Twitter日本語版で「自己肯定感」というワードが6日、トレンド入り。自分自身を認める気持ちが下がっている時に感じられる精神的不調や、肯定感を高める思考法など多様なツイートが寄せられた。
自己肯定感とは、自分自身を受容し、認めていく感覚のこと。それは、自分自身に何かしらの条件を設け、クリアすれば許されており、その条件や目標に到達できなければ許されないといった制約つきのものではなく、自分自身が存在することそのものに対しての肯定感とも言えよう。
一方で、人間は社会的な存在でもあるため、自分自身が他者と比べられたり(また、自分自身でも他者と比べてしまったり)、努力や献身が報われなかったりすると、自然と自己肯定感は低くなってしまいがちだ。自己肯定感は、同じ人の中でも常に一定に保たれる感覚ではない。
Twitterでは、自己肯定感の低さにより起こった精神的な不調を描いた漫画も発表され、話題を呼んだ。
自己肯定感の低さからくる「ヤバさ」描いた漫画が話題 - 自分を認めていく方法も紹介#自己肯定感 https://t.co/5YeGcRrYTL
— 【公式】マイナビニュース (@newsmynavijp) August 6, 2019
集まったのは、「優しい人からの言葉を受け入れずに、悪意のある人からの言葉を優先させてしまう」「人からの評価=自分の価値って発想しかなかったんだがだいぶ根が深いんだな」という同意や共感の声。こちらの他にも、低い自己肯定感による辛さを吐露するツイートや、自己肯定感が低下した時に身に起こった経験談や傾向についての投稿があった。
自己肯定感が低いせいか、前向きになろうとする自分を冷めた目で見てしまったり、突然罪悪感に襲われる事があります。
— リト@ADHD (@Teriyaki_Cheese) May 27, 2019
「自分には特別な力があると勘違いしてないか?」
そんな声が聞こえてくる。
でもやっぱり諦めて現状を嘆きながら生きてくのは悔しい。
何とかして見返してやりたいんですよね。 pic.twitter.com/GdYnAsRY6p
自己肯定感が低いとそれだけで人生すごくハード。自己肯定感が高い人にとって当たり前にしていること、人を信用したり、愛したり、素で話したり、そういったことのハードルがものすごく高くなってしまうのよね。こんなわたしでいいのかと、ガッカリさせてしまったら申し訳ないと。
— 朱鷺子おばあちゃん (@tokiko_dayon) August 4, 2019
自己肯定感の低い人間は、自分への不信から他者からの「OK!」を素直に受け止められず、他者から1度も愛された事がない顔を続けようとしてしまいがちなんだよな。しかし、この「自他に期待しない」という自己防衛は、相手からすれば「自分の気持ちを拒絶された」に等しい為、逆に敵は増えていくというな
— rei (@rei10830349) August 6, 2019
この他、多くみられた傾向は、無力感や自罰感などによる意思の低下だ。一時的なものでも多くの不都合が生まれるが、これが常態化し、自己肯定感が低い状態のままとなると、自分自身を受容する力も弱まり、他者からの目線が自分の尺度となる。自己を認めようとするのでなく、他者に認められようと奮闘することになってしまう。その努力が報われれば一時的には解放されるのだが、それだけが自己目的化してしまうと、常に「許されている」という安心を得るために誤った努力を繰り返してしまい、負のループに陥ってしまう。言うなれば、自分自身の在り方を肯定するか否かを他者に委ねてしまっている状態だ。
それでは、どうすれば、自己肯定感を高められるのか。また、できる限りいつも安心感をもって自分自身を認めていけるようになるにはどうすれば良いのだろうか。こちらにも多くのツイートが寄せられている。
長所を以て自己肯定感を高めるのは実はあまり宜しくない
— ☸️沙門隆密☸️ (@ryumitsu_vajra) August 6, 2019
その長所は何がきっかけで崩壊するか分からない
つまり長所に自己肯定感を依存させてはならないんだ
何が優れてるからとか何ができるから尊いのではない
自分はそのままで充分尊い存在
それが理解できると全ての人も等しく尊いと気づける
自己肯定感を高めたければ「理想の自分ならどうするだろうか?」と常に意識して理想の自分ならとるであろう行動をとり続けろ。損得勘定とか抜きにして理想の自分像にのみ従えば自己肯定感は必ず高まる。理想の自分像に従わないということは自分に自分を嫌悪する機会を与えるということだと認識しよう。
— Testosterone (@badassceo) August 6, 2019
人には良いところも
— 垣内満寿美@東京・北陸金沢悩み解決心理セラピスト (@masuming46) August 6, 2019
悪いところもある
それをひっくるめて
自分を受け入れてもらう
経験が自己肯定感を高める
いい自分しか受け入れて
もらえないと
いい人でい続けようとして
辛くなる
いい人でいられない自分も
結果的に責めてしまう
負のループの始まり#いい人#自己肯定感#心理
自己肯定感が高いって別にナルシストでもなんでもないんだぞ
— はっぴーめーかーちゃん (@PoooooooN0617) August 6, 2019
高すぎるのは良くないけど
自分の存在をなにも疑わず
自分の価値を自分で認められるから
家族 友達 恋人 周りの人から
愛されてる自信が
無意識にあることを言うんだぞ
自己肯定感が低い人は条件付きでしか
愛されないと思ってしまう
個人用のSlackワークスペース使ってるんだけど、自己肯定感が上がりそうなチャンネルを新設した💪できたことと嬉しかったことを気まぐれでpostしてく。(ちなみに自己紹介って書いてるけどユーザー数1のワイだけなのでワイのみの自己紹介がpostされてる…サクラ感) pic.twitter.com/DvELsugphj
— なまぬるいおにぎり (@onigiritan) August 2, 2019
肯定感なんて高めずとも、ありのままの自分を受け入れればいいという声もあるけど、その「ありのままの自分」を肯定できる力が必要なんですよね。
— あかり*生き辛いOL (@engawa_akari) August 6, 2019
自己肯定感が低い人って自分を受け入れる(肯定する)力が足りてないので。
自信がもてる人にならなきゃ、とプレッシャーに感じることはないですよ~🙆
多くのツイートに共通することは、「自分の価値」や自分の存在の意義を、他者や何かの条件に当てはめないということ。自分が存在するというそれ自体に肯定感を抱けるようになるということが重要だ。そうは言っても、元々の肯定感が希薄であれば、それ自体も難しいかもしれない。
そういった場合は、先述の漫画の作者(あかり*生き辛いOLさん)も指摘しているように、わずかでも自分にできたことをメモしていくことが一つの解決策になり得るだろう。また、「自分の価値」というものがあったとしても、それは一朝一夕に生まれたり削られたりするものではない。何かができる、誰かに認めてもらえたから……ではなく、自らの良い部分と悪い部分を見つめ、自分自身で自分を認めていき、自分を肯定できれば、自己肯定感を少しずつでも養っていけるのではないだろうか。