スマートフォンにスマートウォッチ、スマートスピーカーにスマートテレビ……。「スマート」を冠したデジタル製品は多数ありますが、最近そこに「スマートクロック」が加わりました。スマートという言葉は「賢い」や「多機能/高性能」といった意味合いを持たせるためのもので、明確な仕様を意味しませんが、現在展開されている製品を確認すると、いくつかの共通項が見えてきます。
スマートクロックと呼ばれる製品は、前述した意味合いでの「スマート」がクロック(置き時計/壁掛け時計)の形で実現されたという理解でよさそうです。Wi-Fiなどを通じてインターネットアクセスが可能で、GoogleアシスタントやAmazon Alexaなどの音声アシスタント機能を搭載し、内蔵のスピーカーで音楽を再生できるという点では、スマートスピーカー同様といえます。
異なる点としては、現在時刻の表示を主要な目的とした表示装置を備えていることです。Lenovoが発表した「Smart Clock」を例にすると、4インチ/800×480ピクセルのタッチ対応液晶ディスプレイを搭載し、時刻や天気などの情報を表示できます。スマートスピーカーは音声でしか情報を伝えられませんが、静止画/動画も情報伝達の手段として利用できるのです。
キングジムがスマートプログラムアラームと呼ぶ「リンクタイム(LT10)」も、現在時刻表示装置を備えGoogleアシスタントやAmazon Alexaなどの音声アシスタント機能に対応するという点で、スマートクロックに分類してよさそうです。音楽再生に適したスピーカーを搭載しないこともあり、ストリーミング再生には対応しませんが、声がアラームになるボイスメモ機能、遠隔地からのアラーム設定など、「スマート」な機能を備えています。
以上を踏まえると、情報伝達手段として聴覚と視覚に訴える機構を備え、音声やタッチでの操作に対応したインターネット接続可能な置き時計型デバイスがスマートクロック、ということができそうです。