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【この記事のエキスパート】
フードスタイリスト・料理家:江口 恵子

フードスタイリスト・料理家:江口 恵子

ナチュラルフード&スイーツカフェ ORIDO吉祥寺オーナー。

雑誌、広告、WEBサイトなどで、素材感、空気感のあるスタイリングと実生活に根付いた提案が人気。

講演会、料理教室、ケータリング、カフェとあらゆるシチュエーションで野菜たっぷりのおいしくて体に優しい料理を伝えるべく活動中。


この記事では、鍋やみそ汁を作るときに重宝するだしパック・顆粒だしの選び方とおすすめ商品を紹介します。かつおだしやあごだし、野菜だしなど、用途に合わせて選ぶのが大切。スーパーなどで販売されている市販品を中心に、無添加タイプやコスパのいい商品などを厳選しました。

使い方や素材に注目
「だしパック」と「顆粒だし」の特徴

スーパーなどでよく見かけるだしの種類は、ほとんどが「だしパック」か「顆粒だし」です。それぞれ特徴が異なるので、まずは違いをおさえておきましょう!

フードスタイリストの江口恵子さんに、だしパック・顆粒だしの特徴を教えてもらいました。

だしパック|素材本来の味を楽しめる

出典:Amazon

【エキスパートのコメント】

ティーバッグ状で、粉末が1回分ずつ小分けになっている「だしパック」。中身は、かつお節などの素材を細かく粉末状にしたものなどが入っています。調味料以外の素材は無添加のものが多く、素材そのものの味を生かせるので、本格的なだしをカンタンに取ることができます。

また、うまみのもとになる素材がたっぷり使われているので、そのまま料理の素材としても使えるのがうれしいところ。ご飯と混ぜておにぎりに、野菜と和えて浅漬け風に、そのほかチャーハンや焼きうどん、焼きそば、卵焼きなどにも使えます。

顆粒だし|手軽に使える

出典:Amazon

【エキスパートのコメント】

「顆粒だし」は、素材由来のだし成分を加工して作られたもの。顆粒は水分にサッと溶けるため、煮出す手間や鍋からだしパックを取り出す手間がいりません。

こだわる部分や用途に合わせて選ぼう
だしパック・顆粒だしの選び方

だしパックと顆粒だしのどちらを選ぶべきか、迷ってしまうことも多いでしょう。そこで、だしパックと顆粒だしを選ぶときのポイントを解説します。

だしの味を重視するなら「だしパック」

だしパックは、手軽なのに素材の味がしっかり楽しめる点が魅力です。ここでは、だしパックのメリットやデメリットをチェックしましょう。

本格的なだし料理がかんたんに作れる

出典:Amazon

だしパックには、だしをとるために必要な素材が、1回分ずつ入れられています。そのため、材料を別々に準備したり計ったりする手間がかからないのが大きなメリットです。

パックごとお湯に入れるだけですが、鰹や昆布などを使った、味わい深いだしが楽しめます。一方で、自分でだしをとるときのように、細かな味の調整がしにくいのがデメリットといえるでしょう。

いろいろためして好みの味を見つけよう

出典:Amazon

ひと口にだしパックといっても、メーカーや使われている原材料によって、さまざまな味わいの商品があります。味の好みは人それぞれなので、なかには自分に合わないと感じるものがあるかもしれません。

そのため、実際に使っているユーザーの口コミなどを参考にしながら、いろんな商品を試して、好きな味のものを探してみましょう。

時短したいときは「顆粒だし」

粉末状の顆粒だしは、時間を節約したいときに便利な商品です。ここでは、顆粒だしの特徴や選び方をみていきましょう。

忙しいときのスピード調理に

出典:Amazon

顆粒だしはインスタントタイプなので、お湯に溶くだけでだしが完成する手軽さが大きな魅力です。忙しい朝の時間帯でも、お味噌汁などのだしを使うメニューがサッと作れて、重宝します。

また粉末状になっているため、野菜炒めやチャーハンなどの炒め料理にふりかけて、味つけすることも可能です。煮もの・汁もの・炒めものなど、幅広い料理に使えるのも、顆粒だしのメリットでしょう。

大容量、スティック、瓶入りなど
顆粒だしは使い勝手とコスパのよさを考えて

出典:Amazon

だしを取って使うだしパックではなく、入れるだけで手軽に使える顆粒だしは、用途と頻度によっては、使い勝手とコスパがよくなります。

頻繁(ひんぱん)に使うなら量もたくさん入っていてお得な大容量タイプのものを、少しずつ使うなら小分けになっているスティックタイプのものを、さまざまな用途で使うため、量を調節しながら使いたいなら瓶入りタイプのものを選ぶとよいでしょう。

使用する機会が少ないなら酸化しにくいものを

【エキスパートのコメント】

かつお節や煮干しなどは酸化が早いため、お料理をする機会が少ないなどだしをあまり使わない方は、香りや味わいをより楽しむためにも、酸化しにくい個包装タイプや顆粒だしを使うことをおすすめします。せっかくのおいしそうな香りや味わいが、酸化することで風味が変化してしまうので注意が必要です。

パッケージをチェック
塩味が気になるなら食塩無添加を選ぼう!

