保湿とアトピー性皮膚炎の発症率には関係がある!?専門家の先生に聞きました!

ーー国立成育医療研究センターでは、保湿とアトピー性皮膚炎発症率の関係について、研究が進んでいるそうですね。

吉田先生
アトピー性皮膚炎は必ずしも遺伝するわけではないですが、親兄弟がアトピー性皮膚炎だと発症リスクが高くなります。その発症リスクが高い赤ちゃんを対象とした研究で、生後1週間以内から積極的に全身保湿ケアを毎日続けた赤ちゃんと、乾燥が気になったところだけをケアした赤ちゃんのアトピー性皮膚炎発症率を比較すると、積極的に保湿ケアを続けた赤ちゃんのほうが3割発症率が低いという結果が出ました。ちなみに、欧米でも似たような研究があり、やはり積極的に保湿ケアをした赤ちゃんのほうがアトピー性皮膚炎発症率が低い結果となっています。

もちろん、保湿ケアをしたらアトピー性皮膚炎のリスクが完全になくなるわけではありませんし、ケアをしなくてもまったく問題のない赤ちゃんもいます。ただ、保湿をすると、皮膚のバリア機能が高まるので、外部刺激の影響を受けにくくなるとは思います。アトピー性皮膚炎については、皮膚のバリア機能異常と、免疫異常の両方の観点から研究が進んでいます。