コントロールセンターを表示すると左上付近に現れる緑色のボタンは、「モバイルデータ通信」をオン/オフするために用意されています。タップするたびオン(緑色)とオフ(グレー/透過色)が切り替わり、ふだんはオンにして利用します。
このようなボタンが用意されている理由は、通信経路をWi-Fiに限定したい、あるいは通信経路を完全に遮断したいというニーズがあるためです。具体例を挙げながら、それぞれを説明してみましょう。
通信経路をWi-Fiに限定すると、インターネットには接続できるものの通信キャリアの回線は使われなくなります。利用したぶんだけ支払う従量課金プランで通信キャリアと契約している場合、1ヶ月間で決められたデータ通信量をわずかでも上回ると超過料金が発生してしまいますが、「モバイルデータ通信」をオフにしておけばその心配はありません。動画配信サービスの使いすぎを気にしている場合には、Wi-Fiを残してモバイルデータ通信を絶つことが有効です。
モバイルデータ通信とWi-Fiの両方をオフにしておけば、テザリングを利用している場合を除くと、一切のデータ通信ができなくなります。インターネットに接続する経路が閉ざされるため、オンにするまでメールの送受信(SMSを除く)やWEBの閲覧、インターネット接続が必須なアプリの利用はできなくなります。
よく似た働きのボタンに「機内モード」がありますが、こちらはWi-Fi/Bluetoothもまとめてオン/オフできるほか、電話(通信キャリアの音声通話サービス)の発着信も制限されます。「モバイルデータ通信」ボタンの制御対象はあくまでデータ通信ですから、いわゆるマナーモードとしては不十分です。コンサート会場など静かにしなければならない場所では、「機内モード」を使いましょう。