名古屋市のリニア・鉄道館にて、7月3日から「プラレール」発売60周年を記念した「プラレールの世界」が開催されている。さまざまな展示や体験を通じ、「プラレール」の新たな魅力を再発見できる内容となった。
同館1階のエントランスに行くと、大きな「ウェルカムプラレールタワー」が目に飛び込んでくる。サイズは高さ2.5m(机の高さも含む)、幅3.6mにもなり、見る者を圧倒する。東海道新幹線で活躍する車両などがこのタワーを走り回る中、「プラレール」オリジナル車両「レッドフライナー」の姿もあった。タワーの制作にはそれなりの時間を要したとのことで、一般家庭で再現するのは難しいだろう。
新幹線車両が並ぶイベント広場にはジオラマフォトスポットが設けられている。歴代の東海道新幹線の車両と「レッドフライナー」が展示され、フォトスポットから屈んで撮影すると、実車と「プラレール」のコラボレーションが楽しめる。ジオラマフォトスポットの近くに3Dアートフォトスポットがあり、N700系と「レッドフライナー」を背景に撮影すると、まるで「プラレール」の世界に迷い込んだような写真ができる。
さて、今回の「プラレールの世界」における最大の目玉といえば、2階キッズコーナーにある「レッドフライナー」の世界ではないだろうか。
「レッドフライナー」は「プラレール」60周年を機に設立された「プラレール鉄道株式会社」の代表列車。車体は都市と空港を結ぶエアポートラインとしてエネルギッシュな印象を与える「スペシャルレッド」を採用した。車内は空への旅を意識したブルーを多用している。最高速度は京成「スカイライナー」と同じ160km/h。「レッドフライナー」の制作にあたり、こどもたちに人気の京成「スカイライナー」や南海「ラピート」を意識したという。紹介パネルの近くには、「レッドフライナー」の「プラレール」が走っている。パネルの写真と「プラレール」を見比べると面白いだろう。
2階の収蔵展示室では、JR東海と「プラレール」を製造しているタカラトミーとの関わりが紹介されている。JR東海は「プラレール」を使って運転士の訓練を行っているという。全体を見渡せ、車両を目で見て手で動かすことができる「プラレール」は、鉄道の訓練にもうってつけのようだ。
「プラレール」で遊んだことのある大人なら、2階センターデッキにある「歴代のプラレール展」も見逃せない。ここにはJR東海管内で活躍した車両を中心に、歴代の「プラレール」製品が展示されている。中には1979年発売の「ライト付きひかり号」や、ファンクラブ限定商品「銀ピカ300系のぞみ号」といった希少な製品も。「歴代のプラレール展」で展示された車両の多くは入手困難とのことだ。
このように、「プラレールの世界」は「プラレール」をいつもと違った視点から楽しめる企画となっている。「プラレール」で遊んでいるこどもたちやその家族はもちろん、大人も童心に返った気分で楽しめることだろう。
「プラレール」60周年記念展「プラレールの世界」は9月2日までの開催。なお、ジオラマフォトスポットは7月3~26日および8月26日から9月2日までとなっている。