リクルートマネジメントソリューションズは7月18日、「職場におけるソーシャル・サポート実態調査」を発表した。調査は2019年3月、従業員規模300名以上の企業に3カ月以上勤務し、管理職・役員・経営者を除いた20~40代男女603人を対象にインターネットで行われた。
調査結果は次の通り。まず、「仕事を進めるにあたって周囲からのサポートをどれくらい必要とし、十分にサポートを得られていると感じているか」尋ねたところ、「どちらかといえば必要」まで合わせると、いずれも8割以上がサポートの必要性を求め、また、評価的サポートでは必要度と十分度の乖離が最も大きくなっている。
なお同社では、サポート内容を「仕事を直接手伝う『直接サポート』」、「知識や情報を提供する『情報サポート』」、「励ます、気にかけるなどの『情緒的サポート』」「適切に評価、フィードバックする『評価的サポート』」の4つに分類している。
続いて、上司、同僚、家族など「4種のサポートをそれぞれ誰からしてもらいたいか」聞いたところ、「上司の評価的サポート」(49.7%)、「同じ職場の同僚の直接サポート」(38.6%)、「社内の違う職場の人の情報サポート」(13.1%)、「社外の知人・友人の情緒的サポート」(15.0%)、「家族の情緒的サポート」(16.2%)、「専門家(カウンセラー、コーチなど)の情報サポート」(4.0%)となった。
そして、期待はずれだった上司や同僚からのサポート内容を具体的に聞いてみると、「専門性のある業種なのに、そういう知識が不足している人から執拗に指導を受けた」(営業/40代男性)、「分かっていることを他の同僚から長々と話されたとき」(サービス/30代男性)など知識・スキル不足や自分本位なサポートを受けたというコメントがあった。
また、「入職当時に人間関係を上司に相談したら、考え過ぎだと軽くあしらわれた」(技術/40代女性)、「人のリソースが欲しいのに精神論を語られた」(技術/30代男性)、「覚えるため、と仕事をふられたが、仕事をふってきた本人は何も教えてくれない」(サービス/20代女性)と、親身でない、精神論、フォローがないという声もあった。
さらに、5年前と比べて職場の人間関係が希薄化しているかどうかを聞いたところ、「希薄化している」(19.4%)、「どちらかといえば希薄化していると思う」(25.2%)、「どちらともいえない」(32.7%)、「どちらかといえば希薄化していると思わない」(13.4%)、「希薄化していない」(9.3%)となり、半数弱の44.6%が希薄化していると答えている。
希薄化を感じる具体的な理由としては、「残業するなと厳しく言われるようになって、残業中に雑談でお互いを知る機会がなくなった」(事務/40代男性)、「飲み会などの、仕事以外の交流が少なくなったため、お互いがお互いに干渉することもほとんどなくなった」(営業/30代女性)、「中途社員が入り過ぎて名前を覚える暇がない」(サービス/40代男性)などがある。
リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所 所長 古野庸一氏は「貢献できていなくても気軽にサポートが頼めるという観点。そして誰かに守られているという安心感から挑戦できるという観点。二つの観点から、ソーシャル・サポートは、健全な経営を行うには欠かせない要素であると考えられます」とコメントする。