◆本記事はプロモーションが含まれています。
【この記事のエキスパート】
住まいづくりナビゲーター/一級建築士・インテリアコーディネーター:神村 さゆり
住宅メーカー、ゼネコン設計部、設計事務所等で約300棟の新築設計実績と現場代理人女性としては希少な現場監督経験を生かしリフォーム物件も約70棟手がける。
住宅や暮らし方、環境整備をテーマに、これまで一般企業研修・公的機関・学校等にて講師としてこれまで述べ5000人以上を指導。
整理収納アドバイザー、ルームスタイリスト資格認定講師として800名余の資格者を認定。また資格試験対策として二級建築士やインテリアコーディネーターの受験指導も行っている。手描き図面やイラストでのプレゼンにも定評があり、多くの文具を試してきた。
多趣味が高じて醗酵教室や手抜き家事教室を開催し好評を得ている。
子ども3人。A型・獅子座
木材の剪定や庭の枝切り、さらには林業の現場でも使用されるチェーンソー。本記事では、DIY・庭木・林業向けの商品やエンジン・充電・電動式もなどチェーンソーの基礎知識や選び方、そして、各用途に合わせたおすすめ商品をご紹介します。
チェーンソーとは
チェーンソーとは、チェーンのような刃を自動で高速回転させ、木や丸太、枝などを切断する工具のこと。山林業などの伐木や木材の切断、庭の木の手入れ、薪作りなど、林業からDIYまで幅広く使用されます。
ちなみに、使用する上で、DIYといった私用の場合は、基本的に資格は必要ありません。しかし、林業や土木工事業、造園工事業など、伐木等の作業を行う業種(職業)の場合、学科9h・実技9hの計18hの特別教育を修了することが義務となっています(※1)。
(※1)労働安全衛生法第59条第3項/労働安全衛生規則第36条第8号/安全衛生特別教育規程第10条
チェーンソーを使うときの注意点
【エキスパートのコメント】
服装も安全対策の一部です
切るときの破片などが飛び散るため、防塵(ぼうじん)マスクと保護メガネ(ゴーグル)は欠かせません。長袖や軍手などで肌を守ることも必要です。また、うっかり落としたときに怪我しないよう、つま先を金属板で保護された安全靴を履くこともおすすめです。
プロ向けと一般(DIY)向けの違い
チェーンソーは、プロ向けと一般(DIY)向けで、用途や機能が変わってきます。
近年では、ハスクバーナや新ダイワ(やまびこ)、マキタなど、チェーンソーを販売する有名メーカーでは、プロ向け・一般(DIY)向けの違いを、ネーミングで分けたり、形状を変えていたりと、ぱっと見でわかりやすいように工夫されています。しかし、両者の違いは、ぜひチェックしてておきたいところです。
プロ向けの場合
プロ向けは、林業や土木工事業、造園工事業など、伐木等の作業を行う業種(職業)の方向けに作られたモデル。
屋外で長時間使用することを念頭に製造されています。防塵性や防振性といった耐久面、疲れにくい重量バランス、そしてなにより、一般の製品よりも圧倒的にパワーが強い設計にもなっています。
動力の解説は後述しますが、プロ向けは、エンジン式で排気量35mL〜60mL以上の機種を用途に合わせて使用するのが一般的。充電式はプロ・一般関係なく、電圧18V・36Vの弱めのみとなっています。
一般(DIY)向けの場合
一般(DIY)向けは、木材の切断や庭の木や枝の処理、薪作りといった用途向けに作られたモデル。
基本的に、毎日・長時間使用することは念頭に置かれておらず、パワーは弱め、機能性はシンプルなものになっています。その分、価格は1万円〜5万円まで幅広いラインナップがあります。
こちらも後述しますが、一般(DIY)向けは、エンジン式は排気量35mLまでの機種を。充電式は電圧18V・36Vで十分事足りるでしょう。
チェーンソーの動力の違い
チェーンソーを選ぶ上で一番大切になってくるのが動力です。動力は「エンジン式」「充電式」「電動(電源)式」の3種類があります。
エンジン式
エンジン式は、レギュラーガソリンなどの燃料を動力源にしてチェーンを作動させるタイプ。チェーンソーでは一番オーソドックスで、マキタや新ダイワ(やまびこ)など、さまざまな企業がメイン商品として取り扱っています。
