7月22日、広瀬章人竜王への挑戦権を争う第32期竜王戦決勝トーナメントの豊島将之名人―藤井聡太七段戦が行われ、豊島名人が勝って準決勝へと進みました。

藤井七段、2019年内のタイトル挑戦可能性消える

熱戦を制し準決勝へ進んだ豊島名人。次の相手は渡辺三冠だ

対局は藤井七段の先手で、両者得意としプロ間でも数多く指されている「角換わり」の戦型へと進みました。藤井七段がいったん左方向に囲った玉を中央へ戻すと、豊島名人も攻めの主力である飛を中央へ移し、互いの急所を攻め合う展開となりました。終盤における一直線の攻め合いで読み勝っていた豊島名人が制するところとなりました。両者1分将棋(※持ち時間を使い切り、1手1分以内の着手が求められる状態)となる大熱戦でした。

豊島名人は準決勝で渡辺明三冠と対戦します。両者の今期成績は豊島名人が12勝3敗、渡辺三冠が11勝2敗。それぞれの黒星は豊島名人が渡辺三冠に、渡辺三冠が豊島名人につけられたもので、それ以外の棋士には無敗となっています。6月から始まった豊島名人に渡辺三冠の挑戦を受けた第90期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負を渡辺三冠が3勝1敗で制し、その途中で行われた第67期王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝は豊島名人が勝利を収めています。両者のこれまでの公式戦全対局を見ますと、豊島名人7勝、渡辺三冠15勝となっています。名人+王位VS棋王+王将+棋聖の棋界頂上決戦は必見です。

最年少タイトル獲得の期待が掛かる藤井七段は昨年度、第66期王座戦挑戦者決定トーナメントでのベスト4進出に次いでの惜しいところでの敗戦で、2019年内のタイトル挑戦可能性は消滅しました。最短のタイトル挑戦は二次予選に進み挑戦者決定リーグ入りまであと2勝としている第69期大阪王将杯王将戦(※来年1月から七番勝負がスタート)となります。

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