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【この記事のエキスパート】
JSA認定ソムリエ:井出 玲子

JSA認定ソムリエ:井出 玲子

OLだった20代前半にワインの魅力に惹かれ、飲食業の道へ。
イタリアンレストランなど、数軒のレストランを経て、1989年、JSA認定ソムリエとなる。

日本のワイナリーのコンサルティング会社にてプロモーション施策やマーケティング業務を行い、その後フリーに。飲食店のメニュー作成やコンサルティングを行う。

現在、フリーのフードコーディネーター、編集・ライターとして活躍中。


比較的歴史の新しいワイン産地のひとつであるカリフォルニアで作られているワインは、コスパの良いものから高級なものまでさまざま。日本ソムリエ協会(JSA)認定ソムリエである井出玲子さんへの取材をもとに、カリフォルニアワインの選び方とおすすめ商品をご紹介します。

カリフォルニアワインの特徴とは?

カリフォルニアの豊かな自然のなかでつくられるカリフォルニアワインは、軽やかな味わいが特徴です。ワインの生産地としての歴史はまだ浅いですが、ヨーロッパの伝統的な手法を取り入れたり、ワインを科学的に研究したりして、おいしいワインをつくり続けています。

カリフォルニアワインは、生産地によって大きく味わいが異なるのもポイントです。セントラル・ヴァレーやサウス・コーストでは、デイリーワインにぴったりの軽めのワイン、太平洋沿いのセントラル・コーストでは個性豊かなワインがつくられています。

カリフォルニアワインの選び方

JSA認定ソムリエの井出玲子さんにカリフォルニアワインの選び方のポイントを教えていただきました。どんな点に注目してカリフォルニアワインを選べばいいか悩んでいる方は、ワインのエキスパートの視点を商品選びに生かしてみてください。ポイントは下記。

【1】産地から選ぶ
【2】ブドウの品種から選ぶ
【3】有名なワイナリーにも注目!
【4】ワインの種類で選ぶ
【5】当たり年にも注目!
【6】プレゼント用なら高級なものを

上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。

【1】産地から選ぶ

ひとくちにカリフォルニアといっても広大です。産地がいくつかに分かれており、どこでつくられたかによってそれぞれ特徴が異なります。産地による特徴を見ていきましょう。

ボルドースタイルの「ナパ・ヴァレー」

出典:Amazon

ナパ・ヴァレーのワインは、パワフルな味わいと華やかなニュアンスが特徴。カベルネ・ソーヴィニョンのほか、ピノ・ノワールやシャルドネ、メルロ、ソーヴィニヨン・ブランといった品種から質の高いワインがつくられています。

評論家などからの評価がよい「ノース・コースト」

出典:Amazon

サンフランシスコの北側にあるノース・コーストは、海と山に囲まれており、カベルネ・ソーヴィニョンやピノ・ノワール、シャルドネなどさまざまなブドウがつくられています。

小さなワイナリーによる本格的で質の高いワインが多く、評論家や批評誌の評価もよいです。なかには生産量が少なく、希少な「カルトワイン」と呼ばれるワインもあります。

クオリティの高いワインがそろう「ソノマ」

出典:楽天市場

ソノマの南部では、冷涼な気候を生かして、ピノ・ノワールを使ったワインが多くつくられています。一方、ソノマの内陸部では、その温暖な気候を生かしてカベルネソーヴィニョンやメルロー、ジンファンデルを使ったワインが多いです。

南部のピノ・ノワールを使ったワインは質がよく、内陸部のワインはカジュアルに楽しめコスパのよさが特徴です。

バラエティに富んだ「セントラル・コースト」

出典:楽天市場

太平洋沿いの、サンフランシスコからサンタバーバラまでの地域がセントラル・コーストです。北部ではピノ・ノワール、南部ではメルローなどが栽培されており、地域によってワインの味わいが異なります。