燃料で動かすため、長時間の作業に向いており、また、電源コードがないため、持ち運びも自由です。そしてなにより、充電式や電動(電源)式よりもはるかにパワフル。パワーの目安は排気量で確認し、20mL程度から75mL以上まで幅広い種類の機種が展開されています。
その分、重量が重く、また燃料のランニングコストがかかります。音や振動も大きいため、屋外の作業向けのタイプです。
排気量ごとの目安
上記はあくまで目安となります。林業のプロでも、細かな作業では、排気量の少ないものも使用しますし、一方、DIYでも、ウッドデッキ作りなどの本格的なものであれば排気量が多いものを使用します。
どのくらいのパワーが自分にとって必要か、排気量をしっかり確認しましょう。
充電式
充電式は、その名の通り、あらかじめチェーンソーに充電することで使用できるタイプ。近年でラインナップが増えており、一般でも扱いやすいモデルとなっています。
コードレスのため、持ち運びもしやすく、さらに騒音や振動も少ないです。エンジン式と違い、排気ガスも出ないため、屋内でも作業が可能です。
しかしその分、パワーはいまひとつ物足りません。また、バッテリーが切れると使えないため、長時間の作業では、替えのバッテリーも必要になってきます。
充電式のパワーは電圧(V)で表されます。
充電式の電圧(パワー)の目安 ※エンジン式との比較
充電式のパワーは「18V」、「36V(18V+18V)」の2種類があります。
しかし、36Vですらエンジン式のパワーで相当すると、排気量30mLほどになるため、全体的なパワーは弱めです。本格的な作業をしたい方は、エンジン式を選ぶようにしましょう。
電動(電源)式
電動(電源)式は、コンセントから給電することで使用できるタイプ。ほとんどが家庭用の100V電源からコードで直接給電でき、長時間の作業に向いています。
ほかの動力のタイプと比べると価格が安価。また、電源コードで稼働するため、バッテリー切れの心配もなく、ボディも軽量で扱いやすいです。
しかし、エンジン式と比べパワーが弱い点と、電源コードによる取り回しがしにくいです。使い慣れるのに多少時間がかかってしまうのが難点です。
チェーンソーの選び方
それでは、チェーンソーの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の7つ。
【1】ガイドバー(刃)の長さ
【2】ガイドバー(刃)の形状
【3】チェーンの型番
【4】チェーンブレーキの性能
【5】ハンドルの形状
【6】重量
【7】お手入れのしやすさ
上記の7つのポイントを押さえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ガイドバー(刃)の長さをチェック
チェーンソーの刃は、実際に切断を行うチェーン部分と、チェーンを巻き付けるプレートの2つに分かれています。このプレート部分のことを「ガイドバー」と呼びます。
ガイドバーは、長さによって「小型:250mm程度」「中型:250~400mm程度」「大型:400mm程度以上」と3種類に分かれており、用途が変わってきます。
これは予備知識ですが、大抵の場合、エンジン式の排気量や充電式の電圧の大きさと、ガイドバーの長さは比例しています。あくまで目安ですが、『排気量or電圧 × 10 ± 50』で、ガイドバーの長さが設定されています。
例えば、エンジン式:30mLだと『30 × 10 ± 50 = 250~350』となります。つまり、エンジン式:30mLでは、ガイドバーの長さ:250~350mm程度の長さが設定されていることになります。もし、ガイドバーの交換が発生した時は、上記の計算式が役に立つはずです。
ガイドバーと切断する対象の長さの注意点
ガイドバーの長さよりも大きいサイズの材木を切断しようとすると、故障の原因になります。これを有効切断長さと呼び、注意が必要です。
例えば、300mmの長さのガイドバーで、300mm以上の直径の木材を切断すると、ガイドバー自体に負荷がかかって、割れてしまったり、チェーンが動かなくなる危険があります。
ガイドバーの長さは、切断する素材よりも一回り大きいものを選びましょう。
