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【この記事のエキスパート】
フィッシングライター/職業釣師:田澤 晃
北海道生まれ東北育ち、釣り歴50年、ライター歴32年の職業釣師。
既存の釣りに飽き足らず、常に最先端の釣りを模索し続けることを生きがいにする。
東北を拠点にフレッシュウォーターからソルトウォーター、餌釣りからルアーフィッシングまで幅広いジャンルをこなし、釣り雑誌や新聞を中心に書籍、MOOK本など多数を執筆。
近年はカヤックフィッシングチームの代表として、釣り以外のイベント等にも積極的に参加し、地域活性化に努める。
シーバス(スズキ)を釣るための専用釣り竿を「シーバスロッド」と呼びます。シマノやダイワなどから、スピニング・ベイトモデル、初心者向けエントリーモデルなどが多数発売されています。この記事では、シーバス釣りの基礎知識やロッドの選び方、おすすめ商品を紹介します。
シーバス釣りの基礎知識
シーバスロッドの解説をするには、まずシーバスについて知る必要があります。
本項では、シーバスとはどんな魚なのか、どこで釣れるのか、どんなスタイルなのかといった、ロッド選びに欠かせない基礎知識を解説いたします。
そもそもシーバスってどんな魚?
シーバスとは、一般的に日本ではスズキを指す魚です。
スズキは出世魚として知られ、30cm以下を「セイゴ」、30〜60cmほどを「フッコ」、60cm以上を「スズキ」と、成長するにつれて呼び名が変わってきます。昔から日本で親しまれてきた魚で、特に釣りにおいては、強い引き合いが人気の魚なのです。
ちなみにスズキは大きく3種類に分かれ、スズキ(別名:マルスズキ)、ヒラスズキ、タイリクスズキが存在します。
この中で、ルアーフィッシングで人気のスズキは、マルスズキのことを指しています。大きいもので1mを超えるものもいるなど、シーバスのルアーフィッシングを楽しませてくれる夢のある魚ですね。
シーバス釣りのシーズン
生息地は沿岸域、淡水と海水が入り混じる河口、沿岸と、季節に合わせて様々なため、釣れるシーズンは3月〜12月と非常に長いです。(※もちろん、地域ごとに違いはあります。)
特に旬となるのは脂が乗る夏と言われており、蛋白で透明感のある白身魚のため、刺身やフライなど、さまざまな料理で美味しくいただくことができます。
シーバスが釣れるポイントは
続いてはシーバスフィッシングのポイントについて解説いたします。
先ほど、「釣れるシーズンは3月〜12月」とお伝えしましたが、フィッシングポイントはシーバスの生態に合わせて変える必要があります。
シーバスの生息地は基本的に沿岸域。4月(春ごろ)〜9月(秋ごろ)にかけて、淡水と海水が入り混じる河口付近に移動し、その後、12月(冬)にかけて沿岸に移動します。
そのため、シーズンでない沿岸域ではボート釣り、4月(春ごろ)〜9月(秋ごろ)では河川や運河の護岸付近で、12月(冬)にかけては港の堤防や砂浜などがピッタリです。もちろん、季節が変わっても、移動しないスズキもいるため、一年中一箇所で狙うのもアリですが、ポイントを変えることで、釣りやすさが大きく変わります。
また、見知らぬ土地でシーバスをする際、近くの釣具店で、リアルな情報を聞くのも有効。今の季節、シーバスはどの付近にいるかなど、リアルな情報を現地で取り入れることで、より釣れる可能性も高くなるのでおすすめです。
釣れる時間帯は?
