JR東日本仙台支社は20日、山形新幹線「とれいゆ つばさ」の5周年記念セレモニーを開催した。新庄駅では「とれいゆ つばさ2号」の発車に合わせて出発式が行われた。
「とれいゆ つばさ」は2014年7月にデビューした新幹線初というリゾート列車。E3系をリニューアルした6両編成(11~16号車)で、15号車に山形の地酒やジュースなどをそろえたバーカウンター、16号車に車窓を眺めながらくつろげる足湯を設置している。今年4月に車内リニューアル(多言語表記による案内ディスプレイの設置など)も行われた。山形新幹線の在来線区間である福島~新庄間にて、土休日を中心に1日1往復運行され、今年6月22日に利用者数5万人を達成している。
山形新幹線では「とれいゆ つばさ」の運行開始5周年に加え、今年12月に山形~新庄間の延伸開業20周年を迎えることから、利用者への感謝の気持ちを込め、山形新幹線「きてけろ、山形。」プロジェクトを展開。その第1弾として、「とれいゆ つばさ」の利用促進を目的としたキャンペーンが実施されることになった。
7月20日は「とれいゆ つばさ1号」(福島駅10時2分発)において、福島駅・米沢駅・山形駅で運行開始5周年を記念した見送りイベントが開催され、地元関係者やマスコットキャラクターも参加したという。車内では「やまがた女将会」「やまがた愛の武将隊」によるおもてなしや酒のふるまいも。「とれいゆ つばさ2号」(新庄駅15時0分発)の出発式は新庄駅2・5番線ホームにて行われ、2番線に「とれいゆ つばさ」、続いて5番線に陸羽東線の「リゾートみのり」が入線。両列車が並んだところで開会となった。
山形県最上総合支庁産業経済部部長の安孫子義浩氏は、「とれいゆ つばさ」の5周年を契機に「今後ますます多くのお客様がこの列車を利用し、山形県内、最上地域へ訪れることを期待しています」と挨拶。「山形県としても、リゾート列車をしっかり活用していきたいとの思いがあります。『とれいゆ つばさ』『リゾートみのり』のお客様が、滞在時間をもっと楽しんでいただけるように努めたい」と述べた。
また、今後の「とれいゆ つばさ」に関して、JR東日本仙台支社 新庄駅長の鈴木一弘氏によれば、「首都圏から山形まで、花笠まつりに合わせた臨時列車として運転されますし、団体専用列車としての使い方もこれからあると聞いています。ぜひ多くのお客様にご利用いただきたいと思います」とのことだった。
出発式では1日駅長に任命された2名が参加したほか、ご当地キャラクターの「かむてん」「おおくらくん」「せんどうくん」も登場。くす玉開花の後、新庄駅長と1日駅長2名による出発合図が行われた。「とれいゆ つばさ」と「リゾートみのり」はともに警笛を鳴らして動き出し、新庄駅のホームを離れた後もしばらく並走。「とれいゆ つばさ」は福島駅へ、「リゾートみのり」は陸羽東線経由で仙台駅へ向かった。
なお、出発式が行われた新庄駅では、改札内に「とれいゆ つばさ」5周年記念のペットボトルキャップアートが展示された。山形新幹線「つばさ」「とれいゆ つばさ」が並び、「とれいゆ」「5TH」「アリガトウ!!」のメッセージも。山形運輸区の社員が制作し、使用したキャップは6,384個に及んだという。
「とれいゆ つばさ」では7月20日から9月29日まで、バーカウンターで5周年記念シールのプレゼントも実施。7月27日の「とれいゆ つばさ1号」にて、「乗るべ、足湯新幹線。」夏休み特別イベントとして「とれいゆ つばさ」に乗務する運転士と車掌によるワークショップも行われる。運行開始5周年と利用者数5万人達成を記念し、クイズに答えた人の中から「首都圏発山形の旅」「南東北発首都圏の旅」をプレゼントするキャンペーン(応募期間は9月30日まで)も行われる。
今後、山形新幹線「きてけろ、山形。」プロジェクトの第2弾として、山形~新庄間延伸20周年に合わせた「乗るべ、温泉新幹線。」キャンペーンも展開する予定。さまざまなイベントやおもてなしを用意し、詳細は9月下旬頃に発表予定とされている。