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【この記事のエキスパート】
株式会社エムズファクトリー 代表取締役:松田 裕美

株式会社エムズファクトリー 代表取締役:松田 裕美

クラフトバンド専門店株式会社エムズファクトリーの代表と、一般社団法人クラフトバンドエコロジー協会(文科省認可団体)の代表理事を務める。

著書30冊。近年は、執筆活動のほかに美術館での作品展や、新商品の開発などを手掛ける。2018年は、テレビ取材10社。雑誌取材5社。被災地の就業支援にも力を注いでいる。


刺繍糸は繊細なフランス刺繍やクロスステッチ、名前の刺繍などにも使える糸です。この記事では、オリムパスやDMCなど、ミサンガやアクセサリー、あみぐるみ作りにおすすめの刺繍糸の選び方と各メーカーのおすすめ商品を紹介しています。

刺繍糸の選び方

ここでは刺繍糸の選び方を詳しく解説していきます。色数や耐久性をよくチェックすることが大切です。ぜひ刺繍糸選びの参考にしてください。

一般的な刺繍をする場合は「25番糸」

刺繡糸の種類は「番手」で判断します。その糸が細いものほど数字が大きく、太いものほど数字が小さいという表記です。25番の刺繍糸は、手芸店だけでなく100円均一ショップでも取り扱われるメジャーなサイズです。

6本程度で1束のセットで販売されることが多く、ツヤや質感、カラーバリエーションが豊富で選択肢が多いのが特徴。布に合わせて2本どりや3本どりで行うクロスステッチは問題ありませんが、クロスステッチの塗りつぶしのように多めの本数で使う時は購入する本数に注意しましょう。

アクセサリー作りは光沢のあるものを

出典:Amazon

刺繍糸の使い道は刺繍だけではありません。タッセルのデザインのピアスやペンダント、ミサンガを作ることもできます。アクセサリーには、25番の刺繍糸を使うことが多いです。

アクセサリーを作るときは、光沢のある刺繍糸を使うとよいでしょう。華やかなイメージに仕上がります。また、どんな願いを込めたいかによってミサンガオススメの色が変わってきます。勝負事を控えているときは赤、恋愛運ならピンクなど願いに色を選びましょう。

刺繍糸の色数と発色のよさで選ぶ

出典:楽天市場

刺繍糸の配色は、刺繍をする布や用途に合わせるのが重要です。子ども向けの刺繍であれば、原色がおすすめです。フェルトに刺したり小物に使ったりすることが多く、かわいらしく仕上がります。昔と違って今の刺繍糸は色落ちや色あせもしにくくなっているので、真っ白なものにも気にせずお使いいただけます。

上級者になってくると、グラデーション系の需要も高まってくるので、色数の多さはとても重要になってきます。刺繍の仕上がりの幅が広がるよう、あえて色むらのある染色をしているメーカーもあります。刺繍糸の発色や色の幅はメーカーによって異なるので、ぴったりのものを選びましょう。

色落ち・色あせしにくいものを選ぼう

出典:Amazon

ハンカチなど、ふだん使う日用品に刺繍をしたいときには、色落ちや色あせのしない耐久性の高いものを選びましょう。色落ちがしやすいものだと、洗濯のたびに色落ちしたり、ほかの洗濯物に色移りしてしまったりすることがあります。また、天日干しによっても色は落ちてしまいます。

できるだけ長く発色を楽しむために、色落ちのしにくいものが向いています。

糸の使いやすさと強度もチェックする

出典:Amazon

刺繍糸は素材によって手触りなどに違いがあります。やわらかい糸は扱いやすいですが、ほつれたり毛羽立ったりしてしまうことも。ポリエステルのように強度のある糸は、縫いにくさやごわつきが出てしまいます。

ステッチ作品として飾るのであればレーヨンのように柔らかい刺繍糸、触れることの多い日用品には強度のある糸がよいかもしれません。場合によっては、毛糸などの別の手芸糸を使っても楽しそうですね。

ミシンで使う場合はミシン用刺繍糸を

ミシンで刺繍をする場合、たとえばコンピューターミシンをもっている方やフリーハンドでミシン刺繍をする方、キルティングにステッチをいれる方はミシン専用の刺繍糸が必要になります。

ミシンで使う刺繍糸は、ほかのミシン糸と同じように糸巻きに巻いた状態で販売されています。ミシン糸色の選び方で悩んだら、複数色セットになった商品を選ぶとよいでしょう。

人気のメーカーから選ぶ

刺繍糸を取り扱っているメーカーはいくつかあります。メーカーによって刺繍糸の特徴が異なりますので、それぞれチェックしておきましょう。

DMC(ディー・エム・シー)

出典:Amazon

DMCは1746年にフランスでスタートしたブランドです。伝統を守りながらも新しい技術を取り入れたこだわりの刺繍糸を生み出しています。選び抜かれたエジプトコットンを使用した刺繍糸は、しなやかなで鮮やかな発色と色あせや色落ちしにくいのが特徴。

世界中のデザイナーやスタイリストに選ばれている刺繍糸です。

Olympus(オリムパス)

出典:楽天市場

1908年創業のオリムパス製絲は、国産刺繍糸や手芸キットを取り扱うメーカーです。原材料選びから製造にいたるまでを自社工場で一貫して行っています。発色のよさが特徴で、ビビットカラーの取り扱いを得意としています。

色数が多く、はっきりとした色がそろっているので、写真映えする作品づくりにぴったり。やや細めの糸で、ハリのある扱いやすい刺繍糸です。

COSMO/コスモ (LECIEN)

出典:Amazon

ルシアンはワコールホールディングスの企業。淡いパステルカラーの刺繍糸が豊富にそろっていて、光沢は控えめな印象。やわらかでやさしいイメージの作品づくりにぴったりなラインナップとなっています。

ラメ入り刺繍糸やグラデーションカラーの刺繍糸など、ユニークな製品づくりにも定評があります。HPにはクロスステッチ図案や作品例も紹介されています。

【エキスパートのコメント】

先割れがしにくいものは作業効率がよくなるので、結構重要なポイントです。強度については、どこのメーカーも甲乙つけがたいですが、とりわけDMC(ディー・エム・シー)やオリムパス、コスモ(ルシアン)に関してはどれも手芸店においてあることが多いメーカーで、ネットでも入手可能です。

この3社は国内でも一番メジャーな部類の刺繍糸メーカーだと思います。とくにルシアンには、「にしきいと」という、京都の和装に使われていた金糸の技法を活かして、ていねいに作り上げられた日本製の手刺繍糸があります。こちらは光沢感の違う二種類の糸があり、日本製にこだわりのある方にはおすすめです。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)