夏の暑い時期は、ビールがおいしい季節です。ついつい飲み過ぎ、食べ過ぎで疲れを感じることもあります。肝臓の機能を整えるのにおすすめなのは、タウリンを含む食材です。タウリンは、疲労回復にも効くといわれており、お酒が好きな人には、おすすめの栄養素です。今回はダイエットにも役立ち、タウリンが摂れるタコレシピをご紹介しましょう。

肝機能だけじゃない! タウリンは疲労回復に効く

タウリンは、魚肉や貝類に多く含まれているアミノ酸です。栄養ドリンクにもよく見られる成分で、心筋の代謝を改善したり、肝機能を改善する医薬品としても利用されています。

タウリンは、牛、豚、鶏などの肉類には、ごくわずかしか含まれていません。いか、たこ、貝類、魚の血合いに特に多く含まれています。心臓や肝臓の働きを強化したり、血圧を正常に保ったりするなど、さまざまな症状や病気に対する抵抗力をつけて、予防や改善に役立つ成分です。

魚介を食べると高血圧の予防に?

魚をたくさん食べる地域は、高血圧、血管障害などが少ないといわれています。魚介には、EPA、DHAといった成分もありますが、タウリンの働きも高血圧などの予防に役立っていると考えられています。タウリンは、交感神経抑制作用があります。そのため、食塩の取りすぎが原因である高血圧であれば、改善が期待できることが明らかになっています。そのため、高血圧が原因となって引き起こされる、脳卒中、心臓病、肝臓病などの予防につながるのです。

低カロリーでダイエットにも

たこ、いか、えびなど魚介類は、良質なたんぱく質が含まれているほか、低脂肪で、低カロリーです。ダイエット中でカロリーが気になる時でも、お酒のつまみなどにもおすすめの食材になります。

また、たこ、いかなどは筋線維が多く、食感が硬く、よく噛む食材になります。硬い食材がおかずにあると、自然とよく噛むことにつながり、ゆっくり食事を食べることができます。噛む回数が増えれば、消費カロリーが増えます。そして、よく噛むことで、少量でも血糖値が上昇し、インスリンが分泌、満腹中枢が刺激されて満腹感を感じやすくなり、満足感が長く続くようになります。一回の食事は15分以上かけて食べるのが目安です。また、あごをよく使うことで、こめかみ辺りの側頭筋、ほお、あごにかけての咬筋など顔のたるみを防ぐために効果的な筋肉を動かすことで、ほおのたるみ予防に役立ち、美容にもおすすめです。硬い食材は、胃腸に負担をかけやすいですが、ゆっくりよく噛むことで、食べ物を小さく砕き、唾液ともよく混ざるため、消化しやすくなり、胃腸の負担も軽くなります。体脂肪率が低い女性は、よく噛んでいるとの調査結果もありますから、ダイエットしたい女性には特におすすめの食材です。

タコは、日本での消費量も多く、好きな人も多い食材です。肝機能に効果的で、よく噛むことができ、タウリンもとれるタコを使った簡単な美容マリネをご紹介しましょう。

タウリンがとれるタコマリネ
<材料>2人分
ゆでだこ     200g
きゅうり     1本
ミニトマト    6個
玉ねぎ      1/4個
オリーブ油    大さじ2
酢        大さじ1
塩        少々
こしょう     少々

<作り方>
1:ゆでだこ、きゅうりは、一口大に切る。ミニトマトはヘタを取り、半分に切る。玉ねぎはみじん切りして、水にさらし、水けを切っておく。
2:ボールに1を入れ、オリーブオイル、酢、塩、こしょうを入れて混ぜ合わせ、食べる直前まで冷蔵庫に冷やしておき、皿に盛ったらできあがり。

<ポイント>
材料は、大きめに切ることで、よく噛める食材になります。タコのほかにも、エビやイカなどを足して、作るのもよいでしょう。好きな野菜をたっぷり入れて、ボリュームを出すのもおすすめです。食欲がないときにも、酢の酸味でお箸が進むメニューです。カロリーを気にせず、たんぱく質やビタミン類をしっかり補うことができます。疲れを感じたら、タウリンがとれる食事を食べて、元気を回復しましょう。

筆者プロフィール: 岡田明子

管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など