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【この記事のエキスパート】
ワイルドライフクリエーター、山岳写真家:荒井 裕介
ブッシュクラフト、狩猟、ULスタイル、沢登りなど様々なアウトドアに取り組む。海外生活の経験もあり銃器やトイガンにも造詣が深い。
アウトドア料理やビンテージアウトドアアイテムのレストア、道具作りにも造詣が深く自作アイテムのみでの山行も行う。
フェールラーベンのアンバサダーとしても活動している。
寝ている間に地面からの冷気で身体が冷えることを防いでくれる「登山用のテントマット」。寝心地にも影響します。サーマレストやモンベルをはじめ、軽量で機能性に優れた商品が多数発売されています。そこで本記事では、登山用テントマットの選び方とおすすめ商品を紹介します。
登山用テントマットの選び方
それでは、登山用テントマットの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】テントマットの種類と特性
【2】装備の軽量化のために知っておきたいサイズ
【3】目的の山の気温
【4】シュラフの保温性を補う、ダウンマット
上記の4つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】テントマットの種類と特性をチェック
テントマットには大きく分けて「クローズドセル」「インフレータブル」「自動拡張式」の3種類があります。
クローズドセルはEVAフォームなどで作られており、折りたたむなどして持ち運びが可能です。軽量で暖かく、任意の長さでカットできるので、かさばるというデメリットをカバーできます。
インフレータブルは、空気を注入して膨らませて使用します。「エアーマット」といいかえるとイメージしやすいでしょう。軽量なうえ、コンパクトに収納が可能ですが、空気層が冷えてしまうとマットの保温性は下がります。
また、同じ空気を入れるタイプでも自動拡張式は、その両方の長所を持ち合わせています。しかし、エアーを注入するタイプがゆえに、パンクの恐れはつきもの。ほかの2つとくらべても、重量が増してしまう傾向にあります。
【2】装備の軽量化のために知っておきたいサイズをチェック
テントマットは、シュラフやテント同様に寝るときにしか使いません。一般的には首から足先までのサイズを選択するのですが、中~上級者になると、装備の軽量化のために背中から腰まではマットを使い、それ以外はザックや着替えなどでカバーする人もいます。
また、テントマットはザックのタイプでも使いわけることが可能です。たとえばクローズドセルはフレームを持たないUL(ウルトラライト)系のザックなどのフレーム代わりとしても代用できます。
自分の装備と合わせて兼用が可能かを考えるのも大切なプロセスです。
【3】目的の山の気温をチェック
シーズンや山域に応じてテントマットを選びたいものですね。3,000m級の山の気温は真夏でも初春とかわりませんし、雪渓の残るテント場もあります。
一方で低山ではマットが暑いなど条件はさまざまです。少しでも安眠できるように、スタイルにあわせてチョイスしましょう。
軽量でも厚みがあり空気層の多いインフレータブルは、冷えには弱いですが暑さには強いので真夏の低山派におすすめです。
クローズドセルはオールラウンダーで、自動拡張式はシーズンによって厚みや素材の選択が必要ですがコンパクトにまとまります。
【4】シュラフの保温性を補う、ダウンマットをチェック
厚いシュラフを選んでも、背中側のロフトがつぶれてしまい保温性が下がってしまいます。その保温性を補うのがマットの役割でもあります。
ダウンが封入されたマットは、シュラフのつぶれてしまうロフトを補い快適な温度にしてくれる厳冬期のマストアイテムです。
R値という断熱性をあらわす指標が設定された商品もあります。R値は1~10までの数字で定められ、数字が大きいほど断熱性が高くなります。
R値の選択をし、対象地域の気温や積雪の有無によってダウンマットを選択することが安全にもつながります。また、低山であればレイヤリングとマットでシュラフの保温性を下げることもできます。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)