女優の山口智子、俳優のリリー・フランキー、大根仁監督が、18日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ボクらの時代』(毎週日曜7:00~7:30)で、視聴率について語り合った。
女優業の傍ら、世界中を旅する時期があった山口。異文化に触れるにつれて、日本古来の職人世界にも感銘を受けるようになったという。
山口は、「いい仕事ほど、ちょっと時間がかかるじゃないですか。世の中がちゃんと分かるのに、10年~20年かかってしまった時にその見返り、対価が何もないままに過ぎていってしまう社会はちょっと悲しい気がする」とその経験を振り返り、「見たら『いい!』と言いまくって、使いまくって、買いまくって。何か歯車として動かしていかないと。気がついたらなくなっていた、絶滅しちゃった現実が一番切ない」と職人世界を存続させるために経済活動を意識しているらしい。
そこから話題は、身近な「視聴率」に。「今はすぐ判断を迫られる。視聴率でも何でも。明日、明後日ぐらいの結果だけ、数字だけで判断してというのは……。本当に良い材料、しっかり時間をかけて永久不滅ぐらいに使えるステキものができているはずなのに、その結果が明日、明後日の評価だけで終わってしまっては」と危惧し、「100年後にも揺るぎない結果を」「ちゃんとみんなが評価できる受け入れ体制というか、視野の広さというか」や「待つこと」が重要であると説く。
これにはリリーも「例えば、『この数字が良くない』とその瞬間にそうなっても、10年後、20年後にコンテンツとして延々人に見られていれば、今週の何%なんかあまり意味がない」と納得し、「今はそういうふうにコンテンツになっているものをみんなが好きな時間に見るようになってくると、その瞬間に何人見たかというよりも、もっと大切なことがある」と解説する。
また、山口の「今の一瞬だけの結果だけで判断していたら、受けやすいものだけにしておきましょうみたいな風潮が蔓延して。バリエーションがなくなっちゃうことが一番悲しくないですか?」という問いかけに、大根監督は「これまではテレビもドラマとかはソフト化されていたけど、こういったトーク番組やバラエティもアーカイブで残っていく」と同調。
さらに大根監督が「視聴率だけで考えるのは、本当にバカバカしい……ってあまり言っちゃいけないんですけど、本当にそう思います」と言葉を選びながら切実な思いを伝えると、山口も「いろんな判断基準、いろんな声があっていい」と視聴率至上主義から変わっていくことに期待を寄せていた。