リーバイスは7月26日、アジア最大級(日本最大)の店舗となる「リーバイス 原宿 フラッグシップストア」をオープンした。同店を見学してきたので、紹介したい。
キャットストリートに店舗が登場
新店舗のある場所は原宿のキャット・ストリート。建物は3フロアで構成され、1階ではNetflixのオリジナルドラマ「ストレンジャー・シングス(Stranger Things)」や「ハローキティ(Hello Kitty)」「スヌーピー(SNOOPY)」とのコラボレーションアイテムを展開。
Major Forceとのコラボレーション
今回、1階で目玉となるのは、80年代のクラブミュージックシーンで伝説的なユニットで、レーベルの「Major Force(メジャー・フォース)」とのアイテムではないだろうか。
中西俊夫、K.U.D.O(工藤昌之)、屋敷豪太、高木完、そして藤原ヒロシと、世界に誇るDJ、アーティストによりスタートしたインディレーベル、Major Force。そんな彼らとの限定アイテムとして、Tシャツやトラッカージャケットがリリースされている。
そして2階では、メンズとウィメンズの定番アイテムが販売。ストレート、スキニー、スリムから、新しく登場した、裾を処理したジョガータイプのものもある。
アジア初となるビスポークジーンズサービス
3階はコレクションラインと呼ばれるアイテムを中心に構成され、ユーズドデニムライン「リーバイス オーソライズド ヴィンテージ(Levi's Authorized Vintage)」やヴィンテージモデルにスポットを当てた「リーバイス ビンテージ クロージング(Levi's Vintage Clothing)」、プレミアムライン「リーバイス メイド&クラフテッド(Levi's Made&Crafted)」などのアイテムが展開。
リーバイス オーソライズド ヴィンテージは、80年代のメイド・イン・USA古着を中心に構成され、オリジナル「まま」のものから、裾にテーパード処理を施したり、袖を短くしたりするなどカスタムされたアイテムもあるそうだ。
またリーバイス ビンテージ クロージングは同社のアーカイブを基に、過去のコレクションを再現した復刻ライン。そして、リーバイス メイド&クラフテッドはデザイン性が高いラインで、デニムといえば通常はブルーをイメージするが、このラインでは黒と白が基調としたものなど「新しい」リーバイスを感じることができる。
このフロアの特徴は「普通」のリーバイスと違うものを体感できること、そしてタイムラインという、「防縮加工されていない」年代ごとの501が販売されるなど、同社の「歴史」を体感できることだといえるようだ。
アジア初となるビスポークジーンズサービス
同フロアにはビスポークジーンズサービス「LOT No1.(ロット・ナンバーワン)」や、店内の商品にカスタマイズを施す「テーラーショップ」、Tシャツのカスタマイズスペース「プリントショップ」なども常設している。
特にLOT No1.は、ロンドン、パリ、ニューヨーク、サンフランシスコに続き、5番目のビズポーク(フルオーダー)・ジーンズサービスで、デニム生地、糸、レザーパッチ、リベット/ボタン、ポケットなど細かいディテールまでこだわって指定し、自身の体型に合った「自分だけのリーバイス」を作ることができる。
サービスを担当する山本美緒さんに話を伺った。
山本さん「元々は『テーラーショップ』のカスタマイズを行うテーラー(職人)でした。LOT No1.の開始に合わせて、イギリスのロンドンにいるテーラーの下で1カ月のトレーニングを積み、審査試験をクリアしました」。
カスタマイズも利用者ごとの「1点もの加工」ではあるが、LOT No1.だと型紙から起こしていくので、寸法の精度などシビアな作業が求められる。
採寸、型紙製作から裁断、縫製、仕上げまでの全工程を手作業で行うこともあり、納品までは短くても1カ月以上となるという。なお、取材時は9月までの予約が埋まっていて、次回の受付は9月下旬からできるかどうかという状況だそう。
予約は同店への電話か店頭で行い、価格は10万円(税抜)~となり、フィッテングから受取まですべて店舗となる。
労働者の作業着として誕生したリーバイスのジーンズ。いまや世界中の老若男女を問わず履かれ、日常生活の一部と化した感はある。筆者も90年代のビンテージから、2000年代のプレミアムジーンズ、スキニーと時代ごとのトレンドを常に意識しながらも、原点となる同社の501は常に意識の根底に存在している。
アメカジを体現するジーンズのテーラーが、伝統的な仕立てのお膝元である英国テーラーの下で訓練を受けるという事実から、変化をいとわない同社の姿勢を感じた。