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【この記事のエキスパート】
キャンプ/釣りライター:中山 一弘

キャンプ/釣りライター:中山 一弘

青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。
ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。

今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。
キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。


磯釣りでは専用の「磯竿」を使います。長めの竿に極小のガイドとリールシートという組み合わせは磯竿だけの特徴です。初心者の方は1号・2号・3号など何を選べばいいか迷ってしまいますよね。この記事では釣りライターの中山一弘さんに磯竿の選び方とおすすめの商品を伺いました。

磯竿の前に
磯釣りとは

磯釣りとは陸に繋がった地磯や船で渡る沖磯で行う釣りの総称です。カゴ釣りやフカセ釣りなどの仕掛けで狙うのが基本です。

人気の魚種は、イシダイ、チヌ(クロダイ)、グレ(メジナ)などです。ほかにもシーバス(スズキ)やアオリイカなど、さまざまな魚種が釣れます。

岩場での釣りになるので、初心者には少しハードルが高く感じられるかもしません。また、激しい波が打ち寄せることもよくあります。安全対策をしっかり行ったうえで、磯釣りを楽しみましょう。

釣りライターが解説
磯竿の選び方

釣りライターの中山一弘さんに、磯竿を選ぶときのポイントを教えてもらいました。

軽量な200g前後がおすすめ
ロッドの重さをチェック

出典:Amazon

磯竿は可能な限り軽いものがおすすめです。手首の負担を軽減できるだけでなく、足場の悪い環境でも安定して長く釣りを楽しむことができます。とくに初心者の場合は200g前後を目安に選ぶとよいでしょう。

最近の釣り竿は、軽さと耐久性にすぐれた「高密度カーボン繊維」を多く使用したものが増えてきています。軽さを追求したいならカーボン含有率が高いものを選ぶとよいでしょう。

また、手元側が重く穂先が軽くなっている「低重心設計」の磯竿なら、同じ重さでも疲れにくく感じます。そのためロッドの重さは扱いやすさを考慮しながらバランスのよい重量のものを選ぶとよいでしょう。

最初の一本には5.4m前後がおすすめ
ロッドの長さをチェック

出典:Amazon

【エキスパートのコメント】

磯釣りの場合、磯際に道糸が絡まず、足場が高くても扱いやすい5m前後の長さの竿を使います。基本的にはやや余裕を持たせた5.4m前後のものと、防波堤や小磯に強い4.8m前後がよく使われます。

磯釣りではほかの釣りに比べると長い竿を使いますが、手前の根に潜られそうになっても、ある程度はコントロールできるというメリットもあります。また、竿の弾力を十分活かせるので大物を早く弱らせる効果もあります。最初の一本にはこれらの特長が活かしやすい5.4m前後の竿が最適です。

汎用性が高い1.2号か1.5号がおすすめ
磯竿の号数をチェック

出典:Amazon

磯竿には「0号」「1号」「1.5号」といったように号数表示がなされています。これはその竿に一番最適だとされるハリス(リールに巻いておく釣り糸のことを道糸といい、その先に結ぶ釣り糸のことをハリスといいます)の号数を表しています。

自分がよく行く磯のメジナのサイズが40cm前後だとしたら使うハリスも1.5号ぐらいをよく使います。ですから、磯竿も1.5号ぐらいがベストということになります。

最初の1本でしたら、一番汎用(はんよう)性が高い1.2号か1.5号がおすすめです。

なお、遠投サビキ・カゴ釣り・ノマセ釣り(泳がせ釣り)など、遠投をメインに釣りを楽しむなら3号を選ぶとよいでしょう。重たいカゴ仕掛けを飛ばし青物の強い引きにも十分対応可能です。

狙うターゲットで決めるのがおすすめ
遠投性能をチェック

イシダイやメジナ(グレ)、クロダイ(チヌ)などは岩場や藻場などに身を潜め、接岸している魚ですので、キャスト性能が高くなくても十分楽しむことができます。そのため遠投が必要かどうかは狙うターゲットによって異なってきます。

例えば、ブリ、ヒラマサ、イサキなどの青物狙いの場合は、遠投しやすいタイプの磯竿がおすすめです。回遊している沖までキャストすることで、よりバイトチャンスが得られるでしょう。

狙うターゲットに応じて遠投性能をチェックするようにしましょう。

初心者向けには中通し竿もおすすめ
ガイドの有無をチェック

竿のタイプには、釣り糸を通すガイドが外についた外ガイドと内側付いた中通し(インナーガイド)の2種類があります。

外ガイド:キャスティングがスムーズで簡単

出典:Amazon

ガイドを通す場合は、キャスティング時の抵抗がかからず、水滴なども溜まりにくいといった特徴があります。また、外ガイドはスムーズに糸を通すことができますが、絡みやすいというデメリットもあります。

中通し(インナーガイド):風の影響を受けにくい

出典:Amazon

中通しは糸通し用の道具が別途必要にはなりますが、風に吹かれて糸がからまることがなく、初心者でも扱いやすいのがメリットです。

コンパクトに収納できるものがおすすめ
携帯性をチェック 

磯竿に限らず釣り竿は大きく分けて、竿を分割する継ぎタイプと、竿先が内部に収納できる振り出しタイプの2種類があります。

継ぎタイプ:強いしなりとパワーが魅力

出典:Amazon

継ぎタイプは、ワンピースのものほどではないが、ロッドの曲がりがスムーズで、粘り強さやパワーがあるのが特徴です。継ぎ数によって収納時のサイズも変わってくるため、チェックするようにしましょう。

振り出しタイプ:コンパクトな収納力が魅力

出典:Amazon

振り出しタイプは、入れ子の構造になっているためコンパクトに収納できるのが最大の特徴です。しかし、収納のためブランクスじたいが薄く設計されているため、耐久性や感度は落ちてしまいます。収納重視なら振り出しタイプがおすすめですが、継ぎタイプの方が釣りスタイルの幅が広がることでしょう。

エキスパートからのアドバイス
軽さとバランスも重要なチェックポイント

【エキスパートのコメント】

磯釣りでは、磯竿を一日中手で持っているのが普通です。ですから竿の重さは疲労度と密接な関係があります。

また、単純な軽さだけでなく、自分が持っているリールとの組み合わせも大事です。竿が軽くてもリールをセットすると竿先が下がっていくことがあります。これは典型的な「持ち重り」というもので、重量バランスが悪いためにおこる現象です。

逆に竿が重くてもリールをセットすると軽く感じることもあります。竿とリールとは無限に組み合わせがあるので、こればかりは自分で試すほかありませんが、軽さとバランスがとても重要だということは覚えていて損はありません。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)