シーバスの生態から見るフィッシングポイントをおさえた後は、時間帯を見ていきましょう。時間帯は、シーバスの餌となる小魚やエビ、カニの活動時間が関わってきます。
例えば、4月〜9月の河川などではナイトゲーム(夜釣り)が一般的。12月の海岸(サーフ)や磯などでは、デイゲーム(朝〜夕方の日中釣り)が一般的です。各ポイントではシーバスが餌を捕食するタイミングであるため、シーバスが活動的になり、釣りをするのにピッタリの時間となります。
また、上記のような定石の他、デイゲームでは日が昇る直前、ナイトゲームでは日が落ちる時間帯は「マズメ」と呼ばれ、シーバスが捕食のために活発になる時間で、ヒット・バイト数が非常に多いとされています。こういった項目もしっかり確認し、シーバスフィッシングに挑戦してみてください。
シーバスロッドの特徴
シーバスロッドは、シーバス(スズキ)を釣るための専用のロッドのことです。シーバスロッドには一体どんな特徴があるのでしょうか。
代表的な特徴は、「耐久性」「操作性」「汎用性」です。
「耐久性」について
シーバスは成長サイズによって名前を変え、60cm以上の大きさのスズキを釣ることが多いです。1m以上の大物が釣れることも少なくありません。
そのため、大物がバイトしても耐えられるよう耐久性が強化されています。さらに、シーバスを引き寄せるパワーもあるため、通常のロッドを使用するよりもはるかに快適に釣りができます。
「操作性」について
シーバスは季節ごとに、沿岸域→河口→沿岸と、生息地を変える魚。釣りポイントも港の堤防、砂浜、磯など、さまざまな場所で釣ることができます。
その状況に応じて、ルアーを遠投したり、近場に落として誘ったりと、臨機応変な操作をすることになります。そのため、ほかのロッドに比べると操作性が高いように開発されています。
「汎用性」について
ロッドのスペックによって変わりますが、シーバスロッドは、上記で紹介した「耐久性」や「操作性」といった特徴があることで、その他の釣りを兼用できるというメリットもあります。
サビキ釣りをはじめとした餌釣り、ルアーを使用するエギングやジギングなどにも使用でき、兼用目的でシーバスロッドを購入する人もいます。
【エキスパートのコメント】
シーバスが対象だからシーバスロッドが必須、という決まりはありません。実際、シーバスロッド以上にかたく長いショアジギングロッドや、メバル用の細くてやわらかいロッドでシーバスゲームを楽しむアングラーも少なくありません。よって、もしスピニングタックル、ベイトタックルにかかわらず手持ちのルアーロッドがあるならば、とりあえずそれで挑戦してみるというのもひとつの方法です。
ロッド次第でフィールドは制限されますが、シーバスゲームの感覚を体感してみてから、自分のスタイルに合った専用タックルをそろえてもいいでしょう。エギングロッドなど、7~8.5ftくらいで、キャスティングウエイトが20g前後ならば代用は可能です。
シーバスロッドの選び方
それでは、今までの基礎知識を受けて、シーバスロッドの選び方を見ていきましょう。
【1】長さの目安
【2】硬さ
【3】先調子(テーパー)
【4】リールの種類
【5】グリップ
上記のポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。わからない単語もあると思いますので、一つひとつ解説していきますね。
【1】長さの目安をチェック
シーバスロッドに関わらず一般的にロッドの長さは、短いほど操作性がよく、長いほど遠投性能が高いです。
初心者の方の場合、「中間くらいの長さにしておこう」と思いがち。もちろん、その選び方もいいのですが、まずは自分がメインで釣りをするフィールドの環境に合わせることが大切です。
シーバスロッドの長さはフィート・インチで表記されることが多く、7フィート(約2.1m)〜11フィート(約3.4m)までラインナップされています。
サーフ、磯、河川など、成立するフィールドはとても多いため、それぞれのフィールドごとにピッタリな長さは変わります。
長さの目安は下記の図をご覧ください。
