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【この記事のエキスパート】
帝京平成大学 現代ライフ学部 児童学科 講師(元公立小学校教師):鈴木 邦明
神奈川県、埼玉県の公立小学校に22年勤めた後、短大、大学での教員養成、保育者養成に移り、現在に至る。
現在は、大学での講義を中心に、保護者向けに子育て・教育、教員向けに授業方法・学級経営などのテーマで執筆、講演などに幅広く活躍中。
国語の授業などで使われる漢字辞典。最近は、文字を手書きする機会も少なくなっていて、漢字の成り立ちや用例などを知る機会も、学校などで勉強する際だけかもしれません。本記事では、ことわざ・慣用句・四字熟語など小学生・中学生・高校生向けの漢字辞典の選び方とおすすめの商品をご紹介します。
ひと目でさまざまな情報をキャッチできる
あえて 「紙の辞典」を使う必要性とは?
近年では、スマホアプリや電子辞書が広く普及しつつあるため、アナログで紙の辞典を引く必要性は少なくなっています。しかし紙の辞典を使うと、ひと目でさまざまな情報を見られるメリットがあります。
漢字の意味を調べるだけで終わらず、熟語や類語の解説などもあわせて確認できるため、より多くの知識が得られるでしょう。
必要に応じて使い分けよう
「漢字辞典」と「漢和辞典」との違い
「漢字辞典」のほかに、「漢和辞典」と書かれた商品もたくさん販売されています。どちらも漢字を扱った辞典ですが、一般的に漢字辞典は漢字の意味を調べるためのものです。一方、漢和辞典は意味のほかにも、漢字の成り立ちや熟語などをこまかく確認できるのが特徴です。
漢和辞典は、元々、漢語・漢文を和語で調べるための辞書として作られたので、漢字辞典よりも詳しくてレベルが高い内容になっています。そのため、基礎を学ぶ段階の小学生は漢字辞典、さらに詳しく勉強する中学生以上は漢和辞典が適しているでしょう。
索引方法などをチェック!
漢字辞典の選び方
まずは漢字辞典の選び方をチェックしていきましょう。帝京平成大学 現代ライフ学部 児童学科 講師(元公立小学校教師)・鈴木邦明さんのアドバイスもご紹介しています。ポイントは下記の4つです。
【1】索引で漢字が探しやすいか
【2】筆順・画数などの情報もチェック
【3】学習する年齢に適した見やすさや収録漢字数を選ぶ
【4】持ち運びやすさもチェック
自分の使い方にぴったりの漢字辞典を選ぶために参考にしてみてくださいね。
【1】索引で漢字が探しやすいか確認
漢字辞典を選ぶ際に重要なのは、漢字を調べやすいことです。どんな検索方法ができるかは必ずチェックしましょう。
「音訓索引」「部首索引」「総画索引」ができるか
漢字辞典で調べる方法には、おもに「音訓索引」「部首索引」「総画索引」の3種類があります。
音訓索引は漢字の読み方から、部首索引は漢字の部首から、総画索引は画数から漢字を検索可能です。この3つの調べ方は基本なので、すべてそろっているかは必ず確認しましょう。
また、辞典ごとに索引の掲載順序が異なっているため、自分が使いやすいものをチェックするといいでしょう。
小学生が使うなら、習う学年ごとに漢字を引けると便利
小学生向けの辞典なら、習う学年ごとに漢字が引けるようになっているタイプがおすすめです。小学生は漢字辞典を引くのに慣れていないので、「○年生で習う漢字」というざっくりとした探し方ができると使いやすいはず。
また、習う学年ごとに漢字が一覧で表示されているタイプも便利です。探している漢字だけでなく、近くにある漢字も一緒に学べますよ。
漢検を受けるなら、テーマ別索引があると便利
漢検(日本漢字能力検定)受験に備えた漢字辞典を探しているなら、テーマ別に索引できるタイプがおすすめ。四字熟語や故事、ことわざ、熟字訓、当て字、同訓異義語などの出題が多いので、それに即した勉強ができますよ。
効率よく勉強して知識をどんどん増やしていきましょう!
【2】筆順・画数などの情報もチェック
大修館書店『新漢語林 第二版』
はじめて漢字を勉強する小学生にとって、筆順や画数は大切な情報です。そのため、とくに小学生用の漢字辞典を探す方は、基本的な情報がきちんと載っているかどうかも、事前に確認しておきましょう。
オンライン上の商品説明で判断がつかないときは、辞典の一部が閲覧できるサイトを探してみるほか、購入者による口コミを参考にしてください。
【3】学習する年齢に適した見やすさや収録漢字数を選ぶ
文部科学省の学習指導要領では、小学校で1,026字、中学校では1,110字の漢字学習が定められています。さらに高校では、これまでに学んだ常用漢字(2,136字)の読み書きに慣れ、文章の中で使えることが目標です。
小学生が使う漢字辞典:漢字についての言い伝えなどが、イラストとともに掲載されていると、パッと目にはいってかりやすい。
中学生が使う漢字辞典:熟語・派生語・類義語などの関連情報も充実していると、そのぶん知識も増えていく。
高校生が使う漢字辞典:漢文の学習もおこなうため、漢字辞典にも漢文の情報があるとさらに便利。
小学生にはイラスト入りがおすすめ
小学生は漢字辞典に慣れていないうえ、漢字ばかり並んでいる辞典を見るのが負担になることも考えられます。そのため、イラストや漫画が入っていたり、カラフルなページになっていたりと、視覚的に楽しめる辞典を選ぶのがおすすめです。
また、学校で使うことを想定して教科書と同じメーカーの辞典を使うという手も。他にも雑学やなぞなぞといった子どもが興味を持つ企画を取り入れているタイプもあります。小学生にとって親しみやすいものを選びましょう。
中学生には漢字の関連情報も充実しているものがおすすめ
小中学校で習う漢字が掲載されている、最低2,136文字以上の収録漢字数がある辞典を選択しましょう。さらに、熟語や派生語、類義語などの関連情報も充実しているタイプなら、より漢字に対する知識と理解を深められますよ。
また、小学生のときに使っていたのと同じ出版社の辞典を使えば、早く使い方に慣れることができるでしょう。
高校生には古文や漢文に関する情報があるものがおすすめ
小口に部首の画数が印刷されています。ほかにも、同画数の部首一覧を本文の全ページの上部に設けるなど、引きやすさの工夫がこらされています。
高校生向けの辞典としては、カバーしている漢字の数が多く、関連情報も充実しているものが良いでしょう。
また、高校生からは本格的な古文・漢文の学習もあるため、漢字辞典にもそれらの関連情報があるとさらに便利です。古文や漢文では普段見慣れない漢字が出てくるため、そうした漢字も掲載されているかをチェックしてくださいね。
【4】持ち運びやすさもチェック
【エキスパートのコメント】
漢字辞典に限ったことではありませんが、子どもが使う学習用具の選び方では、どういった環境で使うのかを考えることがとても大切です。
たとえば、毎日辞書を持ち歩かなければならない子どもにとって、重い辞書は、内容がよかったとしても、使いづらいかもしれません。対して、家だけで使うのであれば、あまり重さは気にせず、内容を重視して選ぶことができます。
こういった「使い方」というものは、その人それぞれで違ってくるため、子どもの環境によって「使いやすい辞書」が違ってきます。どういった使い方をするのか、しっかりと考えてから選びたいものです。