個性的なワインが多くつくられているので、カリフォルニアワインのバラエティに富んだ味わいを感じたい人に適した産地です。

デイリーワインなら「サウス・コースト」「セントラル・ヴァレー」「シエラ・フットヒルズ」

ふだんの食卓で飲むデイリーワインには、「サウス・コースト」「セントラル・ヴァレー」「シエラ・フットヒルズ」でつくられたワインがよいでしょう。

サウス・コーストはサンディエゴやロサンゼルスに近い地域で、軽めのテーブルワインが多くつくられています。カリフォルニアの農業の中心地であるセントラル・ヴァレーは、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンを使ったワインが多くつくられており、こちらも軽めの味わいです。

シエラ・フットヒルズではジンファンデルという品種のブドウがつくられており、黒ブドウを使って白ワインの製法でつくられた「ブラッシュワイン」が広く知られています。

【2】ブドウの品種から選ぶ

カリフォルニアではさまざまな品種のぶどうが栽培されています。それぞれの特徴を紹介します。

ナパやソノマを代表するぶどう品種「ジンファンデル」

ジンファンデルは、ナパやソノマで広く栽培されている品種です。色が濃く、果実味あふれるワインになります。

酸味はおだやかで、チェリーやカシスなど黒い果実のニュアンスが感じられる味わいが特徴。クミンなどのスパイス香も感じられます。アルコール度数が高めで、長期熟成に向くワインが多いです。

カリフォルニアでは、ジンファンデルを使ったロゼワイン「ホワイト・ジンファンデル」もつくられています。ホワイト・ジンファンデルは、みずみずしく軽やかな味わいです。

ボルドーよりフルーティーな「カベルネ・ソーヴィニヨン」

カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニョンは、ボルドーのものよりもフルーティーな味わいです。豊かな香りと、骨格のしっかりしたタンニン・酸が特徴。赤身の肉と相性がよいので、牛肉やラムと合わせて味わってみましょう。

熟成を待たずに買ってすぐに楽しめるワインや、カジュアルに楽しめるデイリーワインも多くつくられています。

まろやかな味わいの「メルロー」

メルローを使うと、
まろやかでやわらかい、シルキーなテクスチャーのワインになります。ほどよいタンニンとボリュームが感じられ、エレガントで繊細なのが特徴です。ただおだやかなだけでなく、スパイシーなあと味を感じることもあります。

熟成させても、購入してすぐに飲んでもおいしいワインが多いです。カリフォルニア州では、メルローだけを使ったワインもつくられています。

さくらんぼのような果実味のある「ピノ・ノワール」

ピノ・ノワールを使ったワインは、豊かな香りとなめらかな口当たりが特徴です。熟成させることで、枯れ葉のようなニュアンスやジビエを思わせるフレーバーが加わります。

カリフォルニアのピノ・ノワールは、甘酸っぱいチェリーやベリー系のニュアンスが出やすいです。ジューシーでフルーティーな、上品な印象のワインになります。

パワフルな味わいの「シャルドネ」

出典:Amazon

シャルドネは、つくり手や土地の個性が出やすい品種です。カリフォルニアでは、
よく熟したトロピカルフルーツのような香りと力強さを併せもったパワフルな白ワインになります。

ステンレスタンクで熟成させたものはすっきりフレッシュな味わいに、樽で熟成させたものはバニラやナッツを思わせるふくよかな味わいになりやすいです。

爽やかな柑橘系の「ソーヴィニヨン・ブラン」

出典:Amazon

「フュメブラン」とも呼ばれているソーヴィニョン・ブランを使うと、ハーブやグレープフルーツを思わせるさわやかなニュアンスのワインになります。購入後すぐが飲みごろのワインが多いです。

カリフォルニアのソーヴィニョン・ブランは、シトラス系の香りのなかにパッションフルーツなどトロピカルフルーツのニュアンスが加わります。酸はおだやかで、やさしい飲み心地です。

【3】有名なワイナリーにも注目!