例えば、港の堤防や河川、ボートフィッシングなど、遠投も必要のない場所であれば、ピンスポットを狙ったり、ポイントの移動時に邪魔にならない7フィート~8.5フィートがおすすめ。
一方、サーフや河口など、ある程度遠投が必要となってくるポイントでは、10フィート~12フィートほどがおすすめ。
その他、ポイントを移動する場合などには、バランスのいい9フィート~10フィートほどがおすすめ。
特に最初の一本を購入しようとする方は、バランスのいい中間の長さを選びがちですが、フィールドに合う長さを選択することで釣りやすさが大きく変わりますので、しっかり確認しましょう。
【2】硬さをチェック
シーバスロッドの硬さはパワーに直結する要素。ロッドの曲がりやすさを表しています。
ラインナップは、UL(ウルトラライト)、L(ライト)、ML(ミディアムライト)、M(ミディアム)、MH(ミディアムヘヴィ)、H(ヘヴィ)、XH(エクストラヘヴィ)の7種類。ULになるほど柔らかく、XHになるほど硬いです。
さまざまな種類がありますが、ルアーの重さを目安に、ライトタックル(UL〜ML)、ヘヴィタックル(M〜XL)の2種類から選びましょう。
ライトタックル(UL〜ML)
シーバスゲームでは6g程度〜20g程度のルアーが、一番出番が多くなります。その中でも、MLは幅広く、可もなく不可もなく使用できます。一方、3g程度〜15g程度の軽量なルアーではLがちょうどいい硬さです。
ライトタックルの出番が多いのは、3〜4月ごろの春先。シーバスのエサが小さいため、使用するルアーもそれに合わせて小さいものを使用することがおすすめです。
ヘヴィタックル(M〜XL)
Mクラスのロッドの場合は、30g程度のルアーを扱え、さらに硬いMH〜Hクラスでは40g以上の重いメタルジグなども使用できるようになります。パワーがあり、バイトからの強引な引きも可能なため、サーフなどでの遠投で活躍します。
ヘヴィタックルの出番が多いのは、9〜10月ごろの秋頃。シーバスも成長し、さらに大きなエサも大きくなるため、ルアーもそれに合わせて重いものを使用することがおすすめです。
【エキスパートのコメント】
かたさでアクションやバランスが変わるため、実際に手にして振ってみることが大切。その際はできればリールもセットして、全体のバランスを確認します。
自分の体力にマッチしたロッドならば、さほど力を込めなくてもルアーは気持ちよく飛んでくれますよ。
【3】先調子(テーパー)をチェック
先調子(テーパー)とは、ロッドに重みが加わった際の曲がり方のこと。ロッド全体が曲がるのか、それともロッドの先端のみが曲がるのかで、ルアーの操作性やアタリの感度が変わってきます。
テーパーの種類は主に「ファーストテーパー」「レギュラーテーパー」「スローテーパー」の3種類があります。一つひとつ解説いたします。
ファーストテーパー
ロッドの先端のみが曲がる曲がり方をするのがファーストテーパーです。ロッドの長さを先端から3割ほどの長さが曲がり、感度がよく、アタリがわかりやすいのが特徴です。さらに先端だけ小刻みに動かしてルアーを操作できるため、使い勝手もいいです。
しかし、曲がる割合が少ないため、シーバスがルアーを吸い込みにくいので注意が必要です。
レギュラーテーパー
ファーストテーパーよりも曲がる割合が大きくなったのがレギュラーテーパーです。
ルアーの操作性は落ちますが、感度は程よく、さらにシーバスのルアーの吸い込みも上々であるため、バランスのいい初心者向きのテーパーとなります。
スローテーパー
ロッド全体が曲がるタイプがスローテーパーです。曲がる比率が大きいため、食い込みがよく、さらにシーバスに暴れられてもラインのテンション(張り具合)が緩みにくいです。
しかし、よく曲がる分、力が入りにくく、フッキングがしにくいのがデメリットです。
【4】リールの種類をチェック
シーバスロッドの特徴を把握し、スペックを選んだあとは、リールについてもしっかり確認しておきましょう。
リールには、大きく分けて「スピニングリール」と「ベイトリール」の2種類があります。それぞれロッドに「スピニング用」、「ベイト用」があり、リールと合わせる必要がありますが、シーバスロッドではどちらが使いやすいのでしょうか。
スピニングリール
ベイトリール
