首都圏に本社、事業所を持つ企業23社によって運営されるTDMテレワーク実行委員会は7月16日、共同記者会見を開催。協賛企業従業員1,300名が結束してテレワークを行う「TDM(Transportation Demand Management)テレワーク」キャンペーンを7月22日から9月6日まで実施することを明らかにした。

  • 都内の通勤混雑を緩和を推進する「TDMテレワーク」とは

    TDMテレワーク共同記者会見が開催

キャンペーンに合わせて、メンバー企業のヴァル研究所の経路検索アプリ「駅すぱあと」と日本経済新聞社の運営するシェアオフィス紹介サービス「OFFICE PASS」が連携し、都内100カ所のテレワークを快適に行うことができるワークスペースを紹介するサービスを展開する。

7月23日には、啓蒙活動の一環として23社が全社をあげて一斉にテレワークを実施。イベントキャンペーン期間中、夏休みが入ることから「子連れテレワーク」の実証実験も行う。

TDMテレワークとは?

東京都の人口は平成9年以降、23年連続で増加しており今後も増加が予想されており、それに伴う通勤混雑状況もまた、更なる悪化が予想されている。加えて来年8月に東京五輪を迎えて都内は更なる混雑が予想されており、これらの対策が急務となっている。

これに対して、道路渋滞緩和のためのアプローチとして提唱されたTransportation Demand Management(交通需要マネジメント)の考え方を、公共交通機関にも取り入れ、テレワークを中心に実行していくのが、アリステア株式会社 代表取締役社長 CEOの平野洋一郎氏が名付けた「TDMテレワーク」だ。

  • アリステア株式会社 代表取締役社長 CEO 平野洋一郎氏

テレワークで社会貢献も

会見では、TDMテレワーク実行員会を主導してきた平野洋一郎氏が、今回のキャンペーンの意義について「現在のテレワークは、ただ実施するだけではなく、さらにステージアップして社会貢献ができるかが問われている」と、業務上の問題解決だけでなく、混雑緩和などの社会貢献として意義もあることを力説。また、直近の課題として2020年、夏の東京五輪での交通混雑の問題を取り上げ、積極的なテレワーク導入の必要性について語った。

今回、TDMテレワークをアプリの面から支援するのが、経路検索アプリ「駅すぱあと」と日本経済新聞社のシェアオフィス紹介サービス「OFFICE PASS」だ。両アプリは連携し「駅すぱあと」で経路検索を行うと「OFFICE PASS」に登録されている到着駅の近くのワークスペースへのリンクが表示されるようになる。詳細ページをクリックすることでワークスペースの設備と空き状況が確認できる。

  • 「駅すぱあと」で経路検索すると到着駅近くのワークスペースへのリンクが表示される

  • リンクをクリックすると「OFFICE PASS」のワークススペース詳細情報の閲覧と空き状況が確認できる

今回の連携について、ヴァル研究所の代表取締役 菊池宗史氏は、

同社の「駅すぱあと」が2020年の東京五輪に大きく影響を受けるとの予測を紹介。菊池氏によれば、「イベントに合わせて臨時便の増発などのトラブルが予想され、これに同社の社員が巻き込まれれば、常にリアルタイムの情報が必要となる同社のサービスにとって死活問題になる」とコメントした。

この問題に対して菊池氏は、テレワークを推進することで対応する予定だ。現段階から導入をすすめ来年には、問題なく運用できる体制を目指すそうだ。

  • ヴァル研究所 代表取締役 菊池宗史氏

その後、会見場では賛同企業23社の代表者がそれぞれ登壇し挨拶を行った。登壇した中でもアトラエの広報 南香菜絵氏は、今回の会見の趣旨に合わせて子連れで登壇。南さんによれば、アトラエでは子連れ出社やテレワークを回数や時間に制限なく、個人の裁量で自由に利用することができるとのこと。「同社のような柔軟な働き方がひとつの事例として世の中に広がっていければ」と語る。

TDMテレワークでは、小学校の夏休みに合わせて南さんのような子育てしながらのテレワークを行う環境の実証事件「子連れテレワーク」を7月23日に世田谷の「Cafe'tta 梅が丘」で実施する。これにより、子育て中の従業員にとってどのようなテレワーク環境が適切なのか検証を行う予定だという。

  • アトラエ 広報 南香菜絵氏

今回、「TDMテレワーク」に参加する賛同企業は次の23社。アクティオ、アステリア、あっと、アトラエ、ヴァル研究所、キーウェアソリューションズ、クロスコンパス、さくらインターネット、シックス・アパート、ジャパンスコープ、ストリートアカデミー、ツナグ・ソリューションズ、TRASTA、プレシャスパートナーズ、ボーダー、ホワイトプラス、mannaka、ユーグレナ、ラバブルマーケティンググループ、ラムリサーチ、リンクバル、ローカルワークス、Waris。