家計の節約について、よく言われるのが「住居費、保険、スマホ代など、毎月出ていく固定費を見直した方が節約効率がいい」ということ。確かにそうなのですが、固定費を見直すのはちょっと手間がかかります。

見直しが面倒でズルズル先延ばしにしているようなら、今日からすぐできる食費を見直してみませんか?家計の出費を減らす手っ取り早い方法が食費を減らすことです。

実際、筆者がお会いした1000万円貯めた人は、ほぼ100%食費を見直して、食費を下げることに成功しています。それに対して、食費が高い人、なかなか下がらない人は、お金もなかなか貯まりません。今回は、食費が下がらない人の特徴を紹介します。

共通点1)買い物メモを作らない

ある食費節約の達人は「買い物メモを持たずにスーパーに行くのは、丸腰で決闘に行くようなもの」と言いました。食材を買うことは、いわばスーパーとの真剣勝負。買い物メモは不可欠の戦闘アイテムなのです。

というのは、スーパーの滞在時間が長くなるほど、余計な物を買ってしまう危険性が増すからです。また、食費を下げる極意は、①安く買う、②買った物を食べ切るの2点。買い物メモがないと、余計なものを買ったり、買い過ぎたりするので、②の買った物を食べ切るが難しくなります。

共通点2)行きつけのスーパーが決まっていない

あちこちいろんなスーパーで買い物をしていると、売り場の配置を把握していないことがあるので、店内でウロウロしやすくなります。ウロウロすればするほど、スーパーの滞在時間が長くなり、ムダな買い物が増えることに。

また行きつけのスーパーだと、そのスーパーの相場がわかるので、「特売」とアピールするほど安くなっていなくても、「今日は、これが安い」ことに気がつきます。結果、お得な買い物ができるというわけです。

共通点3)“とりあえず”安い物を買う

とりあえず買った物で献立を考えることができるのは、料理のレパートリーが豊富な料理上手さん。安い食材を買っても使い切るメニューが思いつかなければ、食費を下げる極意の「①安く買う」はクリアできても、「②買った物を食べ切る」がクリアできません。

今どきは、食材からメニューを検索するサイトがありますが、使い慣れていない食材で作ったことがない料理を作るのはハードルが高いものです。「とりあえず安い物」を買うよりも、「多少高くても使い慣れた食材」を買う方がムダなしと言えます。

共通点4)冷蔵庫にある卵の残りの数がわからない

卵の残りの数を把握できていないのは、冷蔵庫の在庫管理ができていない証拠。在庫管理ができていないと、「ないと思って買ったら、冷蔵庫にまだあった」というダブリ買いの原因に。

貯めている人は冷蔵庫のドアに在庫表を貼って在庫を管理したり、買い物前に庫内の写真を撮ったりするなどしてダブリ買いを防止を徹底しています。

共通点5)1品だけでレジを通るのは恥ずかしいと感じる

食費節約に限らず、人の目を気にしたり、見栄を張ったりする人は出費を減らすのが苦手です。1品だけでは恥ずかしいからと、必要のない物を買っていては食費は下がりません。

共通点6)そもそも食費の予算が決まっていない

手持ちの現金がなくなると、銀行からちょこちょこお金を下ろす人は、食費予算が決まっていないことが多いものです。できるだけ安い物を買おうという意識や、節約しようという気持ちはあるのですが、なかなか結果でません。それは、予算が決まっていないので、むやみに節約することになるからです。

食費を減らすには予算を決めて、予算内でやりくりすることが大事。これを繰り返すことで、どれくらいの量を買ったら、予算を守れるか、使い切れるかが把握できるようになるのです。

共通点7)献立が白っぽい

食費を削ろうとして、豆腐、もやし、うどん……など安い食材ばかりを買うと、献立が白っぽくなります。確かに食費は減りますが、ストレスがたまって長続きしません。

節約は長続きしてこそ、献立があるので、ストレスがたまることはNGです。

「頑張っているのに、食費がなかなか下がらない!」という人、思い当たることはありませんか? 食費を減らすことは、実は、節約の中でも意外と簡単なことなのです。しかも、効果が実感できるので達成感があります。見直せることからトライしてみましょう。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。