8月7日、日本将棋連盟より女流棋士、女性奨励会員がプロ四段となった際の処遇についての発表がありました。
里見香奈女流五冠が女流棋戦でない一般公式戦で好成績を挙げ、編入試験受験の資格(良いところ取りで10勝以上かつ勝率6割5分以上)取得に近付き、また奨励会三段リーグでは西山朋佳三段が奮戦中で、初の女性四段誕生が現実味を帯びてきていました。
女流棋戦は参加、不参加の選択が可能
同連盟の発表は以下の通り。
この度、日本将棋連盟は女流棋士がプロ棋士編入試験に合格した場合、また女性奨励会員が四段の資格を得た場合の規定を下記の通り決定しました。
1.女流棋士がプロ棋士編入試験に合格した場合、女流棋戦、及びプロ棋士公式棋戦の両方に出場することが出来る。
2.奨励会に所属している女性が四段に昇段をした場合、女流棋士申請を行うことが出来る。ただし、申請期間は昇段日から2週間以内とする。
※日本将棋連盟ホームページより
四段を目指していたのですからプロ棋士公式戦を指すのは当然として、女流棋戦への参加、不参加は選択可能、ということのようです。
里見女流五冠が編入試験に合格し四段(順位戦を指さないフリークラス)になり、女流棋戦、プロ棋士公式戦の両方に出場する選択をしたとしてシミュレーションしますと、竜王戦や叡王戦などのタイトル棋戦7棋戦、一般棋戦の朝日杯、NHK杯、銀河戦、若手棋戦の新人王戦、YAMADAチャレンジ杯、加古川青流戦、合わせて13棋戦への参加が見込まれます。
仮に勝率が5割になるよう、敗者戦のある竜王戦で2勝2敗、他の棋戦で1勝1敗の成績を挙げたとすると28局の公式戦を指すことになります。これに加え女流棋戦にも参加するとなると、里見女流五冠の2018年度の女流期戦対局数が27局でしたので単純に合計すると55局。これは男性棋士の2018年度対局数ランキングで3位に相当します。フリークラスを抜けて順位戦に参加すればさらに10局増え、同ランキングで1位(※2018年度1位は広瀬章人竜王の64局)になる計算です。
女流棋戦は持ち時間の短いものが多いため一様に比較できない面もありますが、なかなかの激務となりそうです。
初の女性四段が生まれるのはいつ? そしてその時、下す決断はどちらになるのでしょうか?