カリフォルニアのワイナリーのなかでも、とくに注目したいワイナリーを紹介します。

ナパ北部にある『シャトー・モンテレーナ』

シャトー・モンテレーナは、ナパ北部・カリストガにあるワイナリーです。丘の急斜面から平地まで多様な地形が入り組んだ複雑な土地に畑を所有しています。1976年に開催された「パリスの審判」で、その名を世界に知らしめました。

複雑な土地で栽培されたぶどうもまた複雑なニュアンスを持ち合わせていることから、シャトー・モンテレーナのワインは複雑で奥行きのある味わいのものが多いです。

オーパス・ワンをつくる『ロバート・モンダヴィ・ワイナリー』

ロバート・モンダヴィ・ワイナリーは、「カリフォルニアワインの父」とも呼ばれるロバート・モンダヴィ氏のワイナリーです。1966年にワイナリーができてから、「オーパス・ワン」をはじめとしたすぐれたワインをつくり続けています。

環境に優しいぶどう栽培を行う「自然農法(ナチュラル・ファーミング)」や、重力に従って果実やワインを移動させる「グラヴィティ・フロー」を取り入れるなど、ユニークな取り組みにも力を入れているワイナリーです。

カリフォルニアを代表するワイナリー『リッジ』

「リッジ」こと「リッジ・ヴィンヤーズ」はカリフォルニアを代表するワイナリーで、その名はヨーロッパでも広く知られています。

単一畑のぶどうを使ったワインづくりに力を入れており、ワインのほとんどに畑の名前が冠されているのも特徴です。ワイナリーは、サンタ・クルーズ山脈中とソノマ郡の2カ所にあり、それぞれですぐれたワインがつくられています。

【4】ワインの種類で選ぶ

カリフォルニアワインは、大きく3つのタイプに分けられます。飲むシーンに合わせて選んでみましょう。

単一の品種で作られた「ヴァラエタル」

「ヴァラエタル」は使われているブドウの品種を前面に押し出したワインです。ブドウ品種による味わいの特徴がよく出ているので、好きなブドウ品種がある人はヴァラエタルワインから選ぶとよいでしょう。

使われているブドウの品種は、ラベルに表示されています。しかし、表示されているブドウ品種だけでつくられているとは限りません。

つくり手の個性が出る「プロプライアタリー」

「プロプライアタリー」とは、英語で「所有の」「専有の」という意味です。ひとつのワイナリーがブドウの栽培から醸造、瓶詰めまでを一貫して行なっており、ラベルにはオリジナルのブランド名や生産者名が表示されています。

ブドウの栽培から一貫してワインづくりに取り組むことで、ブランドや生産者ごとの特徴が色濃く反映されているのが特徴です。

初心者でも飲みやすい「ジェネリック」

数種類のブドウをブレンドしてつくられているのが、「ジェネリック」です。日常消費用に作られており、ラベルにワインの色調が表記されているものと、ヨーロッパの地名が書かれているものがあります。

ヨーロッパの地名が書かれているものに関しては、使うブドウの品種に制限はなく、その産地の味わいに寄せて作られているのが特徴です。おもに国内消費向けに出荷されています。

【5】当たり年にも注目!

ワインは、生産年度によって、良し悪しが異なるので、間違いのないヴィンテージワインを選びたいなら、ヴィンテージとなっている年度のワインを選ぶとよいでしょう。どこの国でもワイナリーごとにヴィンテージ年は異なりますので、全体的には2017年、2015年、2012年、2009年などがヴィンテージ年といわれています。

【6】プレゼント用なら高級なものを

カリフォルニアワインは、1,000円以下のデイリーなものから数万円するものまで、非常にバラエティ豊かです。比較的手ごろな価格のものは日常の食卓で気軽に親しみやすいものが多く、高価なものは、あわせる料理やグラス選びにも気を使う繊細なものが多くなります。

おすすめなのは、週末などにゆっくりと食事を楽しみたいときの食卓に向く2,000円台くらいのものから、特別な日に手のこんだごちそうとともに飲みたい4,000円~6,000円程度の価格帯。入手しやすく、デキャンタといわれる容器に移し替える「デキャンタージュ」などの手間がかからないものが多いです。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)