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【この記事のエキスパート】
レコーディングエンジニア:小野寺 孝樹
1989年株式会社ゼロスタジオに入社。
アシスタントを経て、1992年チーフエンジニアに昇格。
その後、数々のレコーディングに携わる。
2001年ゼロスタジオを退社、フリーランスとなる。
以降、レコーディング・ミックスからプログラミングまで、またアイドルソングからプログレまでなんでもこなす便利な人として、活躍中。"
さまざまな機材や楽器の接続に使われる「シールド」。シールドは楽器や音響メーカー、ショップオリジナルなど多くの選択肢があります。本記事ではギターシールドの選び方とおすすめ商品を紹介します。長さや音域など、5つのチェックポイントを参考に、ぜひ自分にピッタリの商品を選んでください。
ギターシールドの選び方
それでは、ギターシールドの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つです。
【1】用途に合わせた長さ
【2】カールコードかどうか
【3】プラグの形状
【4】音域
【5】耐久性
上記の5つのポイントを押さえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】用途に合わせた長さをチェック
ギターシールドの長さは製品よって幅広く、使うシーンに合わせて選ぶことが必要です。そこで、どんなときにどれくらいの長さがあると使いやすいのか、用途ごとの長さの目安を紹介していきます。
▼練習用に使いやすい「3~5m」
自宅などで練習をしたいときには、3~5m程度のシールドを選ぶのがおすすめ。練習中は、歩いたり体を動かしたりすることがないため、シールドが短くても不便に感じることはないでしょう。
一方で、長すぎるとシールドが絡まりやすく使い勝手が悪くなってしまう場合もあります。アンプと練習場所の距離などを考え、扱いやすい長さを選びましょう。
▼ライブで演奏するなら「5~7m」
スタジオやライブハウスなど、実際に楽器を演奏する場面では、5~7mと長めのシールドがぴったりです。シールドが短すぎると演奏中に動いたときにケーブルが抜けてしまい、ダイナミックな表現がしづらくなってしまいます。
とくに、お客さんを入れてのライブは盛り上がりによって、演奏中の動きが激しくなりやすいため、余裕のあるサイズを選ぶようにしましょう。
▼エフェクターを連結するなら「10cm」を目安に
演奏に使うエフェクター同士を連結する場合には、10cm程度の短いシールドを選びましょう。このサイズのシールドは「パッチケーブル」と呼ばれており、コンパクトにエフェクターを連結させられます。
また、パッチケーブルの長さを統一しておくと、足元のばらつきがなくなります。3つ以上を連結させるときは、なるべく同じ長さのシールドを選びましょう。
(★)ポイント:演奏に必要な長さ+1mを目安に
【エキスパートのコメント】
シールドを変えることでサウンドは確実に変わります。ギターの元音よりよくなることはありません。シールドによる信号の損失はどんな高性能のものでもありますので、それがどの程度か、またどの帯域にあるのかということで、シールドによる色づけの特徴が出てきます。
また、シールドの全長が長くなれば長くなるほど、そのシールドの性格は強くでてきます。演奏性も踏まえたうえで、最適な長さのものを選ぶようにしてください。目安は、演奏に必要な長さ+1mくらいです。
【2】カールコードかどうかチェック
ギターシールドの形状のデザインのひとつに「カールコード」があります。カールコードは、コード部分がバネのように巻かれたデザインで、自在に伸縮するようになっているので、幅広い用途で使いやすい長さに仕上がっています。
さらに、ケーブルが絡まりづらいので、演奏後の片付けも手軽になるのも魅力。ステージ上での見栄えもよく、使い勝手のよいコードです。
【3】プラグの形状をチェック
シールドの形状には「ストレート」と「L型」があります。サイドにプラグのついているレスポールやテレキャスターの場合、ストレートでももちろん使えますが、どうしても取りまわしが悪くなってしまうため、接触不良を防ぐためにもL型の方が適しています。
逆にストラスキャスターなどは、ストレートでないと使えません。また、通常ギター用のシールドはTSフォーンプラグを使っていますが、インサーションケーブルなどはTRSフォーンプラグのものがあります。TSとTRSを間違えて使うと接続機器の故障につながりますので、充分な注意が必要です。
【4】音域をチェック
ギターシールドは、低音域が得意なものや高音域が強調されるものなど、商品によってさまざまな種類があります。そこで、自分の演奏スタイルに合う音域のシールドを選ぶようにしましょう。
また、自宅用やスタジオ用など、場所によってシールドを使い分けるときには、なるべく同じタイプケーブルを選ぶのがおすすめ。ケーブルによる音の違いが出にくくなり、自分の演奏を追求しやすくなります。
(★)ポイント:はじめはフラットな音質のものから選ぼう
【エキスパートのコメント】
もしもいま、ギターを買ったときにおまけについてきたような安いシールドを使っているのであれば、これから紹介するようなシールドに交換してみてください。よくも悪くもかなり音が変わって聞こえるはずです。そのとき、なるべくならフラットな音のものを選ぶほうがよいでしょう。
例えば、『CANARE(カナレ)』や『MOGAMI(モガミ)』といったメーカーがおすすめです。音に色づけの少ないものを選び、それを基準にすることで、その後のシールド選びや音作りがスムーズに進みます。
【5】耐久性をチェック
ギターシールドは消耗品ですが、頻繁に購入し直すのは大きな負担になってしまいます。そのため、少しでも長くギターシールドを使いたい人は、使用している素材や太さをチェックして耐久性の高いケーブルを手に入れましょう。
さらに、使うシーンによって使うシールドを変えるのも、シールドを長持ちさせるポイントのひとつ。ひとつのシールドに負担が集中しないことで、劣化スピードをおさえられます。
(★)ポイント:ケーブルのかたさもチェック!
シールドの使いやすさを決める意外なポイントが、ケーブルのかたさです。ケーブルがかたいほど耐久性が高いのですが、ケーブルを曲げづらいため持ち歩きづらく感じてしまいます。
反対に、やわらかいケーブルだと収納性や演奏中の扱いはかんたんですが、断線などのリスクがあります。それぞれのメリットやデメリットなどをふまえて、自分のスタイルに合うかたさのケーブルを見つけましょう。
エキスパートのアドバイス
【エキスパートのコメント】
お好みがなければ、自作もひとつの手
たとえばCANAREのシールドには同社のF-15というプラグが使用されていますが、純正ではストレート仕様のものしか販売されていません。
L型のシールドが必要な場合は、自作をするという選択肢もあります。はんだ付けが必要なのでハードルが高いと思われがちですが、意外とカンタンにできるうえ、コストも安く付きますのでおすすめです。