幡しえりのリアクションが強く印象に残っていると語った。ちなみに奥野自身も爆発は「怖いですよ! だいたい目の前で爆発しますからね。熱いし……」と、ヒーローをカッコよく演じる中で爆発の怖さを乗り越えるという苦労を打ち明けた。

楽しかったことは?という問いには「毎回の台本を開いて、レジェンドの方の名前を見つけて"おおっ、この人が来てくれるんだ"と思う瞬間が楽しい、というより"うれしい"ことでした。冬映画(平成ジェネレーションズFOREVER)での佐藤健さん(仮面ライダー電王/野上良太郎役)をはじめ、『ジオウ』ではレジェンドライダー(俳優)の方々に助けられてきましたので……」と、歴代平成仮面ライダーの主演俳優や、作品ゆかりの人物など、多彩なゲストを迎えて共演できたことへの喜びをかみしめた。

いよいよ『ジオウ』が最終回を迎えるにあたっての心境を聞かれた奥野は、まず客席に向かい「みなさん、寂しいですか?」と問いかけた。「寂しい~!」「(終わるのが)イヤだ!」という声を耳にして満足そうな顔を見せた奥野は「よかった! 僕は最初のときに『ジオウを愛される作品にしたい』という目標を持っていましたから、こうやって今、みなさんが終わりを惜しんでくださるのは"愛されてる証拠"なのかなと思っています」と、ファンへの強い感謝の気持ちを述べた。さらに「最終回は自信を持ってお届けできるものになっています。全話の中でもいちばんよいエピソードになっていると思いますので、どうぞ楽しみにしていてください」と、『ジオウ』の1年間を締めくくる重要なエピソードとなる最終回について期待を煽っていた。

ここで『ジオウ』のパイロット(第1、2話)や、映画『劇場版 仮面ライダージオウOver Quartzer』も手がけた田崎竜太監督(※田崎監督の崎は立つ崎が正式表記)より、奥野へのお祝いメッセージがMCより読み上げられた。その全文をご紹介しよう。

「お誕生日おめでとうございます。そして奥野壮の18歳の一年間を常磐ソウゴにシェアしてくれて本当にありがとう。お陰で常磐ソウゴはこんなにも皆さんに愛され、シリーズを全うすることが出来ました。自分自身だけでなく、役の人間にも生きる力を分け与える、それが役者という仕事だと思います。生きる力をじゅうぶんに蓄え、一人分以上の人生を歩いて行って下さい。19歳の奥野壮にも20代の奥野壮にもずっと注目し応援していきます。 今日は参加出来なくて申し訳ありませんが、参加している皆さんに存分に『祝え!』してもらってください!」

田崎監督からのメッセージについて、奥野は感激しつつ「1年間、僕たちを見守ってくれていたんだなあと、感謝の気持ちしかありません。ありがとうございました!」と笑顔で語った。そして田崎監督の印象を聞かれると「仮面ライダーのことを愛されているなという演出の仕方だったり、僕たち俳優のことをしっかり見てくださっているという言葉のかけ方だったり、いろいろな印象が残っています。夏映画を務められるのが田崎監督だと聞いたときは、キャスト全員ですごく喜んだのを覚えています」と、改めて自身の成長に大きな影響を及ぼした人物のひとりである、田崎監督への感謝の気持ちを明かした。

最終回を間近に控え、"本人を目の前にしてはなかなか言えない"共演者へのメッセージを求められた奥野は、まず仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツを演じた押田岳について「みなさんの前で言うのは恥ずかしいんですけど、"最高のバディ(相棒)"だったなと……。年齢は岳くんのほうが3つくらい上なんですよね。その中で、僕と同じ目線に立ってくれてお芝居の話だったり、プライベートの話だったり、たくさん相談して、たくさん一緒に悩んで、ということをやってきました。(押田への)メッセージはもう"ありがとうございました"しかないですね」と、劇中のソウゴとゲイツ同様に強い絆で結ばれた"相棒"への感謝を述べた。

ツクヨミ役の大幡しえりについては「僕たちが仮面ライダーに変身してからもずっと1人で現場にいて、一生懸命頑張っていた。最終回を迎えるにあたって、ヒロインの大変さをひしひしと感じました。1年間、『ジオウ』のヒロインでいてありがとう」という、ねぎらいの言葉をかけた奥野。続いて仮面ライダーウォズ/ウォズ役の渡邊圭祐へのメッセージを言うかと思ったら「……ないですね」とジョークを飛ばして会場の笑いを誘ったあと、改めて「(渡邊は)こういうイベントの場でもいちばんトークを盛り上げてくれる人。『ジオウ』のレギュラーではいちばん年上で、あの人がいてくれたからこそ、ジオウキャストチームの良い関係ができたんじゃないかなと思います。1年間、ソウゴの"従者"でいてくれてありがとう!」と、渡邊について最高の賛辞と感謝の思いを語った。

