藤井聡太七段が今期もこれまで11勝2敗[0.8461]と高勝率をマークしています。

2つの黒星は5月28日の対都成竜馬五段、棋王戦本戦入りの一戦と、6月3日の対佐々木大地五段戦、王座戦決勝トーナメント1回戦。タイトル挑戦権獲得に直結する対局での痛い敗戦となりましたが、他の棋戦は全勝です。

本記事では、勝ち残っているタイトル棋戦と、予選が始まった叡王戦について状況を確認していきたいと思います。

最速のタイトル挑戦は竜王戦

藤井七段。ファン待望のタイトル挑戦権獲得なるか

棋戦の並びは挑戦者決定の早い順です。

竜王戦(第32期、竜王:広瀬章人)

5月31日、ランキング戦4組決勝で菅井竜也七段に勝ち決勝トーナメントに進出しています。

藤井七段にとっての初戦は6月28日。6組優勝の梶浦宏孝四段を下した5組優勝・近藤誠也六段との一戦となります。

挑戦権獲得までは6勝が必要。順に近藤六段、久保利明九段、豊島将之名人、渡辺明二冠に勝つと挑戦者決定三番勝負に進出、反対のヤマからの勝ち上がり者と挑戦権を争います。

例年、挑戦者が8月下旬から9月上旬頃に決まり、10月から七番勝負が始まります。

大阪王将杯王将戦(第69期、王将:渡辺明)

6月22日、一次予選決勝で千田翔太七段に勝ち二次予選に進出しています。

初戦の相手は佐藤康光九段。勝てば順に中村太地七段、[谷川浩司九段―稲葉陽八段戦の勝者]―高見泰地七段戦の勝者と対戦の予定で、挑戦者決定リーグ入りまでは3勝が必要です。リーグは7人の総当たりで、優勝者が挑戦権を獲得、また上位4人が残留となり来期は予選なしでリーグに参加できます。下位3人は陥落。

例年、挑戦者が11月下旬から12月上旬頃に決まり、翌年1月から七番勝負が始まります。

叡王戦(第5期、叡王:永瀬拓矢)

段位別予選・七段戦が6月27日に開幕。

七段戦には38人が参加し、13人、13人、12人のトーナメントに分かれて3つの本戦出場枠を争います。初戦の相手は豊川孝弘七段―村山慈明七段戦の勝者。本戦出場には3勝が必要です。

前期第4期は2月下旬に挑戦者が決まり、4月から七番勝負が始まりました。

ヒューリック杯棋聖戦(第91期、棋聖:豊島将之)

6月11日、東和男八段、伊奈祐介六段に勝ち一次予選決勝に進出しています。

決勝の相手は平藤眞吾七段―竹内雄悟五段戦の勝者。これに勝てば6~7人制トーナメントで行われる二次予選へ、それも抜けると16人制の決勝トーナメントに進出します。

例年、挑戦者が4月下旬から5月上旬頃に決まり、6月から五番勝負が始まります。

最年少タイトル挑戦、最年少タイトル奪取の夢が懸かる藤井七段は、いずれかの棋戦で夢を現実に変えることができるでしょうか。