ホンダは軽ハイトワゴン「N-WGN」(エヌワゴン)をフルモデルチェンジし、8月9日に発売する。同社の軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」(エヌボックス)は近年、日本で最も売れているクルマだが、N-WGNは同一セグメント内で販売台数が5位というポジション。今回の新型ではN-BOXを参考とし、ユーザーに喜ばれる商品づくりにゼロから取り組んだという。
競合ひしめく軽ハイトワゴン市場
日本の自動車市場は年間500万台規模で推移しているが、内訳を見ると、数を伸ばしているのが軽自動車だ。軽自動車にしぼって台数の構成を見た場合、スーパーハイトワゴンとハイトワゴンが合計で約8割と売れ筋になっている。
そんな日本市場で最も売れているのが、ホンダのN-BOXだ。このクルマは軽自動車としては4年連続、全てのクルマを合わせても2年連続で、販売台数ナンバーワンに輝いている。一方、2018年におけるN-WGNの販売台数は約6万3,000台で、同一セグメント内では5番手に甘んじていた。軽ハイトワゴン市場には、日産自動車「デイズ」/三菱自動車工業「eKワゴン」、スズキ「ワゴンR」、ダイハツ「ムーブ」など、手強いライバルが多いのだ。
なぜ、N-WGNはN-BOXほど売れていないのか。本田技研工業 商品ブランド部 商品企画課の安達晃三氏は以下のように解説する。
「そもそも、N-WGNは発売から6年近くが経過しています。発売当初、N-WGNは軽ハイトワゴンとして、広さ、走り、デザインなどで競合に対する優位性を持っていたので、一時期は(同一セグメントで)トップクラスの販売台数だったこともありました。その後、他社が走りや安全性などを向上させてくる中で、現状としては、優位性を持てていないかなと認識しています。今回はゼロから見直し、お客様のニーズを反映した商品ができたと思っています」
ホンダは新型N-WGNを開発する上で参考にしようと考え、N-BOXが好調な理由を調べた。浮き彫りとなったのは、N-BOXのユーザーが「安全性能」を高く評価しているという事実だ。