「19歳になって、今後の抱負は?」という質問が投げかけられた奥野は「人と人との出会いを大切に、目の前の仕事をひとつひとつ一生懸命頑張っていくことができたら」と、真摯な姿勢を崩さずにこれからの自分の飛躍と発展に意欲を燃やすコメントを残し、大きな拍手を浴びていた。

そして、客席からの手拍子とバースデーソングが流れる中、特製バースデーケーキがスタッフによってステージに運ばれてきた……のだが、そのスタッフとは、なんとウォズ役の渡邊圭祐、しかも役衣装での登場だった。渡邊が来ることを事前にまったく知らされていなかった奥野は、このサプライズ演出に対して「ほんとに聞いてないんだけど! 今日は"取材"じゃなかったの?」とあわてながらコメント。渡邊はそんな奥野を見ながら客席に向かって「祝え! 奥野壮19回目の生誕の瞬間を!」と"ウォズ節"全開で祝福メッセージを飛ばして会場全体を盛り上げた。渡邊はこの日、奥野に「取材が入っている」と偽りながら、事前にこのサプライズを仕掛けるために準備をしていたことを明かし、胸に貼りつけた「STAFF」ステッカーを何度も強調。奥野は「きのうは"取材だからイベントには来られない"って言っていたのに!」と動揺しながらも、心の底からうれしそうな顔を見せた。

渡邊が運んできた特製バースデーケーキには、奥野が毎日欠かさず食べているというカットフルーツがあしらわれている。渡邊は「裏で鴻上会長がクリームを塗っていた」と、『仮面ライダーオーズ/OOO』(2010年)で人の誕生日を全力で祝うのを至上の楽しみとしている鴻上会長(演:宇梶剛士)の名前を出し、笑いを誘った。

この1年間で、奥野のどんなところが変化した?という問いに渡邊は「……ないですね」とジャブ的なジョークを飛ばし、奥野から「頑張れよ!!」というツッコミを受けた後「みなさんも気づいているかと思いますけど、顔つきが変わりましたね。最初に会ったときはフワフワしていて、仔犬みたいな顔をしていましたが、今ではドーベルマンくらいの顔になったかなと。キリっとした目つきになってね。僕がそれを感じたのはEP21、22の"龍騎編"で"裏ソウゴ"を演じたとき。あそこからいろいろと"幅"が増えて、ふだんのソウゴに"魔王"らしさが出てきた。そこから奥野壮という人がどんどん大人になってきたと感じました」と、ミラーワールドでのダーティな匂いがするソウゴとふだんの明るいソウゴを演じ分けるようになったあたりから、奥野のいちじるしい成長を実感したと話した。

続いて、渡邊はウォズがいつも手にしている"逢魔降臨暦"の中から、奥野への祝福メッセージが書かれた紙を取り出したが、それは渡邊が直前に仕込んでいたフェイクで、紙には何も書かれていなかった。奥野の「書いてねえじゃん!!」という全力のツッコミを浴びた後、渡邊は別なところから本物の手紙を出し、こんどは本当に奥野への誕生日メッセージを読み上げた。その全文は次のとおり。

「壮、19回目のお誕生日おめでとうございます。まだ19歳ということでお酒を酌み交わすことができないことを悲しく思います……。そして『ジオウ』は今週で最終話。ソウゴがこの先をどう選択するのか楽しみで仕方ありません。と同時に、ひとつ ひとつ歳を重ね、奥野壮がどんな大人になっていくのか、おじさんは本当にわくわくしております。兎にも角にも、今日はこれだけの方が奥野壮の誕生を祝いに来てくれたということに酔いしれてください。お誕生日おめでとうございます!」

続いて渡邊が開いた"逢魔降臨暦"のページには「HAPPY BIRTHDAY奥野さん 祝19!!」という特別メッセージが記され、奥野をさらに感激させた。ケーキを目の前にしてニッコリ笑う奥野の写真には渡邊のサインまでついており、奥野はこれを見て「いらないです……(笑)」と照れ隠しのジョークを飛ばしながら「今日来てくれてありがとうございます。ずっと照れくさかったので、助かりました!」と今一度渡邊の"祝福"に感謝の気持ちを表した。

マスコミ向けのフォトセッションでは、ジオウフィギュアが置かれた特製バースデーケーキを前に、奥野がジオウ、渡邊がウォズの決めポーズをとりながら撮影に応じていた。

渡邊が取り分けたケーキを奥野が食べるという、最高のビジュアルも披露された。最初は奥野が一口食べるだけだったようだが、わずかな合間を見て渡邊も一口ケーキを"味見"しており、その瞬間を奥野がしっかり見ていて指摘する、というほほえましいやりとりもあった。

最後に奥野は「こんなに大勢の方たちから誕生日を祝ってもらったのは初めてで、ずっと照れくさがっていてごめんなさい。今日は圭祐さんも来てくれてうれしかったです。みなさん、ありがとうございました!!」と元気よくあいさつを行い、イベントを見事に締めくくった。奥野が話している間、渡邊がウォズになりきって奥野を称えるポーズを取り続けており、2人の仲の良さも強くうかがえた。

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