キングジムは7月3日、対話型翻訳機「ワールドスピーク」を発表しました。世界72言語の翻訳が可能で、公共施設や宿泊施設の受付などでの利用を想定しています。発売日は7月19日で、想定価格は2台1セットで税別148,000円。

  • 対話型翻訳機「ワールドスピーク(HYK100)」。写真はホテルのフロントを想定したデモンストレーション

ワールドスピークは、8インチ、1,280×800ドット、タッチ入力対応のディスプレイと、2つの大きめのボタンを備えたタブレット風の本体で、2台1組でペアリングして使用します。利用時はWi-Fi環境が必要になります。

最初の画面には、日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語で「このデバイスが対話型翻訳機であること」が表示されています。利用者が画面にタッチすると、72言語から自分の母国語が選べます。

選択画面では、使用頻度の高い言語ほど上位に切り替え表示されるので、その施設や店舗によく訪れる国の人ほど使いやすくなっていくわけです。72言語の内訳はキングジムのWebサイトに掲示されています。

  • 言語の選択画面では1画面に12言語ずつ切り替え表示されます。よく使われる言語ほど上位に表示されます

あとは左右のどちらかのボタンを押しながら画面に向かって話しかけ、ボタンを放すだけ。これで対面のもう一台のワールドスピークに翻訳が表示され、同時に翻訳の読み上げが行われます。翻訳にはGoogleやマイクロソフト、バイドゥなど、複数の翻訳エンジンを利用して、より精度の高い翻訳結果が出せるように工夫しているそうです。

自分が操作している画面は、ユーザーインタフェースを含めて自分のネイティブの言語のみで表示されるので、自分が話した内容が間違って音声認識されていないかも確認できる仕組みです。

マイクはノイズキャンセリング機能を備え、周囲が多少ざわつく環境でもできるだけ正しく音声認識できるよう配慮しています。ちなみに外部マイク入力端子も備えているので、高性能なマイクを用意することで音声認識の精度を高めることも可能になっています。

  • お客側もフロント側も自分のネイティブの言語でのみ表示されます。自分が話した内容が間違って音声認識されていないかも確認できます

約15万円のイニシャルコストは、気軽な導入にはためらいも覚えるところ。ですが、本体の購入費用以外のコストはかからないため(月額費用や更新費用はなし)、ランニングコストに優れているといえます。故障対応など保証は1年ですが、ファームウェアのアップデートは本製品を取り扱う間は永続的に行っていくとのことです。

本体にはバッテリーを内蔵。約3.5時間の充電で、約5時間の連続動作が可能です。待受は約20時間です。これは例えば、ホテルのフロントで道順などを聞かれたとき、玄関の外まで持っていって説明するといった用途を想定しての仕様。モバイル利用を推奨しているわけではないそうです。

翻訳に使った音声とテキストは、保存が可能。テキストのみ、音声のみ、テキストと音声、保存しないの4つから選択でき、保存形式は「.txt」と「.mp3」。パソコンとUSBケーブルでつないだときに、「hyk100」フォルダーに保存されます。

本体サイズはW202×D80×H170mm、重量は680g(1台)。メモリは16GBを搭載。主なインタフェースはLAN端子、USB2.0(microB)端子、外部スピーカー出力端子、外部マイク入力端子となっています。

  • ワールドスピークの本体右側面。左からスピーカー、電源ボタン、音量ボタン

  • ワールドスピークの本体左側面。こちらはスピーカーのみです

  • ワールドスピークの本体背面。左からノイズリダクションマイク、10BASE-T/100BASE-TX端子、外部マイク入力端子、外部スピーカー出力端子、USB2.0(microB)端子、AC電源