毎年夏恒例の「仮面ライダー」「スーパー戦隊」映画の最新作、『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』『騎士竜戦隊リュウソウジャーTHE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』の完成報告イベントが15日、六本木ヒルズアリーナ「テレ朝夏祭り」内で催された。
『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』(監督:田崎竜太※田崎監督の崎は立つ崎が正式表記)はテレビシリーズがいよいよ最終章に向かっている『仮面ライダージオウ』の初の単独劇場版。『仮面ライダークウガ』(2000年)から続いてきた"平成仮面ライダー"の20作目を記念して企画された『仮面ライダージオウ』の集大成にふさわしい、現在・過去・未来と時空をかけめぐるスリリングなストーリーが展開されている。未来世界で"サイテーサイアクの魔王"になる運命を聞かされた仮面ライダージオウ/常磐ソウゴだが、未来の運命を変えて"最高最善の魔王"になるべく、人々の幸せを守るため戦い続けている。今回の映画では、仮面ライダードライブの歴史を消滅の危機から救うため、ソウゴたちが1575年の戦国時代へタイムワープ。 戦国の世において"魔王"と恐れられた織田信長に遭遇することが、予告編映像から明らかとなっている。
『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』(監督:上堀内佳寿也)は、現在好評放送中のテレビシリーズ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の劇場版。6500万年前の恐竜時代から地球を守る使命を担っている古代人類"リュウソウ族"の末裔である5人の若者が、地球を襲う戦闘種族"ドルイドン"に立ち向かうというテレビシリーズの物語をさらにスケールアップした今回の映画は、なんとリュウソウジャーが自分たちのルーツである6500万年前へとタイムスリップし、地球を襲う超巨大隕石の脅威や、始祖マイナソーの襲撃に立ち向かうというストーリーである。
ステージには、『仮面ライダージオウ』『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の主要キャストと共に、『ジオウ』映画ゲストのクリス・ペプラー、前野朋哉、若林時英、斉藤秀翼、パパイヤ鈴木、そして『リュウソウジャー』映画ゲストの北原里英が登壇。両作品にまつわる裏話をまじえたトークを繰り広げた。
まずは『仮面ライダージオウ』チームの挨拶から。仮面ライダージオウ/常磐ソウゴ役の奥野壮は「みんなの"わが魔王"こと常磐ソウゴ役の奥野壮です。以前バレエをやっていた経験を活かして、ターンをして手裏剣をよけたりするアクションシーンに注目してほしい」と、この1年間で飛躍的に高まったトークスキルをうかがわせる流暢な言葉運びで映画の見どころを語った。
仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツを演じる押田岳は「ゲイツ的な見どころを言うと、予告編でも流れていた"ゲイツが甲冑を着て、いろいろなことをやっている"前半のシーンを見てほしい」と、戦国時代でのゲイツの活躍ぶりを力強くアピールした。
ツクヨミ役の大幡しえりは「今回の映画でツクヨミも戦国時代へ行き、着物姿になるシーンやアクションシーンがありますので、ぜひ観てください!」と、映画ならではのスペシャルなツクヨミの必見ポイントを明かした。
仮面ライダーウォズ/ウォズ役の渡邊圭祐は「仮面ライダージオウの"バンバ民"、ウォズ役の渡邊圭祐です」と、リュウソウブラック/バンバ役の岸田タツヤのファンを総称する"バンバ民"のフレーズを用いて岸田にエールを贈りながら挨拶。すると岸田から「ありがとうございます。"祝え!"」とウォズの決めゼリフを返され、「オレよりいい声! やられちゃいました(笑)」と言って笑顔を見せた。映画について「物語をウォズがごちゃごちゃさせに来ている」と語る渡邊は「僕らの"成長"を見届けてくだされば」と、『ジオウ』チームの1年間の経験が詰め込まれた集大成的作品ということを改めて強調した。
