大きく値下がり傾向にあるNVMe SSDをUSB接続の外付けケースに入れて爆速のUSBメモリのように使う方法は、多々紹介されている。

マイナビニュースでも「激安になったM.2 SSDで爆速USBメモリを作る」の記事で紹介した。

その外付け化したNVMe SSDの活用法としてここで紹介するのがPlayStation 4(以下PS4)の「拡張ストレージ」として使うことだ(PS4/PS4 Proのどちらでも可能)。

PS4でのSSD拡張ビフォー・アフターを比較した動画がコレ

まずはこちらの動画を見てほしい。今回の拡張を行う前後のPS4でのロード時間を比較したものだ。

SSD換装後はおよそ16秒でプレイ可能に、一方のデフォルトHDDでは……

なぜ、こんなことができるのかというと、PS4はシステムソフトウェアの4.50から、USB接続のSSDやHDDといったストレージ機器をゲームのインストール先として指定できるようになった。これは「拡張ストレージ」と呼ばれる機能で、SSDのように高速なデータ転送速度を持つストレージを使えば、ゲームの起動時間やロード時間を短縮できる。これはPS4に標準で内蔵されているストレージがデータ転送速度の遅いHDDであるからなのだ。

拡張ストレージでは、USB接続のストレージを新たなゲームのインストール先に指定できるのはもちろん、インストール済みのゲームを移動させることも可能。拡張ストレージに移動させたゲームをPS4本体のHDDに戻すこともできる。外付け化したNVMe SSDを使えば、ゲームの起動やロードは高速化し、PS4のストレージ容量もアップと一石二鳥というわけだ。

  • 外付け化したNVMe SSDをPS4の拡張ストレージとして使ってみる

    外付け化したNVMe SSDをPS4の拡張ストレージとして使ってみる

ただし、高速なNVMe SSDとUSB 3.1 Gen2(最大1,000MB/s)対応の外付けケースを組み合わせたとしてもPS4はUSB 3.0(最大500MB/s)なので、その高速性を活かしきることはできない点は覚えておこう。ただ、NVMe SSDの外付けケースはコンパクトかつUSBケーブルだけ(バスパワー動作)で使えるので、場所も取らずお手軽というのは大きなメリット。コスパを重視するなら、多少サイズアップしてしまうが2.5インチのSerial ATA SSDとそれに対応するUSB接続の外付けケースを使うのもアリだろう。

さっそく、PS4爆速化の手順を紹介

ここからは実際の手順および実際にゲームの起動やロードがどこまで高速化するのか紹介していく。まずは、拡張ストレージとして使うための条件を知っておこう。

その1 USB接続であること
その2 250GB以上、8TB以下の容量であること
その3 PS4のUSBポートに直接取り付けること

気を付けておきたいのはUSBハブ経由の接続には対応していない点。USB接続のストレージをPS4のUSBポートに直接、接続する必要がある。つまり1台のみ接続可能だ。

  • PS4のUSBポートに外付けストレージを接続する

  • PS4を起動して上部のメニューから「設定」を選択する

  • メニュー一覧から「周辺機器」を選び、次に「USBストレージ機器」を選択

  • 外付けストレージがPS4に正しく認識されていればこの画面に表示される。今回の場合は「USB to PCIE Bridge」が該当する。それを選択する

  • 「拡張ストレージとしてフォーマット」するを選択。「次へ」→「フォーマット」→「はい」と選択していく。これで拡張ストレージとしてフォーマットが完了し、使用可能になると緑の丸が表示される

  • 「設定」メニューに戻り、今度は「ストレージ」を選択する

  • 拡張ストレージが登録されており、アプリケーションのインストール先として認識されている。ここでは本体ストレージにインストールされているゲームを拡張ストレージに移行させるので、まずは元データがある「本体ストレージ」を選ぶ

  • メニューから「アプリケーション」を選択する。すると現在本体にインストールされているゲーム一覧が表示されている。コントローラのOPTIONボタンを押して「拡張ストレージへ移動する」を選ぶ

  • これで拡張ストレージに移動させたいゲームにチェックを入れて「移動」を選ぶ。これで拡張ストレージへの移動は完了だ

続いて、ゲームでどれほどの効果があるのか試して見よう。薄型PS4(CUH-2100)と「激安になったM.2 SSDで爆速USBメモリを作る」の記事で紹介したORICOの外付けケースに「TCM2-C3-BK-01」にIntelのNVMe SSD「SSD 760p SSDPEKKW256G8XT」(256GBモデル)を組み込んだものを使用している。ゲームは「Marvel's Spider-Man」、「ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン」、「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」、「モンスターハンター:ワールド」の起動時間とロード時間をそれぞれストップウォッチで手動測定している。

  • Marvel's Spider-Manはタイトル画面が出るまでを起動時間、セーブデータからコンティニューを選び、ゲームが再開されるまでをロード時間とした

  • ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブンはタイトル画面が出るまでを起動時間、フリーバトルでキャラクターとステージを選び、実際に試合が開始されるまでをロード時間とした

  • エースコンバット7 スカイズ・アンノウンはタイトル画面が出るまでを起動時間、ミッションの出撃を選択し、ミッションがスタートするまでをロード時間とした

  • モンスターハンター:ワールドはネットワーク接続が開始されるまでを起動時間、セーブデータを選び、ゲームが開始されるまでをロード時間とした

Marvel's Spider-Manやモンスターハンター:ワールドなど大容量のマップデータを読み込むゲームではその効果は顕著に表れる。SSDの価格が下がっている今、PS4の高速化を狙って外付けケースと合わせて購入するのもいいし、250GBクラスのパソコンで使うには少々容量不足を感じるSSDが手元にあまっているなら、それを活用するのもよいだろう。PS4ゲームのロード時間に不満を感じているなら、チャレンジしてみる価値アリだ。