レノボ・ジャパンは、キッチンや寝室での利用を考慮したスマートデバイスとして、「Lenovo Smart Clock」および「Lenovo Smart Display M10」を発表した。7月9日より予約受付を開始し、7月19日に発売する。
日本人は「課題解決型デバイス」が好き?
発表会にはレノボ・ジャパンのデビット・ベネット社長が登壇。ベネット社長によると、日本は他の先進国と比べてスマートデバイスの普及率が低い。この原因として同氏は、日本人は汎用性が高いデバイスよりも、たとえば「おいしいご飯が炊ける炊飯器」「料理を簡単に作れるオーブンレンジ」のように、課題解決型のデバイスを好むのではないかと分析した。
そこでレノボは、まだスマート化されていない分野の機器として「目覚まし時計」に着目し、シンプルで使いやすく、心地よい寝入りや目覚めをもたらすスマートクロックとして、Googleアシスタントを搭載した「Lenovo Smart Clock」を日本市場に投入することを発表した。同時に10.1インチでカメラ機能を搭載したスマートディスプレイ「Lenovo Smart Display M10」も発売する。
時計機能に特化したスマートディスプレイ=スマートクロック
Lenovo Smart Clockは、4インチの静電容量式タッチパネルディスプレイ(解像度はWVGA:800x480ドット)を搭載したスマートディスプレイデバイスだ。Googleアシスタントを搭載したスマートディスプレイとしては、6月に登場したGoogleの「Google Nest Hub」があるが、その4インチ版と考えてもらえれば良いだろう(逆に「Lenovo Smart Display M10」は、Google Nest Hubの10.1インチ版に相当する)。
ハードウェアは斜めに倒した四角錐に近い形状で、全体がグレーのファブリック(布)で覆われており、リビングなどに置かれていても目立たず落ち着いた風情だ。本体上部には音量の増減スイッチが1つずつ、背面にはUSBポート(Type A)とマイクミュートスイッチ、電源ポートが並ぶ。音量スイッチは形が「+」と「−」で指先で触っても違いがわかりやすく、物理的なスイッチになっているため、きちんと操作したことが体感できるのが好ましい。USBポートはスマートフォンなどの充電に利用するもので、筆者が計測したところ、5V・約0.4Aの出力だった。
「スマートクロック」というだけあって、ホーム画面は時計に特化しており、Google Nest Hubと比べると時刻が画面の大半を占めている。Googleアシスタントを搭載しているため、「OK、Google」からの音声コマンドによる操作が可能な点や、Google Play MusicやYoutube Music、各種音楽配信サービスの再生機能に対応する。一方、画面サイズが小さいことなどもあって、Youtubeの動画再生機能やGoogle Photoの写真表示機能は搭載していない。設定にはスマートフォンと「Google Home」アプリが必要な点や、音量や画面の明るさといった設定画面の操作も、基本的にGoogle Nest Hubと同様だ。
Smart Clock独自の点としては、振動センサーを搭載しているため、目覚まし時計として使う時は本体をポンと叩いて止めることができる。このあたりは、アナログの目覚まし時計のメタファーを利用したインターフェースと言えるだろう。
目覚ましとしての機能は、前述のように叩いて止められる機能のほか、アラームの時間に合わせて30分前から徐々に画面の明るさを上げていくことで自然に目覚めやすくしてくれる。さらに、Googleアシスタントの「ルーティーン」機能と組み合わせることで、スマート照明を点灯したり、電動カーテンを開ける、コーヒーメーカーの電源を入れる、といった機器との連動が可能だ。
価格は9,100円(税抜き)。ただし、先行予約期間中に予約した場合は2,000円のディスカウントが受けられる(ディスカウントの内容は販売店による)。Google Home miniが6,480円であることを考えると、+3,000円未満でディスプレイがついてスピーカーがアップグレードされるのはお得に感じられる。
直接のライバルとしてはAmazonのEcho Show 5(9,980円)があるが、こちらは値段がカメラを搭載してビデオチャットもできるなど、よりスマートディスプレイとしての色合いが強い。子供部屋などに置くのであれば、動画再生などの機能がない、Smart Clockのほうがより望ましいと感じられる。