『仮面ライダードライブ』(2014年)で"ベルトさん"ことドライブドライバーに自分の意識をダウンロードした科学者クリム・スタインベルト博士を演じたクリス・ペプラーは、今回の『ジオウ』映画に出演するにあたり、周囲の反応は?と問われると「ヤバイっす。自分のTwitterに1万5000もの"いいね"を初めてもらいました」と興奮気味に、ひさびさの仮面ライダー映画への出演に大きな反響があったことを伝えた。そして「同じく今回の映画に出演する(仮面ライダーマッハ/詩島剛役の)稲葉友くんのTwitterには4万近く"いいね"がついていて、それを見て『チクショウ!』"と思った自分はちょっと"小さい"かな(笑)」と言ってウケを取りつつ「(クリムは)大好きな役ですので、楽しみながら演じました!」と語り、ファンからのあたたかい拍手に感謝する場面が見られた。
1971年に放送開始した第1作『仮面ライダー』から観ているファンだというクリスは、『ドライブ』出演をふりかえり、「キャラクター同士の"友情・絆"が深まるのと同じように、作り手たちも"ファミリー"のようになっていく。すばらしい経験をしました」と、スタッフ・キャスト同士の結束が高まり、質のよい作品を全員で作り上げていくことのすばらしさを改めて噛みしめていた。今回の映画については「僕はここにいるみなさんの中でもっとも顔が"濃い"と思いますが、映画ではかなり"うっすらと"出ていますので、ぜひ映画館で"観てくれたまえ!"」と、印象的な出演シーンを"ベルトさん"の名調子を交えてアピールした。
映画のゲストキャラクター・織田信長を演じた前野朋哉は、「2人の子どもと一緒に『ジオウ』と『リュウソウジャー』を観ていたので、今回の『ジオウ』映画のオファーをいただいたときはうれしさで舞い上がってしまった。妻からは『仕事なんだから、調子に乗るんじゃないよ。浮かれずマジメにやりなさい』と言われ、現場では興奮を押さえながら、ちゃんと仕事をしないと……と葛藤していました」と、大の仮面ライダーファンであるがゆえに、現場が楽しすぎて仕事を忘れそうだったと述懐した。すると奥野から「浮かれてましたよ(笑)」と絶妙の合いの手が入り、前野も笑いながら「いやあ、自慢になってしまうんですけれど、ソウゴくんとゲイツくんからライドウォッチの使い方を教わって、いい思い出になりました! ありがたかったです!」と満面の笑みを浮かべながらコメントした。
ちなみに今回のイベントで前野は、『仮面ライダーBLACK RX』(1988年)で倉田てつをが演じた佐原航空ヘリコプターパイロット・南光太郎の衣装を再現したものを着用して登場。"昭和"と"平成"をまたいで放送された『RX』は、現在33歳の前野にとって子ども時代にストライクのヒーローだったそうだ。ラガーシャツに白いブルゾン、指ぬきドライビンググローブでバッチリ決めた前野は、勢いで南光太郎の変身時の構えまで決めてみせ、『RX』を知るお父さん世代のファンから歓声を寄せられた。
信長に仕える家臣・牛三を演じる若林時英は「牛三のセリフには、必ず最後に"ござる"がつくんです。いかにも忍者っぽい"ござる"の言い方で、感情の起伏を表現しようと思いながら芝居をしていました」と牛三のキャラクターを際立たせるセリフについての工夫を明かした。アクションシーンについて「アクションはほぼ初めての経験で、ぜんぜんダメでしたが、カッコよくやりきりました」と謙遜気味に話すと、奥野から「ダメなんてことはなくて、すごくキレイなアクションでしたよ」とナイスな好評価が飛び出し、若林が照れるという場面があった。
歴史の管理者「クォーツァー」の一員で、仮面ライダーゾンジスに変身するカゲンを演じるパパイヤ鈴木は「僕もクリスさんと同じく『仮面ライダー』は1号のときから観ていました。ですから出演シーンは藤岡弘、さんのつもりでやりました。少し声もマネているかもしれません」と、仮面ライダー1号/本郷猛を演じた藤岡弘、のイメージをもってカゲン役に臨んだことを明かした。また「僕はいきなり登場するので、みなさんどうか笑わないようにしてください。僕自身ビックリするくらい、不自然なまでにいきなり出てきて、これって1人でも笑うと連鎖して劇場にいるみなさんが笑ってしまうかもしれないですから……」と、自身の登場シーンでシリアスな空気を壊してしまうことを恐れるコメントを発していた。
同じくクォーツァーの一員で、仮面ライダーザモナスに変身するジョウゲン役・斉藤秀翼は、かつて『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年)でキョウリュウブラック/イアン役で人気を博し、今また仮面ライダーに"変身"する役として登場。これについて斉藤は「戦隊ヒーローと仮面ライダー、どちらかひとつでもなかなか叶わないのに、まさか僕が両方とも演じさせてもらえるなんて思っていませんでした。僕の変身するザモナスは『仮面ライダーアマゾンズ』(2016年)をモチーフとしているのですが、そこでアマゾンアルファを演じている谷口賢志さんは『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(1999年)のゴーブルーでもあり、僕がその流れを受け継ぐことができるのは感慨深く、ありがたい」と、変身ヒーローを複数回演じるというレアな経験ができたことを喜ぶようすを見せた。
