サードウェーブは独立行政法人国際協力機構(JICA)が派遣する青年海外協力隊隊員からの要請を受け、タンザニアの職業訓練校に向けてノートPC(Lenovo ThinkPad L540)を10台寄付しました。
今回の要請は、青年海外協力隊としてタンザニアのムベヤ県職業訓練校に派遣されている森口智之氏からのもの。森口氏はPCインストラクターとして、Office系ソフトの使い方などを指導しています。
森口氏によると授業にあたって多くの課題に直面しているといいます。ムベヤ県職業訓練校では、3カ月程度のショートコースと2年間のロングコースに分かれてカリキュラムが組まれていますが、PCの絶対数が少なく、すべての生徒がPCを満足に使えるというわけではないそうです。特にショートコースは、ロングコースの授業の合間に使うことも多く、PCの画面をプロジェクターに映して座学をするようなケースもあるといいます。
また、タンザニアでは電力供給が不安定で停電がしばしば起こります。復旧までに時間がかかり「停電=講義終了」になることも。停電しにくい早朝から授業を行っているとのことです。さらにPCも故障しやすく、1日に25台~30台が壊れるので利用可能なPCの数も変動するそうです。
このようにタンザニアの職業訓練校は、慢性的なPC不足によって、満足に授業できない状況になっています。そこで森口氏は「中古PCを寄付してもらえないか」という呼びかけを行っています。
この話を聞いたサードウェーブでは、CSR活動として協力を検討し、中古リフレッシュPCを10台寄付することを決めました。これに加えて、桃山学院大学と大阪商業大学堺高校、教員有志からも5台のPCが寄付されたそうです。
今回、PCの寄付にあたり「停電が多い」「故障した場合の修理しやすさ」を考慮して、ThinkPadを選定しています。ノートPCであれば、停電しても内蔵バッテリーである程度駆動しますし、レノボによる世界中のサポートネットワークが利用できます。
また、ThinkPadはCRU(Customer Replaceable Unitsの略)で難易度の差がありますが、ユーザー自身の手でパーツを交換する制度があり、ある程度のパーツ交換はサポート拠点なしでも行える点も特徴といえるでしょう。
独立行政法人国際協力機構 青年海外協力隊事務局 海外業務第二課 課長の森口加奈子氏によると、多くの国から、さまざまな職種で海外協力隊の派遣要請が寄せられているとのことですが、要請数のすべてに応えきれていないため、国内での募集にさらに力を入れる必要があると言います。
隊員に求められるのは、現地に赴き、配属先の課題を確認し、日本とは違う環境、あって当たり前のものがない状況で、課題解決のために自らどうすべきかを考えて動くこととも言います。
なお、サードウェーブでは今後だけの取り組みとするのではなく、継続的な施策として「サードウェーブだけでなく、自社のリフレッシュPCを生かして、寄付されたPCをリフレッシュして送付する」という構想を持っています。
「毎日壊れるPC」に対する交換パーツなども必要となるでしょう。ロジティクスをどう構築するか、国外へ物品を寄付する際の手続きの円滑化など課題もありますが、社会貢献の1つとして進むことを期待しています。