モバイルでも、据え置き機と遜色のないクオリティのゲームが増えており、SNS上で提供される「ソーシャルゲーム(ソシャゲ)」の時代から脱却しつつある昨今。ゲームを快適に遊べるように、スマートフォンにも「ハイスペック」が求められるようになりました。
実際、モバイルゲームのプレイを目的に作られた「ゲーミングスマホ」が少しずつ登場しています。先日日本に上陸したばかりの「Black Shark 2」もその1つ。今回は同機を約2週間借りられたので、存分に遊び倒してみたいと思います!
Black Shark 2のスペックや機能は、別記事『ついに日本上陸! モンスタースペックのゲーミングスマホ「Black Shark 2」がベールを脱ぐ』をご覧ください。
ゲームに集中できる「Sharkキー」は配信用にもうれしい
まずは、ゲーム中、着信やSNS通知がオフになる「Sharkキー」を使ってみましょう。本体右側にある物理スイッチをスライドさせると「Sharkモード」に変わります。これでメールやアプリの通知などが画面に表示されなくなるので、ゲームの邪魔になることはありません。スマホゲームのプレイ中はもちろん、ストリーミングを配信をしている場合にも、プライベートな通知が出ないのはうれしいですね。
次にディスプレイまわり。ディスプレイは、タッチ操作の反応速度に関係するタッチレポートレートが240Hzと、かなりの機敏さを誇ります。実際にゲームをプレイしてみたところ、確かに速さは実感できますが、性能を100%引き出すほどのプレイができませんでした。おそらくプロゲーマーレベルであれば、その反応の良さに感激するのでしょう。
反対に、少々気になったのは、リフレッシュレートです。Black Shark 2は60Hzなので、一般的なスマホと動きのなめらかさは変わりません。これは目に見えてわかりました。同じゲーミングスマホの「ROG Phone」が90Hz、シャープのハイエンドスマホ「AQUOS R3」が120Hzなので、物足りなさを感じる人もいるでしょう。
便利なマスタータッチは慣れすぎ注意?
続いて「マスタータッチ」を試してみました。これは、ディスプレイを強くタップすることで、通常のタッチとは違う操作ができる機能です。普通にタップしたり、触れたままスライドしたりする場合はいつも通りの操作ですが、強く押し込むと、スマホの圧力感知によって、割り当てた操作を実行できます。
例えば、FPSゲーム『PUBG MOBILE』の場合、左手の親指で「キャラクターの移動」を、右手の親指で「攻撃」や「伏せる」「しゃがむ」「ジャンプ」といった動作を行うのが一般的ですが、マスタータッチにジャンプボタンを設定しておけば、左手で移動しながら指を押し込むことジャンプできます。最初はうまくできませんでしたが、プレイしているうちに慣れてきて、移動やジャンプから攻撃への切り替えがスムーズになり、通常操作よりも使い勝手がよく感じるようになりました。
この操作を自分のものにできれば、オンライン対戦の勝率も変わってくるでしょう。ただし、オフラインの大会では会場に用意されているスマホを使うケースも少なくありません。マスタータッチに慣れすぎて、通常のスマホの操作ができなくなってしまわないように注意しましょう。
とはいえ、多くの人は、オフライン大会に出るよりも、オンラインで遊ぶほうが多いと思います。オンラインで有利に立ち回るには、この操作性を身につけておいて損はないはずです。
次に多層液体冷却システムです。長時間連続してゲームをプレイしてみましたが、Black Shark 2が熱くなった印象はありませんでした。当然、ゲームはハイパフォーマンスのままプレイ可能。充電しながらのプレイも試してみましたが、こちらも同様の印象です。『PUBG MOBILE』などのバトルロイヤルゲームは、一度プレイをスタートすると、最後まで遊ぶにはそこそこ時間がかかります。なので、途中でパフォーマンスが落ちないのは、うれしいポイントでしょう。
反対に、長時間プレイしていて気になったのは重さ。約205gのBlack Shark 2は、持ってみると、かなりズッシリとした印象を受けました。薄型軽量をうたっているスマホと比べると50gくらい重く、208gの「iPhone XS Max」と同じくらいです。ただ、先日発表された「Nintendo Switch Lite」の重さは約275gなので、携帯ゲーム機と比べると、断然軽いことがわかります。
外出先でもラクラク動画配信! 試しにポケGOを録画してみた
先ほど、Sharkモードが動画配信に向いていると伝えましたが、ほかにも動画配信に向いている機能がありました。1つめは、Black Shark 2が「DisplayPort Alternate Mode」に対応しており、別売りのUSB-C to HDMIの変換ケーブル1本でPC用ディスプレイやテレビにスマホの画面を表示できる点です。
PCのHDMI入力キャプチャーボードと接続すれば、簡単かつ見栄えのよい状態でスマホゲームのストリーミング配信が行えます。ミラキャストなどで対応できなくないですが、ケーブル1本でつなげられるので、設定もなくて簡単です。
2つめが、スクリーンレコーダー機能。簡単にスマホの画面を動画で残すことができるので、編集して動画配信サイトにアップできます。DisplayPort Alternate Modeと違い、外出先などでも画面録画ができるので、位置情報ゲームなどの動画を撮影したいときに便利です。
もちろん、スマホ画面を録画できるアプリもありますが、その多くは内部音声が記録できません。音声を入れる場合は、スピーカーから音を出し、それをマイクで別途録音する必要があり、外出先だと騒音まで一緒に収録してしまうので、あまりいい音は録れないでしょう。Black Shark 2のスクリーンレコーダーは内部音声のみを記録できるので、余計な雑音を入れずに記録できます。
モバイルゲームを中心にスマホを活用するユーザーにとって、Black Shark 2が使いやすいマシンであることは間違いないでしょう。ライト層だけでなくeスポーツ大会に出場するハイレベルな層にとっても満足できるスペックだと思います。
しかし、それ以上に、ストリーマーが欲する機能が満載なので、動画配信をしている、もしくはこれからやってみたいと考えている人にチェックしてほしい1台です。