最近は手軽に持ち運びできるタブレットタイプのパソコンも人気。そんななか、サードウェーブが販売するのが、Windows10搭載のタブレット「raytrektab」シリーズです。
raytrektabシリーズの最大の特徴は、なんといっても「お絵かき」用途に最適化していること。そこで、仕事でたまにイラストを描くこともある筆者が、最新モデルの「raytrektab DG-D10IWP2」(以下、DG-D10IWP2)を試してみることにしました。
Windowsタブレットとしては標準的なスペック
さっそくDG-D10IWP2を使ってお絵かき! といきたいところですが、まずは本体スペックをチェックしましょう。DG-D10IWP2は本体サイズは10インチとタブレットとしては標準的な大きさ。液晶ディスプレイは解像度が1,920×1,200ピクセルのWUXGAサイズです。
旧モデルとの大きな違いはCPUで、従来はCeleronを搭載していたのが、新モデルではPentium Silver N5000(1.10GHz-2.70GHz/4コア/4スレッド)になりました。「グラフィックソフトを使うのにCeleronでは不安」というユーザーには嬉しい進化です。さらに、メモリは8GB、ストレージは128GBのSSDを搭載しています。高スペックとはいえませんが、Windowsタブレットとしては標準的な仕様です。
「お絵かき特化」だけあって描きやすい!
基本的なスペックがわかったところで、早速DG-D10IWP2で絵を描いてみます。ちなみに、DG-D10IWP2にはCLIP STUDIO PAINT DEBUTのシリアルコードが同封されており、ソフトをダウンロードすれば購入後すぐに絵が描けます。タブレット購入後すぐに使えるのは嬉しいポイントですね。
実際絵を描いてみて感じるのは「Wacom feel IT technologies」対応の付属デジタイザーペンの使いやすさです。これは4,096階調筆圧感知機能搭載のペンなのですが、ペン先が非常に細い極細タイプ。このため、線の細かな繊細なイラストを描くのにも向いています。
さらに、キャンペーン中の現在は「三菱鉛筆9800 デジタイザーペン(raytrektab用)」も付属します。こちらは一見すると懐かしい「三菱鉛筆」のようなデジタイザーペン。昔懐かしい見た目ですが、こちらも4,096階調のWacom feel IT technologies対応です。どちらも電磁誘導式でペン内部にバッテリーを搭載しないため、重さは約5gと軽くて長時間使っていても疲れにくかったです。
個人的に使いやすいかったポイントは、なんといっても三菱鉛筆タイプのペン。六角形の本体形状のために、しっかりグリップできる上、コロンと投げても転がって机から落ちたりしません。
また、木製のためか握り心地が非常に優しく感じます。標準ペンと比較すると長さが短いため、取り回しが楽なのも気に入りました。あえて希望を述べれば、消しゴム付きの鉛筆のようにテール側に消しゴム機能が搭載されていれば嬉しいところ。このあたりは次回モデルチェンジに期待したいですね。
実際の描き心地も非常に良好。素早く線を描いてもほとんど遅延が感じられませんでした。安い液晶タブレットなどを使用すると、ペン先の動きに画面の処理が追いつかず思った位置に描画できないことがあります。
特にわかりやすいのが「枠の中をジグザグ線で塗る」作業。低品質なタブレットの場合、枠ギリギリまでペンを動かしても、ペンの早さに追いつけず、枠線の中央しか塗れないということがよくあるのです。DG-D10IWP2はスキャンレートが高いためか、この問題が今回使用した範囲では発生しませんでした。
絵を描くことが面倒にならない手軽さが魅力
最近は、ちょっとした思いつきや日常のネタを絵や漫画にして手軽にTwitterやSNSなどにアップロードしている人も増えています。そんな人にとって、大きくて持ち運びにくいPCは正直いって少々邪魔なもの。DG-D10IWP2は重量約657g、厚さは1cmもないのでどこにでも持ち歩けるのも便利でした。外に持ち歩かなくても、ベッドのなかやソファ、キッチンで料理しながらなど、隙間時間が有効利用できるのも良いところです。
また、DG-D10IWP2はWindows 10 Proを搭載したWindowsタブレット。本体横にはキーボード用端子があり、別売りのカバータイプキーボード(raytrektab 10インチモデル専用)を装着すればWindowsノートPCとしても仕事などにも使えます。「お絵かきタブレットを買って飽きたらどうしよう」というユーザーには嬉しい仕様ですね。専用キーボードは3,704円(税抜)と比較的安価なのも魅力です。
DG-D10IWP2を使った感想は「プロではないけれどパソコンでお絵かきを楽しみたい人」にオススメしたい製品ということ。正直にいって、超高解像度で多くのレイヤーをバリバリ運用するスペックのタブレットではありません。ですが、趣味としてイラストや漫画制作を楽しむには十分な使い心地だと感じました。