鈴木は『キョウリュウジャー』ではエンディングダンスの振り付けを担当しており、斉藤とそのとき接点があったのだが、番組で両者が出会ったのは撮影終了後の打ち上げの席だったという。本作で改めて"共演"している斉藤は「撮影の合間、いろいろとお話ができて楽しかった」感想を語り、鈴木は「ジョウゲンとカゲンは"対"の存在。タイプが違う2人の個性に注目して」とキャラクターの違いについて強調した。
続いて、『リュウソウジャー』チームがあいさつ。抜群の勇気と行動力で仲間を引っ張るリュウソウレッド/コウ役の一ノ瀬颯は、映画全体を表して「カッコいいが大渋滞! 映画ならではのスケール、音響、迫力のバトルシーンなど、どこをとっても最高です」と断言し、「注目ポイントは"限界突破"。6500万年前と現在を行き来する壮大なスケールの物語で、僕たちが何度も"限界"に直面し、それを乗り越えるたびに見せる新しい表情、新しい一面が見どころです」と、やや緊張気味ながらハツラツとした表情で映画の見どころを伝えた。
常に冷静で、理詰めで行動する慎重派のリュウソウブルー/メルトを演じる綱啓永は「6500万年前の世界には、恐竜がたくさん出てくるので、子どもたちはとても喜んでくれると思います。劇場版ならではの大迫力シーンがたくさんあります」とさわやかな笑顔をたたえながら語った。
いつも明るく、美味しいものを食べることが大好きというリュウソウピンク/アスナ役の尾碕真花は「最初から最後までカッコいいのが見どころ!」と元気いっぱいに映画をアピールした。
負けず嫌いの自信家で、兄・バンバを尊敬しているリュウソウグリーン/トワを演じる小原唯和は「恐竜のいる世界が、みなさんの想像以上に細かく描かれていると思います。草原を走り回り、ごはんを食べていたりする恐竜の姿を大きなスクリーンで楽しんで」と、映画でしか観られない恐竜ワールドの魅力を観てほしいと語った。
トワの頼もしい兄で、戦闘経験豊富なリュウソウブラック/バンバを演じる岸田タツヤは「"祝え"ファンの岸田タツヤです」と、先にエールをもらった渡邊圭祐にエールを返し、ひときわ"いい声"で「……祝え」とささやきながら挨拶。映画の見どころについては「きのう(6月14日)のオンエア(第17話)観てくださいましたか? あんな(バンバの印象的な)シーンが映画でもあるかもしれません」と、バンバ的注目ポイントを熱烈プッシュした。
テレビでは第14話から登場した海のリュウソウ族・リュウソウゴールド/カナロ役の兵頭功海は「さあ、俺との出会いにピリッと運命感じな!」とカナロの決めゼリフを披露しながら挨拶。映画については「5人が話してくれたように、ステキなところがいっぱいあるので、ぜひ劇場でご覧ください!」と、映画館の大きなスクリーンでリュウソウジャーの魅力を堪能してほしいと語った。
古生物学者の父を持ち、コウたちリュウソウジャーと友だちになった龍井ういを演じる金城茉奈は、ネット配信の「ういチャンネル」ポーズをキュートに決めながら挨拶。そして「映画にはみんなの熱い思いがたくさん詰まっています。夏の思い出になってくれれば」とニッコリ笑顔で話し、子どもたちの思い出に残る作品になりたいと願うコメントを残した。
6500万年前の恐竜時代で暮らしていたリュウソウ族の祖先・ヴァルマ(演:佐野史郎)の娘であるユノを演じる北原里英は、「リュウソウジャーのみなさんはそれぞれ一生懸命で可愛くて、撮影期間はすごく癒されました」と、ヒーローキャスト陣の印象を語った。佐野との共演については「佐野さんと父娘役をやるのが2回目で、今年に入ってからは実の父よりも長く会っている印象です。そんなこともあって、作品の中で語られる"親子の絆"が強く印象付けられていると思いますので、どなたにも満足していただけると思います」と、佐野との"父娘共演"を自然なかたちで見せられていると自信のほどをうかがわせた。
劇中では、バンバに"お姫様だっこ"をされるシーンがあるという北原だが「屈強なイメージのあるバンバさんですけれど、だっこされたときは終始"プルプル"と震えていらっしゃいました。もしかしたら重たかった?と罪悪感を覚えています」とお姫様だっこにまつわる裏話を明かすと、岸田が「確かに"プルプル"していましたが、それは緊張していたからです! 決して重かったわけではありません!」とこの場を使ってしっかりと弁明を果たし、会場全体があたたかな空気に包まれた。