【2】ガイドバー(刃)の形状をチェック
ガイドバーは、主に「スプロケットノーズバー」「カービングバー」「ハードノーズバー」の3種類があり、用途が変わってきます。
スプロケットノーズバー
スプロケットノーズバーは、プレートの先端にチェーンを回転させやすくする「スプロケット(歯車)」が内蔵されたタイプ。チェーンを高速で回転させるため、効率よく切断作業を行えます。
チェーンソーの中では一般的なモデルで、さまざまな切断作業に対応できるスタンダードタイプです
しかし、先端のスプロケット(歯車)をはじめ、部品数が多く、耐久性が低いです。切断中、力の入れ具合を間違えたり、木に引っかかった際に無理やり引っ張るなどすると、簡単に破損してしまうので注意してください。
カービングバー
カービングバーは、先端に向かって細い形状にすることで、キックバック(チェーンソーが作業者のほうに跳ね返る現象)を起こしにくくしたタイプ。
先端が細いため、回転速度が遅く、切断に時間はかかりますが、事故が起こりにくい仕様となっています。また、軽量な商品が多く、取り回しもしやすいので、枝などの細かい切断作業や安全性重視の作業におすすめです。
ハードノーズバー
ハードノーズバーは、余計な機能をつけず、一番シンプルな構造のタイプ。内蔵部品が少なく、形状もオーソドックス、さらにボディも頑丈に作られているため、耐久性が高いです。
力を入れて切断する作業などに向いているタイプでしょう。しかし、切断に少々時間がかかるのと、耐久性がある分、重量が重くなっています。
ポイント:チェーンスピードは切断力と騒音に関わる
チェーンソーは、回転が速くなるほど切断力・切断スピードは上がります。しかしその分、騒音性も高くなります。
一方、回転が遅くなるほど騒音性は下がっていきます。同時に切断力・切断スピードも下がります。
切断力・切断スピードを求めるのか、静音声を求めるのかは、作業効率や現場環境を確認した上で選んでくださいね。
【3】チェーンの型番をチェック
国内で流通しているチェーンは、アメリカのオレゴン社の製品を純正品として採用しています。そのため、本項ではオレゴン社の品番・型番を解説いたします。
大抵、チェーンソーには「91PX-52E」といった表記の番号が書かれています。前者の「91PX」はチェーンのタイプ(仕様)、後者の「52E」はチェーンの長さを表しています。
一般的によく使われるチェーンのタイプ(仕様)は、
●21BPX ●25AP
●73LP/LPX ●90PX
●91PX ●91VXL ●95TX
などが多いです。また、下記の一覧表のように、それぞれに特徴があります。
チェーンの各仕様の特徴(目安)
また、前者の数字(チェーンのタイプ)が同じの場合、チェーンの互換性があり、チェーン交換が可能です。上記の一覧表も含め、どのチェーンの仕様なのか確認してみてくださいね。
【4】チェーンブレーキの性能をチェック
チェーンブレーキとは、チェーンの回転を強制的にストップさせる安全装置のこと。エンジン式をはじめとした、パワーの強いモデルに搭載されています。
チェーンソーを使用している最中に発生する、キックバック(チェンーソーが作業者のほうに跳ね返る現象)事故を防ぐためのものでもあるため、商品ページや公式HPなどでしっかり確認しておきましょう。
【5】ハンドルの形状をチェック
チェーンソーのハンドル(持ち方)は、握り方によって「トップハンドルタイプ」と「リアハンドルタイプ」の2種類があります。
トップハンドルタイプ
トップハンドルタイプは本体の上部にハンドルが付いているタイプ。持ちやすく扱いやすいのが大きなメリットです。
小型で軽量の製品に多く、持ち運びが片手で容易にできます。軽作業や女性が作業するときにも向いています。
リアハンドルタイプ
リアハンドルタイプは本体の後ろにハンドルが付いているタイプです。
両手の間が広いため安定感があります。しかし、本体自体が大きい設計のため、持ち運びの点ではトップハンドルタイプに劣ります。大きい木を切る作業などに向いている、プロ仕様のイメージが強いモデルです。
ポイント:細い枝の切断用なら片手タイプも確認!
