7月11日~8月4日(7月16日・23日・30日は休演)に東京・渋谷の東急シアターオーブで公演されるリンカーン・センターシアタープロダクション ミュージカル『王様と私』の囲み取材が10日、同所で行われ、渡辺謙が共演者のケリー・オハラ、演出のバートレット・シャーとともに登場した。
同舞台は『サウンド・オブ・ミュージック』で知られるリチャード・ロジャース(作曲)&オスカー・ハマースタインⅡ(作詞・脚本)の名匠コンビが手掛けたミュージカル黄金期の傑作。2015年にアメリカでリバイバル上演され、アンナ役のケリー・オハラが同年のトニー賞ミュージカル部門の最優秀主演女優賞を受賞、王様役の渡辺が日本人初の最優秀主演男優賞にノミネートされるなど、ブロードウェイで大きな話題を集めた。昨年は同じキャストでイギリス・ロンドンで公演。今回日本で行われる特別公演で、再び渡辺とケリー・オハラの競演が見られる。
ニューヨーク、ロンドンに続き、日本での公演となった渡辺は「日本で公演する時の僕の一番の条件は、ケリー・オハラを日本のお客さん見せて上げたい、というのが一番でした。まずそれが実現してうれしいです。ニューヨーク、ロンドで深めながら作ってきたカンパニーを日本のお客さんに届けられるということは、このカンパニーをケリーと2人で引っ張ってきた誇りのようなものを感じます」と自信。同舞台で渡辺と何度もステージで共演してきたケリー・オハラも「このミュージカルを渡辺さんの母国でやりたいと思っていました。渡辺さんとの仕事は、私の人生の中でベストなコラボだと思っています。彼の母国でできることは本当にうれしく思っていますし、皆様の期待に添えるように楽しみにしています」と笑顔を見せた。
前日には日本の芸能界を牽引してきたジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長がくも膜下出血のため死去。それについて問われた渡辺は「お会いしたこともないしお仕事もご一緒したことはありませんが」としつつ、「日本のエンターテイメントの中で、海外の空気をいち早く日本に輸入された方ですよね。ミュージカルや舞台など、エンターテイメントの作り方もそうだし、すごく革新的で時代を先取りするプロデュース能力があった方でした。お仕事やお話をしてみたかったなという思いはありました」とコメント。続けて「同じエンターテイメントにいる人間としてその意志を継ぎながら、色んな形で日本のエンターテイメントの底を上げていきたいなと思いますね」と意欲を見せ、「一時代を築いたという意味で、これからも人材を発掘できるように頑張っていただき、その意志を繋いでいただけたらと思います」と期待を寄せていた。