今回の2作品では、いずれも"過去へのタイムスリップ"が物語の重要なポイントになっている。これにちなんで出演者全員に、「時空を超えて行ってみたいところは?」という質問に、フリップで回答するコーナーが始まった。
一ノ瀬は、大学入学の際に不備があったため苦労したことを受け、「2年前」に戻ってやり直すことができれば……と語った。
綱は、宇宙創成の瞬間「ビッグバン」と書き、すべての始まりがどんな風だったのか知りたいと語ったが、すかさず奥野から「(そんな時代のそんな場所に行ったら、ひとたまりもなく)死ぬよ!」と現実的なツッコミを入れられて慌てる一面を見せた。
尾碕は自由なイメージのある「縄文時代」を挙げ、好きなときに食べて好きな時に寝るという暮らしをしてみたいと笑顔で話した。
歴史が好きな小原は「奈良時代、トワなら戦国時代」と書き、奈良の大仏がどのように作られたかを見てみたいと語り、さらに「トワは戦いが好きなので、トワ将軍とバンバ将軍が天下を取れるかどうかに興味がある」と、トワの気持ちを汲みつつ自由に夢想していた。
岸田は「1992年」、金城は「平成8年」と、いずれも"自分が生まれた年"を挙げて、その当時、世間でどのような出来事があったのかを確かめてみたいという思いを語った。
兵頭は「100年後」と書いて「今でも科学技術がすごく発達していますが、100年後なら車が空を飛んだり、ロボットがどれだけ進歩しているかを一目見てみたい」と、空想に現実がどこまで追いつくのか、その進歩の果てを確かめたい発言をしていた。
北原は「恐竜がいた時代 も、行きたいけど 新選組に会いたい」と挙げ、『リュウソウジャー』映画にちなんだ答えと共に、以前「沖田総司」を演じた関係で、幕末の世界を覗いてみたいと話した。
奥野は『リュウソウジャー』の映画にちなんだかのように「白亜紀」と書き、「恐竜はやはりこの目で見てみたい」と、行ってみたい過去の筆頭として恐竜時代を選んだ。
押田は「昭和」と書いて「携帯電話のない時代、駅の掲示板を頼りに女の子と待ち合わせしてみたい」と、便利になった現代で失われた独特の"昭和文化"を実体験してみたいという気持ちを明かした。
大幡は「平安時代」を挙げて「次はぜひ十二単を着てみたい」と抱負を語り、今回の映画で着物姿になったことのうれしさを今一度思い返していた。
渡邊は「小学生」を挙げ、「どんなことを体験しても面白かった小学生のころに戻ってみたい!」と、ピュアな感性を保っていた少年時代の感情を今一度確かめてみたいことを明らかにし、「いま小学生の君たちは、なんでも今も楽しんだほうがいいよ」と、現在を生きる小学生のファンたちに、よりよい経験を多く積んでいけるようエールを贈る場面もあった。
若林は「戦国時代」を挙げて、その理由を「映画のため、忍者についていろいろ調べていたら、強く興味を持ってしまった。忍者の技や生活を教えてもらいたい」と、できるなら実際の忍者に聞いてみたいことがたくさんあることをうかがわせた。
斉藤は、『キョウリュウジャー』の撮影が始まった時期の「2012年の暮」に戻って、そのころ現場に来て振り付けを教えてくれなかった鈴木に「もっと現場に来てくださいとお願いしようかと」と、ダンスの直接指導を要望したいと書き、鈴木を苦笑させた。
鈴木は、映画の試写を観て「すごい面白かった! でも、僕やDA PUMPが出ているのに、"踊り"のシーンがないと気づいた」と話し、撮影開始日である「2019年5月7日」に戻って「ちょっとだけ踊っておきましょうよ」と言いつつ再度撮影に取り組みたいと語った。
クリスは「2119年」と書き、「もともとSF小説のファンで、未来にとても興味がある。100年後に、どこまで我々が自然と調和して未来社会を生きていくのか……。もしかしたら仮面ライダーで見られるような技術が実現しているかもしれない」と、100年先の科学技術が人々を幸せをもたらすことを楽しそうに夢想した。
前野は、「過去はどの時代も過酷そうだから」と前置きして「2200年」と書き、「未来なら戦争がなくなって平和になっているかもしれないですから!」と、クリスや兵頭と同じく、日々進歩発展していく科学技術が未来の人々を幸福にしていると信じる発言を残した。
最後にマイクを手にした一ノ瀬は「全身全霊で作り上げた自信作。すばらしい夏休みの思い出にしてください」と『リュウソウジャー』映画を子どもたちに熱烈アピールし、奥野もまた「キャスト、スタッフ全員が魂を込めて撮影した作品。自身をもってみなさまにお薦めできます!」と『ジオウ』映画に絶対の自信を持ち、2作品の大ヒット上映を願っていた。