女優の田中美佐子が、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『それぞれの断崖』(毎週土曜23:40~)の撮影に臨む心境を語った。

  • 田中美佐子(左)と遠藤憲一=東海テレビ提供

同ドラマは、志方恭一郎(遠藤憲一)の中学生の息子・恭介(渡邉蒼)が、13歳の同級生に殺害されたことをきっかけに、崩壊する家族とその再生を描く社会派作品。田中は、恭一郎の妻・雪子役を演じている。

出演者やスタッフが初めてそろう顔合わせで、田中は「(役として)不倫をする側はしょっちゅうですが、される側は初めて」と話し、皆を笑わせた。クランクインは、“家庭内暴力”という緊張感高まるシーンの収録だったが、積極的に子どもたち(渡邉、、永瀬莉子、仁村紗和)に話しかけ、緊張をほぐしていたという。

また、“恭一郎が酔っ払って帰宅するシーン”では、カットがかかった瞬間、田中と遠藤の間で「エンちゃん、よく昔、酔っ払ったまま現場に来てたよねー」「だな。今やったらクビだよ、クビ」と軽妙なやりとりを見せ、現場を和ませていた。

クランクインの様子について聞くと、「思った以上に楽しかったです。なんか、こういう話(のドラマ)だと現場が重くなっちゃうんじゃないかと思っていたけど、エンケンさんをはじめ、みんなダジャレ好き・ジョーク好きの方がそろっていて、娘たちもすごくそれに乗ってくれて、本番以外は楽しくできています」とのこと。

また、「役に関しては何も考えないんです。現場に入って、セットを見て、衣装を着て、こういう生活水準で、こういう家庭でというのが何となく見えてきたら後は監督の言う通りにできたらいいなっていう、どっちかというと(役に)ニュートラルに入るタイプなんで。でも、ドラマに入る前には必ずちょっとだけ休みをもらって、やりたいことをいっぱいやり続けてスッキリしてからストレスの溜まるドラマに行こうといつも思ってます(笑)」と、作品に臨んでいるという。

主演の遠藤については「一番の魅力は、気が弱いところ。若い頃は『前に出ることができないタイプ』で苦労されていて、だからこそ今、必死に自分を表現している姿がすごく素敵だなと思います。(恭一郎が思いを寄せることになる)田中美里さんとは、名前が一文字違いゆえ一緒にキャスティングされることはないかなと思っていたので、今回実現できて良かったです。実は美里さんがご自身のラジオ番組で話した内容に対し『この前の(ラジオ)面白かったです』『ファンになりました』と、言われることが度々あり、それだけ人気のある方なので私はトクをしていました。でも今回の脚本を読むと…この夏きっと演技上でバチバチあるかもですね(笑)」と予告していた。