愛らしいベリー系の果実・ハスカップ。北海道の道央エリアにある厚真町(あつまちょう)は、ハスカップの栽培面積が国内1位※です。この果実を使って、あるプロジェクトがスタートしました!
※同町公式HPより
ハスカップビールで厚真町を応援
代官山にある「スプリングバレーブルワリー」は、クラフトビールを醸造するブルワリーにレストランが併設された、新しいビール文化の発信基地です。
同施設では8月10日より、「北海道厚真町産 ハスカップ」を数量限定で提供。また、2018年の北海道胆振東部地震で被害を受けた厚真町を応援すべく、約1カ月間、「1杯につき10円」を厚真町に寄付するそうです。
プロジェクトスタートに先駆けて開かれた発表会には、厚真町の町長である宮坂尚市朗氏もはるばる駆けつけ、スピーチを行いました。
「厚真町は千歳空港から車で30分ほどのところに位置し、ハスカップの栽培面積は日本一。昨年の地震では大きな被害を受けましたが、農家の方々のご尽力で今年は見事に復活しました。健康面では、果実に含まれるアントシアニンの抗酸化作用の効果も注目されています」。
知っているようで知らない、ハスカップの話
ハスカップは、北海道の先住民族であるアイヌ民族が不老長寿の実として珍重してきた植物で、果実を食用にします。北海道の土産物店や北海道物産展などで、ジャムやゼリーなどの加工品を見たことのある人もいるのではないでしょうか。
果実は一見、ブルーベリーに似た感じですが、味は……?
すごーーく酸っぱい!
栽培農家さんによると、「ハスカップは、木ごとに味が違うという特徴があります。酸っぱいもの、甘いもの、時には苦いものまであります。味の均一化は難しい性質ですが、そこが逆に面白いところです」とのこと。
このように、なかなか個性あふれるハスカップ。ビールにするのにも、ひと苦労。121.5kgを手摘みで収穫し、果実を丸ごと漬け込み貯蔵タンクで熟成させるといった手の込みぶり。
特に、「ハスカップの風味がビールの味で消えないこと」を目指して、およそ30種類のビールでテストを行い、試行錯誤の末に誕生した力作なのです。
スプリングバレーブルワリー社長の島村宏子氏は「スプリングバレーブルワリーは、『ビールを通して地方と東京をつなぐ』がコンセプト。第1段の「因島(いんのしま)のはっさくのビールは、売り上げが1.5倍増え、2週間で売り切れました。今回も多くの方にハスカップビールのことを知っていただきたいです」と、大きな期待を寄せています。
ハスカップビールの楽しみ方
ハスカップビールは、口に含むとフレッシュな果実の味わいが訪れ、最後にビールのほどよい苦味が追いかけます。深みのある後味も、なかなかいい感じ。
それから、なんといってもきれいな赤色は、ハスカップの実の天然の色そのもの。鮮やかでキュートな果実のビールではありますが、甘すぎないため、あらゆる料理に合いそう。とはいえ、ハスカップの産地に合わせて北海道食材も一緒に楽しみたいところ。
スプリングバレーでは、北海道食材を使った料理も提供スタート。メロン、生ハム、チーズなど、その顔ぶれはさすが食材王国の北海道。「北海道メロン・生ハムのラスパドゥーラチーズ添え」、「北海道 夢民豚バラ肉のボリートのサルサべルデ」など、主役のハスカップビールを引き立てる料理も、お見事です。
ハスカップビールは360mlのレギュラーサイズで930円(税込)。売り上げのうち10円が厚真町への復興支援金として寄付されるそうです。皆さんもお出かけして、冷たいビールで暑気払いでもいかが?