ときどき届くソフトウェアアップデート、ファイルサイズを見ると結構な大きさに驚かされることがあります。たとえば、2019年7月下旬に公開された「iOS 12.4」は、新旧iPhone間で直接データを転送する機能が追加されたこと以外は、目立つ新機能が見当たりません。それで385.4メガバイト(iPhone Xの場合)とはいかにも大きすぎる、ほかにも理由があるのでは? と考えても無理はないでしょう。
新機能の数のわりにソフトウェアアップデートが巨大な理由ですが、それはアップデートにあわせて不具合解消やセキュリティ改善が実施されるためです。重大な被害をもたらしかねない安全上の不具合(セキュリティホール)が発見された場合は、「セキュリティアップデート」と称して緊急のアップデートを実施することもありますが、そうでない場合は新機能を配布するタイミングで不具合/セキュリティ対策が行われています。iOS 12.4の場合も、それほど深刻ではないセキュリティに関連した修正/更新がいくつか含まれています。
機能の修正が「ライブラリ」の更新を伴うことも、ファイルサイズが嵩みがちな理由の1つです。ライブラリとは、特定の処理を行うプログラム(関数)の集合体で、アプリから呼び出される形で利用されます。画像処理や無線通信など機能ごとに分かれていることが一般的ですが、そこに含まれるプログラムが少しでも変更されれば全体を更新しなければなりません。複数のライブラリを更新するとなれば、当然ソフトウェアアップデート全体のファイルサイズに影響します。
ところで、ソフトウェアアップデートを実行するには、表示されたファイルサイズを大きく上回るストレージの空きが必要です。一時作成ファイルを保存するなどの作業領域が必要なためで、めやすとしてソフトウェアアップデートの2倍は用意しておかなければなりません。不要な写真や動画を削除するなどして、あらかじめ空きを確保しておきましょう。