東京メトロは7月5日に丸ノ内線のダイヤ改正を行い、ホーム延伸工事を終えた方南町駅から新宿・池袋方面へ6両編成の直通列車が運行を開始する。これに先立ち、7月4日に方南町駅で6両編成列車開通記念式典が開催された。

  • ダイヤ改正前日に方南町駅で6両編成列車開通記念式典を開催(写真:マイナビニュース)

    方南町駅2番線に6両編成の2000系が入線。ダイヤ改正前日に6両編成列車開通記念式典を開催

丸ノ内線分岐線(中野坂上~方南町間)の終点となる方南町駅では、1962(昭和37)年の開業以来、ホーム延長110mで3両編成列車のみ運行されてきたが、ホーム延伸工事によって26m延伸され、6両編成列車の発着が可能となった。

6両編成列車開通記念式典では、方南町駅2番線ホームに6両編成の新型車両2000系が入線。東京メトロ常務取締役鉄道本部長の野焼計史氏が挨拶し、「方南町駅は支線として建設した経緯もあり、開業時より3両編成しか入ることができず、お客様には中野坂上駅での乗換えなど、長年ご不便をおかけしてきました」「方南町駅のホーム延伸工事が完了し、7月5日のダイヤ改正で平日68本・土休日43本の6両編成列車が池袋方面へ直通運転を行います。同時に運行本数の見直しを行い、3両編成列車も含め、平日36本・土休日19本の列車を増発することで、利便性が大幅に向上します」と述べた。

  • 方南町駅の6両編成列車開通記念式典で東京メトロ常務取締役鉄道本部長の野焼計史氏が挨拶。花束贈呈とテープカットも行われた

方南町駅ではホーム延伸工事に加え、駅改装工事も実施。中野坂上方の出入口は用地の関係もあって階段のみだが、環七通りに面した出入口はバリアフリー化が図られている。「エレベーター・エスカレーター併設の出入口を新築し、トイレのリニューアルや多機能トイレの整備など、大規模な工事を実施することで、見違えるような駅に生まれ変わりました」と野焼本部長。「これからも方南町駅が街の方々に愛され、多くのお客様にご利用いただくとともに、列車の本線直通化により、駅周辺のさらなる開発と街の活性化が進展することを期待します」と語り、挨拶を締めくくった。

式典ではその後、花束贈呈、出席者によるテープカットを実施。新型車両2000系の臨時列車は11時26分頃、新宿駅務管区長の出発合図で方南町駅を発車した。

  • 新宿駅務管区長の出発合図で新型車両2000系の臨時列車が発車。方南町駅のホームにダイヤ改正後の時刻表も掲出されてあった

ダイヤ改正後の方南町駅では、同駅始発の列車において平日5~19時台・土休日5~20時台に新宿・池袋方面の直通列車が運転される。朝夕にも池袋行(平日8~9時台の一部列車は茗荷谷行)の直通列車が設定され、平日11~14時台・土休日10~18時台は毎時9・29・49分発の列車が池袋行となる。

方南町駅のホームを6両編成対応とし、ダイヤ改正で列車の増発と6両編成列車による直通運転を開始することで、方南町駅から都心方面へ乗換えなしの移動が可能に。方南町駅からの区間列車が発着する中野坂上駅でも、乗換え待ちによるホームの混雑が緩和され、荻窪駅発着の列車の混雑が平準化されるとともに、駅での乗降に係る停車時間超過が低減することから、丸ノ内線全体の列車遅延の抑止も見込まれている。

なお、中野坂上駅では方南町・中野富士見町駅からの直通列車は1・3番線、中野坂上駅発着の区間列車はこれまで通り2番線を使用するとのことだった。

  • ホーム延伸工事・駅改装工事が行われた方南町駅。明るく清潔感のある空間となり、環七通りに面した出入口ではバリアフリー化も図られた