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【この記事のエキスパート】
水辺の動植物専門ショップ「sensuous」代表:早坂 誠
東京渋谷の水草・観賞魚販売を中心とした店舗「sensuous」代表。
水草職人として、観賞魚業界を牽引するパイオニア的存在の一人。
独立後の2001年より水草を用いた作品を専門誌やインテリア誌に数多く発表しており、朝の連続テレビ小説「あまちゃん」に登場した海女カフェ水槽を始め多くのテレビ番組セットや企画展、各イベントなどでアクアリウム作品を手掛けている。
2016年6~7月にはEテレ「アクアリウムとテラリウム」の講師での出演、
2017年・18年では水草と観賞魚の企画展「グリーンアクアリウム展」でのディレクションを担当する。
都内専門学校(アクアリスト専攻)講師。観賞魚飼育管理士アドバンス・愛玩動物飼養管理士2級・ビオトープ計画管理士2級・ビオトープ施工管理士2級。著書「水草水槽のススメ」
アクアリウムには欠かせない水槽用ライト。美しく魅せるだけではなく、水草や魚たちの成長促進のためにも必要です。本記事では、専門家への取材をもとに、水槽ライトの選び方とおすすめ商品をご紹介!水槽用ライトの必要性、コケが生えすぎる時の対処法なども解説しています。
水槽用ライトの必要性
水槽で熱帯魚などを飼育する際、ライトは必要ないと考える方も多いでしょう。しかし、実は水槽ライトは下記の3つの点において、とても重要なアイテムなんです。
(1)生物の生活習慣に関わる
魚などの生物にも生活習慣があります。例えば、魚は昼行性で、明るい時に活動し、暗い時は動きません。そのため、ライトがないと薄暗い水槽になり、生活習慣が乱れて病気にかかりやすくなる危険もあります。
(2)魚の視力に関わる
魚はサメのように嗅覚が鋭くありません。そのため、エサを視覚で認識し、食べます。水槽内が暗いと、「エサをあげたのに食べない」といったことが起こりかねません。
(3)水質や水槽の見栄えに関わる
通常、水中の水草やコケなどは光で育ちますが、日光とライトで成長が大きく変わります。日光の場合、光量が安定せず、水草やコケが育ちすぎたり、劣化することもあります。逆にライトの場合、安定した光量を供給できるため、ほどよく育ち、水質も悪くなりにくく、見栄えもいいです。
上記のように、魚の健康や水槽内の水質や見栄えなどの要員があるため、水槽で魚を飼おうと考えている方は、ぜひライトを購入してください。
まずは光の基本知識を理解しよう
光は、鑑賞しやすくする以外にも、生きものの生育に関わる役割があります。それぞれの用途に合ったライトを選べるよう、光に関係する数値を理解しましょう。
色温度を示す「ケルビン(K)」
ケルビン(K)は、光の色を示す値です。水槽の透明度の印象に関わる数値で、生きものの育成に影響する数字ではないとされています。
水槽の照明には、透明度が増す7,000ケルビン以上が一般的になっており、魚や水草が美しく見えやすいです。また、7,000ケルビン以下ならやや黄みがかった色合いに、13,000ケルビン以上なら青みがかってみえます。
光の波長「ナノメートル(nm)」
ナノメートル(nm)は、電磁波の波の長さをあらわす単位です。波長によって光の色合いが異なりますが、この波長が生きものの光合成に深く影響するため、適切な数値のものを選んでください。
たとえば、水草の場合は、350~450nmもしくは600~700nm、サンゴなら、430~510nmか640~680nmで、光合成が行なえます。
光束をあらわす「ルーメン(lm)」
ルーメン(lm)は、光源であるライトから照射される、光量を示しており、数値が大きいほど、より明るくなります。ただ、ルーメンの値が高いものでも、ライトが照らす範囲が狭ければ、水槽内で明るい場所と暗い場所がでるため、注意して選んでください。
照射範囲が狭いライトは、サンゴなどのピンスポットとして使うと、影の部分とのメリハリが出るので、水槽全体を照らすライトとはまた違った雰囲気が楽しめます。
光量と関係する照度「ルクス(lx)」
ルクス(lx)は、ライトで照らされた場所に、光がどのくらいの量あたっているかを表しています。数値が大きいものほど、明るくみえるのが特徴です。
ルクスの値を測定するには、光源から何センチ離れているか、水槽に水が入っているかなど、こまかく条件を設定することになるため、複雑になります。そのため、単純にライトから出る光の量を示す「ルーメン」が用いられることが多いです。
演色性を表す「Ra(アールエー)」
「Ra(アールエー)」は演色性を表しており、100に近い数値ほど見え方が自然光の下で見たときの色に近いものとなります。
この3つの数字は目立つように書かれていることが多く、照明を選ぶ際の目安になります。
水槽用ライトの選び方