両手で扱うチェーンソーですが、木の枝や細木を手軽に切れる片手タイプもあります。
基本的にバッテリー充電式で、持ち運びがしやすいモデルです。そのため、狭い箇所の伐採や、木の上の枝なども切りやすいです。ちょっとした作業の際にピッタリなので、ぜひ検討してみてくださいね。
【6】重量をチェック
チェーンソーは軽いほうが使いやすいと思いがちですが、実際はある程度の重量がないと安定して使うことが難しくなります。目安としては、総重量が2.4kg以上のものがおすすめです。
重量があるチェーンソーであれば、回転させている間のブレが少なくなります。とはいえ、持ち上げることが難しいほどの重さでは使えませんので、最大でも4kg程度ものを選ぶと良いでしょう。
【7】お手入れのしやすさをチェック
チェーンソーを使用していると、気づかないうちに汚れやチェーンの劣化などが起こります。そのまま使用すると故障や事故の原因になるため、定期的なメンテナンスが大切になってきます。
そこで重要なのがメンテナンスのしやすさです。例えば、ガイドバー(チェーンを巻き付けるプレート)の掃除のしやすさ、チェーンの歪みを手軽に調整できるか、ネジの緩みを確認できるか、など。
複雑設計のモデルだとメンテナンスがしにくくなるので、ぜひ公式HPなどを確認し、お手入れがしやすいかチェックしましょう。
人気メーカー・ブランドの特徴
はじめてチェーンソーを選ぶ方はまずメーカーに注目してみましょう。工具メーカーが出しているチェーンソーなど信頼できる国産メーカーを中心にご紹介します。
ハスクバーナ(Husqvarna)
ハスクバーナは、スウェーデンに本社を置く、農林・造園などで使用する工具や建設機器を展開する有名メーカー。チェーンソーだけでなく、草刈機やトラクターまで、世界60カ国以上で販売しています。
チェーンソーにおいても非常に人気があり、林業で使用する本格的な商品から、一般向けの手軽な商品まで、幅広いラインナップがあります。
やまびこ(共立・新ダイワ)
株式会社やまびこは、東京都に本社を置く農林業の人気メーカー。2008年に農林業で有名な「新ダイワ工業」と「共立」が経営統合した結果、誕生した事業会社です。
統合はしましたが、「KIORITZ(共立)」「shindaiwa(新ダイワ)」はブランドとして残っており、それぞれの強みを持つ商品を多数展開しています。
チェーンソーにおいては、どちらのブランドも「オールラウンド」「竹切り」など、幅広い用途に対応した製品がラインナップされています。
Makita(マキタ)
マキタは、愛知県に本社をおくトップクラスの電動工具メーカーです。
取り扱いのあるチェーンソーは充電式が多く、エンジン式のチェーンソーは少ないイメージです。リチウムイオンを搭載している充電式のチェーンソーが多いです。おなじみの青緑のボディーカラーが特徴です。
RYOBI(リョービ)
広島県府中市にあるリョービは園芸用機器で有名なメーカーです。
プロの間でも利用者が多く、ホームセンターでも購入することができるので、DIYなどで使用されている人が多い印象です。高性能な電動工具を取り扱っており、プロ用や家庭用まで幅広くラインナップしているので選びやすいメーカーですね。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)