7月に開催された「UIPath AI EXPO」において、Preferred Networks執行役員 研究開発担当VPである比戸将平氏は「深層学習がもたらす製造業のスマート化とRPAとの連携可能性」と題した講演を行った。

比戸氏は冒頭で「私の語るロボットはRPAのロボットではなく装置としてのロボット。それを人間を補助するRPAのロボットと掛け算することでいろいろなことができるのではないかと思っている。イベント自体はAI×ロボットということだが、AI×ロボット×ロボットという感じで話をしたい」と注釈した。

  • Preferred Networks執行役員 研究開発担当VP 比戸将平氏

講演では、Preferred Networksが開発した深層学習による「全自動片付けロボット」の動きを紹介した上で、AIを活用したの深層学習によるロボット制御で製造業のスマート化に取り組んでいる現状が語られた。

製造業で実用化されている深層学習の活用例

「製造業はスマート化の歴史そのもの。いかに同じものを早く正確に、効率的に作るかをひたすら考えてきた。その中でディープラーニングはどんな差別化ができるのかというと、3つの行動がある。1つ目は見ること。ディープラーニングは非常に画像認識に有効な技術なので、まず見るところから始める。見ることができることで、掴むことも正確にできるようになる。さらには調整ができるようになる。正確な製造のためには日々いろいろな調整が必要になるが、そこも人間がやるのではなく機械にやらせることがディープラーニングで可能になる」と比戸氏は解説した。

  • 製造業に深層学習が使える3つの行動

同氏は、実際に現場で行われている、深層学習を活用したロボットを活用した「見る」事例として、素材や製品の外観検査や、センサーデータからの予防保全を紹介。さらに将来的な実用化を目指した研究活動として、機械で物体を掴むための触覚と視覚からの物体特性の推定についても語られた。

  • 外観検査

  • センサーデータからの予防保全

  • 触覚と視覚からの物体特性の推定研究

「つかむ」の事例としては、ランダムな置き方をされた多彩な製品を対象とする「ばら積みピッキング」を、「調整する」の事例としてはAIサーボチューニングやAI熱変位補正といったものも紹介。これらはFANUCとの事例になる。

  • ばら積みピッキング

  • AIサーボチューニング

  • AI熱変位補正