それでは、水槽用ライトの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
・使用目的
・ライトの種類
・設置方法
・ライトの構造やデザイン
・特別な機能
上記のポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【Step.1】使用目的を確認
膨大な数の照明から必要なものを選ぶには、使用目的を明確にすることが大切です。大きく分けて、「水草を育てるため」と「水や魚をクリアに見せるため」の2つについて解説いたします。
水草を育てたい方
水草を育てたい方には水草が成長するのに必要な光量(ルーメン値)や赤系の波長が強化されたものがよいでしょう。
水や魚をクリアに見せたい方
水をクリアに見せたい方は、K(ケルビン)の値が高い照明を選ぶのがポイント。青みがかった光が水の黄ばみを消してくれるため、透明感を演出できます。金魚をキレイに見せたい方はピンクの光が入った照明を使うと金魚の赤みが強調されて、より鮮やかに見せることができるでしょう。
グラスアクアリウムなど、小さな容器で水草を育てる際はスポットライトが使いやすくておすすめです。
【Step.2】ライトの種類を確認
ライトの種類によっても、波長や光量が変化します。飼育する生きものにあったタイプを選びましょう。
電気代を抑えられる「LED」
LEDライトは、電気代が抑えられることや、寿命が長いこと、水が温まりにくいのがメリットです。LED素子の種類が多く、さまざまな色の組み合わせができるため好みの明かりを選びやすいのも人気の一因。また、重量が軽めの商品が多く、扱いやすいのもうれしいポイントです。
水草に不向きとされていましたが、近年では水草の育成にも適した光を出すLEDが登場し、主流になりつつあります。ただし、用途別に作られているため、観賞魚用やとくに表記のない商品は水草育成には向きません。用途によって、適したLEDを選びましょう。
定番の「蛍光灯」
蛍光灯は、水槽用ライトとして長年利用されてきた照明で、商品数が多く、コスパもいいのが魅力です。赤色の波長がカバーされているものが多く、水草育成に適しています。主に3種類あるので、チェックしましょう。
▼グロースターター式
水槽用として一般的なタイプで、「FL」から始まる品番がついています。
▼インバーター式
消費電力が抑えられるのがメリットで、蛍光灯のなかでもとくに水草育成に向いています。「FHF」がつく品番を探しましょう。
▼ラビットスタート式
スイッチを入れるとすぐにライトがつくのが特徴で、品番は「FLR」からはじまります。
照明機器によって、対応する蛍光灯のタイプが異なるため、事前に確認してください。
ベテラン向けの「メタルハライドランプ」
メタルハライドランプは、野球場や車のハイビームに使われるほどの光量があります。ほかのタイプよりも水槽の下までしっかりと強い光が届き、水草の育成にも使用できる強さです。真下に光が強く落ちるため、大型水槽で背の低い水草を飼育するときも、しっかり光が届きます。
また、吊り下げタイプの商品が基本のため、水槽を掃除するときに照明を取りはずす手間がかからず、メンテナンスしやすいのが魅力。ただし、ランニングコストがかかるほか、熱を抑えるためにクーラー対策を行なう場合もあり、ベテラン向きのライトでしょう。
【Step.3】ライトの設置方法を確認
水槽用ライトには、水槽の上にそのまま載せるものから、自立するタイプ、水槽に挟むクリップタイプ、吊り下げるタイプなどがあります。
水槽の近くに設置するほど、より水槽内を明るく照らせる一方、メンテナンス時にはライトを取りはずさなければならないなどのデメリットも。明るさとメンテナンスの両方を考慮したうえで、使い勝手のいいものをみつけましょう。
【Step.4】ライトの構造やデザインも確認
水槽のうえにそのままおくタイプの場合は、水槽を掃除するときに別の場所に移動させることもあるため、できるだけ軽い商品を選ぶほうが、扱いやすいです。
また、水槽内のレイアウトを美しく整えても、照明を設置することで全体の雰囲気が損なわれてしまう場合もあります。明るさや使い勝手だけでなく、デザイン面が好みに合うかどうかも確認してください。
【Step.5】特別な機能を確認
リモコンで好みの光に変えられるものや、24時間の太陽光の変化を再現できるもの、タイマー内蔵で照明のON/OFFを自動切換えしてくれるものなど、照明本体が特別な機能をもった商品も出てきました。
これらの機能は水草の成長や魚の生活リズム、人の暮らしのリズムに合わせやすい親切な設計となっており、よりいっそうアクアリウムが楽しくなるでしょう。光の変化で産卵しやすくなる魚がいたりして、探求心がそそられます。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)