出典:Amazon

だしパックや顆粒だしを選ぶときにチェックしておきたいのが、含まれている塩分量です。だし素材のほかに、食塩が加えられている商品も多いため、知らないうちに塩分を摂りすぎていた、ということにもなりかねません。

パッケージの裏面に栄養成分表が記載されているため、塩分が気になる方は「食塩無添加」と書かれたものを選ぶとよいでしょう。

昆布、かつお、しいたけなど
使用している素材と料理との相性を考えて選ぶ

だしパック、顆粒だしともにだしの素になる素材が異なります。それぞれの素材によってだしの風味や特徴が異なるため、だしを使う料理との相性を考えてだしの素材を選びましょう。ここでは、それぞれのだしの素材の特徴と、どんな料理に向いているのかを紹介していきます。

かつおだし

出典:Amazon

いろいろな料理に使える万能的な存在のかつおだし。香りとうまみのバランスがよいのが特徴です。

薄くけずったかつお節、花かつおの原料となるかつお荒節(あらぶし)は、かつおをボイルしたあと熱と煙で焙乾(ばいかん)するため、強い香りとうまみが出ます。かつお荒節の表面を削り取り、カビ付けをしたかつお枯節(かれぶし)は、まろやかさとさわやかなコクが特徴です。

うどんやそばのつゆ、すまし汁やお吸い物など香りを楽しめる料理に向いています。

昆布だし

出典:Amazon

昆布だしは、干し昆布を素材にして作られています。

干し昆布は羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布、真昆布などがありますが、最高級で料亭などにも使われる「羅臼昆布」、「真昆布」、高級感と上品な味わいが特徴の「利尻昆布」、すっきりとした味わいと手にしやすい価格の「日高昆布」と特徴が分かれています。

昆布だしは料理にコクが出せるため、隠し味のように使うとよいでしょう。おでんや煮物、炊き込みご飯などに向いています。

あご(とびうお)だし

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トビウオを焼いて乾燥させたものや、あご煮干しを素材として使うのが、あごだしです。

あごだしは、あっさりながらコクのあるだしが特徴で、魚介系ラーメンのスープにも多く使われています。また、上品な味わいなのでだしのなかでは高級品として位置づけられています。

ラーメンスープや、おでん・そば・うどんなど、汁気の多い料理のだしとしてぴったりです。

いりこだし

出典:楽天市場

いりことは、イワシ類の煮干しのことで、カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシの3種類を使ったものが、主流になっています。

なかでも、カタクチイワシのいりこだしは、濃厚なコクと旨みが詰まった味わいが特徴で、良質な素材として親しまれてきました。

味噌汁にぴったりなほか、うどん・ラーメンだしや煮物に使えば、風味豊かに仕上がるでしょう。

しいたけだし

出典:Amazon

干ししいたけを素材にしただしで、しいたけ独特の風味や香りが楽しめます。手軽な価格で手に入る香信(こうしん)と、高級感のある冬菇(どんこ)、ちょうど価格とうまみのバランスの取れた香菇(こうこ)の、3種類がメインです。

肉・魚を使えない精進料理にかかせないだし素材で、野菜の煮物などに使うと、食べ応えのある味わいに。また、昆布・かつおといったほかのだし素材と合わせれば、さらに旨みが増すでしょう。

万能だし

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複数のだし素材をミックスしたものが、万能だしです。昆布・かつお・いりこ・しいたけなどが、バランスよく含まれていて、味噌汁や煮物などにぴったりの、本格的な和風だしが作れます。

一見、同じような原材料が使われていても、それぞれの配合比率によって味が変化するため、色んな商品を試しながら、好みの味をみつけましょう。

鶏ガラだし

出典:Amazon

化学調味料無添加の鶏ガラスープをベースに、野菜などのエキスをバランスよく入れた顆粒だしです。

鶏ガラ(鶏の骨)を鍋にかけ、じっくりと煮出したものが鶏ガラだしです。鶏のうまみが溶けだしているため、だしに塩を足すだけでスープとして味わえます。

いろいろな具材をいれたスープをはじめ、チャーハン・チキンライス・鍋料理などと、相性ばっちり。豆板醤など、中華の調味料と合わせるのもよいでしょう。顆粒タイプが基本で、瓶いりと袋いりがあります。

野菜だし

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国産野菜5種類から作られた野菜だしのだしパック。玉ねぎの甘さがベースになっています。どんな料理にも使いやすい、化学調味料無添加のやさしい味わいです。

玉ねぎや人参などから作った野菜だしは、野菜の甘み・コクを感じるさっぱりとした軽い味わいが特徴です。顆粒タイプなら、お湯に溶かすだけでコンソメスープが作れるほか、野菜を使ったパスタにもぴったり。

炒めものの味つけや肉の下味に使えば、野菜だしのコクがプラスされます。リゾットや煮込み料理など、幅広い洋食メニューに適しているでしょう。

また、野菜オンリーでもうまみがしっかりと加わるので、減塩中で塩分の摂取量を減らしたい方にもぴったり。美容と健康に気を使う方には野菜だしタイプがおすすめです。

フードスタイリストからアドバイス
初心者は味のバランスがよいものがおすすめ

出典:Amazon

【エキスパートのコメント】

だしの味を決めるかつお節などの素材だけで作られた商品は、素材そのものの味や風味が引き立つので、品よく本格的な味に仕上がりますが、塩や醤油(しょうゆ)、みりんなどの調味料を加えて味つけをしなければなりません。

短時間で料理を作りたい場合や料理が得意でない方、初心者の方は、素材に塩や粉末醤油、砂糖などの調味料がブレンドされたものを選べば味つけはかんたんです。もの足りないと思うときは、塩や醤油、甘みをちょっと足せば味がまとまっておいしく仕上がります。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)