スピニングリールは、ルアーを投げた際、スプール(ラインを巻くパーツ)から糸がほどけるようにラインが放出されるシステム。
スプールの回転は巻き取り時のみであるため、ライントラブルが起こりにくいというメリットがあります。さらに、糸がほどけるようにラインが放出されるため、飛距離も出やすいです。
軽いルアーの使用や、サーフでの遠投などを視野に入れると、スピニングリールでのシーバスゲームの方が、使いやすいでしょう。
サイズは3000番で「海水使用可能」といった表記がされていれば、ほぼ間違いは起きません。
一方、ベイトリールは、ルアーを投げた際、スプール(ラインを巻くパーツ)自体が回転するシステム。
つまり、巻き取りだけでなく、ラインの放出でもスプールが回転するため、ルアーが着水してもスプールが回転し続け、バックラッシュと呼ばれるライントラブルになりやすいこともあります。
しかし、近年では、スプールの回転抵抗率を上げたラントラブル防止のリールもありますし、そもそも、大物や水の抵抗があっても巻き取りやすいというメリットがあります。少々玄人向きではありますが、使い慣れると心強いリールでもあります。
【5】グリップをチェック
長時間、シーバスゲームをすることも考えると、ロッドの握りやすさも重要。基本的にグリップの素材には、EVAを使用したものとコルクを使用したものの2種類があります。それぞれ特徴がありますので、しっかり確認しましょう。
EVA
合成樹脂「EVA」(エチレン・ビニールアセタート・コポリマー)を採用したグリップの特徴として、軽量と柔軟性・弾力性にすぐれ、耐久性もある点があげられます。
コルク
トラウト、フライ系のロッドに採用されていることが多いコルク。弾力性にすぐれているほか、軽量で空気や水を吸収しやすいという特徴があります。
フィールド別で選ぶスペック例
前述した通り、シーバスロッドはフィールドごとにスペックを選ぶことが大切です。本項では、ひとつの例として、フィールドごとのロッドのスペックを紹介します。
具体的に目安を確認することで、選ぶ基準やイメージができるはずですので、ぜひ確認してください。
サーフ・河口・遠投のボートゲーム
<< 目安のスペック >>
【 長さ 】:10フィート程度
【 硬さ 】:M(30g程度のルアー使用を想定)
【 先調子(テーパー)】:ファーストテーパー
【 リールの種類 】:スピニングリール
【 グリップ 】:EVA
<< スペックの解説 >>
浜辺などのサーフや広めの河口などにおいては、遠投性が重要になります。そのため、ロッドは長めの方がいいでしょう。そのため、10フィートほどを目安にしましょう。
また、遠投性能をより活用するためにも、M〜Hクラスのロッドで、30gほどのルアーを使用するのがいいかもしれません。さらにファーストテーパーで感度をよくすることで、長距離の釣りになっても、ある程度アタリがわかるようにしています。
※あくまで上記は、本記事の選び方を基にしたスペックの目安です。ロッドごとにスペックの違いが出てきますので、購入の際は必ず注意しましょう。
沿岸・河川中流・湾岸近くのボートゲーム
<< 目安のスペック >>
【 長さ 】:7〜8フィート程度
【 硬さ 】:L(15g程度のルアー使用を想定)
【 先調子(テーパー)】:レギュラーテーパー
【 リールの種類 】:スピニングリール
【 グリップ 】:EVA
<< スペックの解説 >>
沿岸の堤防や河川中流域において、遠投性はそこまで重要ではありません。どちらかというと、正確にルアーを投げ、狙いのポイントに落とすことが重要です。そのため、7〜8フィートほどの長さのロッドを目安にしましょう。
また、沿岸や河川中流でのシーバスは小さめのエサを狙うことが多いため、ルアーも小さめ、L~MLクラスのロッドがおすすめです。さらに、レギュラーテーパーにすることで、フッキングのしやすさを上げ、バランスをとっています。
※あくまで上記は、本記事の選び方を基にしたスペックの目安です。ロッドごとにスペックの違いが出てきますので、購入の際は必ず注意しましょう。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)