阪神電気鉄道は26日、阪急阪神ホールディングスグループで実施する「阪急阪神 ゆめ・まちチャレンジ隊 2019」の様子を報道公開した。小学生9名がプログラムに参加し、普段は体験できない鉄道業務を真剣な眼差しで取り組んでいた。
阪急阪神ホールディングスグループは夏休み期間中、小学生向け体験学習プログラム「阪急阪神 ゆめ・まちチャレンジ隊 2019」を実施している。2019年度のプログラム数は67にのぼり、多種多様な内容でこどもたちや保護者に人気を博している。阪神電気鉄道もこのプログラムに参加しており、今回は同社で行われるプログラム「今と昔の駅のお仕事を体験しよう!」が公開された。
当日は神戸高速線の新開地駅からスタートした。最初に列車の走行位置を表示するTOM端末が紹介され、参加者たちは興味深そうに画面を見つめる。「電車が来た!」と声を発し、スタッフに次々と質問する子もいた。新開地駅にあるTOM端末では、阪神線だけでなく阪急線も表示される。自動改札機を遠隔操作できる機械では、参加者たちが画面をタッチして自動改札機を操作した。阪神電車の駅は無人駅が多いこともあり、主要駅にはこのような自動改札機を遠隔操作できる機械が設置されているという。
一方、「昔のお仕事」ではきっぷのパンチ開けに挑戦。保護者から渡されたきっぷにパンチで穴を開けた。パンチを見るのは初めてのようで、参加者たちは不思議そうな顔で見つめている。それもそのはず、阪神電気鉄道では昭和50年代初頭からパンチは使われなくなったとのことだ。
その後、参加者たちは新開地駅から隣駅の高速神戸駅へ、阪急電鉄の電車で移動。線路に落ちた物を拾う「拾い棒」、車いすを列車に乗せる「渡り板」を体験した後、いよいよお待ちかねの構内放送体験となった。
構内放送では実際にマイクを持ち、ホーム上で放送を行う。スタッフに聞いたところ、やはり構内放送はプログラムの中でも最も人気があるとのことだった。早速、参加者たちがチャレンジすることになり、自信ありげな表情でセリフを読み上げる。
「次に2番線に参ります電車は阪神梅田行特急です。西元町、元町、阪神神戸三宮、御影、魚崎、芦屋、西宮、甲子園、尼崎に止まります」と、一度も止まることなくすらすらと駅名を言う子もいて、スタッフから「うまい!」と絶賛の声も。当日は阪神電車だけでなく、阪急神戸線の特急も放送で案内した。参加者たちは何回も放送を繰り返した後、「放送がうまくなった」とうれしそうな顔で話してくれた。
構内放送の合間に高速神戸駅止まりの電車に乗り、入換乗車を体験。普段見ることができない引込み線を見られるとあって、参加者たちは前面を懸命に見つめていた。最後に修了書とお土産が渡され、約2時間のプログラムは終了。参加者たちは満足げな表情を見せていた。
なお、「阪急阪神 ゆめ・まちチャレンジ隊 2019」の全67プログラムの中には、「阪神電車尼崎車庫に行こう!」「阪神電車の安全を支えてみよう!」など、鉄道に関連したプログラムが多数含まれている。ただし、夏休み期間中に実施されるプログラムに関して、すでに応募は終了しているとのことだった。