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【この記事のエキスパート】
山岳/アウトドアライター&プロデューサー:高橋 庄太郎
1970年宮城県仙台市出身。高校山岳部で山歩きを始め、早稲田大学卒業後は出版社に勤務。
その後、フリーランスのライターに。著書に『山道具 選び方、使い方』(枻出版社)、『テント泊登山の基本』(山と渓谷社)などがあり、近年はテレビ番組やイベントへの出演も増えている。また、アウトドアメーカー各社とのコラボレーションを行なう自身のブランド「SCREES」を立ち上げ、製品開発にも取り組んでいる。
伸縮性や透湿性、撥水性を持つ高機能ソフトシェル素材を使ったウェアは、アウトドアや山のアクティビティ、キャンプなどで重宝します。モンベルやノースフェイスをはじめ多数の人気メーカーからメンズ・レディース向けの商品が販売されています。ここでは、アウトドア用の高機能ソフトシェルの選び方とおすすめ商品を紹介します。
「ソフトシェル」とは「素材」のこと
【エキスパートのコメント】
よく誤解されていますが、「ソフトシェル」とは、レインウェアのように特別な用途を持つウェアや、パーカーのように独特の形状を持つウェアのことを指しているわけではありません。
ソフトシェルとは特有の性能を持つ「素材」であり「生地」のことです。ソフトシェルのウェアには、ジャケットもあればパンツもあり、ときにはグローブやシューズのアッパーにも使われています。
だから、ショップで店員に「ソフトシェルがほしい」といっても、それは「ウールがほしい」とか「コットンがほしい」と言っているのと同様で、どんなウェアを指しているのか伝えられません。まずはこのことを理解してください。
素材特性、用途、アウターかインナーか、生地や裏地をみる
アウトドア用高機能ソフトシェルの選び方
山岳・アウトドアライター高橋庄太郎さんに、アウトドア用高機能ソフトシェルウェアを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
素材の特性をよく把握しておく
【エキスパートのコメント】
ソフトシェルの「シェル」は英語で「殻」という意味です。ウェア内部の人間の体を、アウトドアの厳しい外界から「柔らかな殻」で仕切るのがソフトシェルであり、一般的にその特徴は、柔らかな素材感を活かした「伸縮性」と「透湿性」。そして、素材表面は「撥水性」を持ち、多少の雨水は弾き飛ばしてしまいます。購入時はこれらの特性が充分かどうか見定めましょう。
ちなみに、ソフトシェルに対する「ハードシェル」という言葉もあり、その特徴は素材の張りと硬さで、伸縮性を追求しない代わりに非常に強靭です。そして、ただ水を弾くという意味の撥水性ではなく、雨に強い防水性を備えています。おもな用途は、雪山登山などです。
適したシチュエーションや用途を知る
【エキスパートのコメント】
すぐれた伸縮性や透湿性、撥水性を持つソフトシェル素材を使ったウェアが活躍するのは、クライミングやトレイルランニングといった体の動きが激しいアクティビティや、蒸し暑い時期の山歩きや荷物が重くて体力を使う登山のような発汗量が多いとき。
ハードシェルのウェアは生地が頑丈なだけに体の動きを妨げられ、汗の蒸発が追いつかないことが多いです。一方、ソフトシェルなら伸縮性や透湿性、撥水性がよいため快適さを保ち続けることができます。しかし防風性は基本的に考慮されていないため、強風時には体温が逃げてしまいます。
つまり、ソフトシェルが得意なのは、「激しい動き」「暑いとき」「発汗量が多いとき」のアウトドアアクティビティで、寒い時期にあまり体を動かさないようなシチュエーションは苦手です。
アウターとして使うか、インナーとしても使うか
【エキスパートのコメント】
ソフトシェルはあくまでも特有の機能を有する「素材」のことですが、この素材がもっとも活躍するウェアはジャケットを含むトップス類です。
アウトドアではベースレイヤーを含む数枚のレイヤリング(重ね着)で機能を発揮させます。このときにジャケットは、主にアウターとして一番うえに着る想定で設計されたものと、アウターとしてだけではなくインナーとしての用途も考えて、内部に着込みやすいように開発されたものとの2種類にわかれます。
その違いによってフィット感や保温力に大きな違いが出てきますので、どちらのタイプをセレクトするかで、ソフトシェルの使い勝手は大きく変わってきます。
生地としての厚みや裏地も重要
【エキスパートのコメント】
ソフトシェルの素材には、さまざまな厚みのものがあります。たとえば、保温性をアップするために裏地にフリースを張っていたり、冷気を遮断する防風性の表面素材を組み合わせていたりするものも開発されています。
温かい時期や発汗量が多いアクティビティのときは、透湿性や通気性を重視したシンプルな薄手を選びましょう。反対に、比較的寒い時期や発汗量が少ないアクティビティのときは保温性を優先し、防風性も兼ね備えたタイプにするなど、それぞれのソフトシェルの生地の持ち味にも目を向けましょう。
薄手のものはレイヤリングの際にごわつきを抑えられ、インナーとしても使いやすくなっています。
自分の体にフィットするものを選ぶ
伸縮性の高さが魅力のソフトシェルは、アウトドアで利用する際には自分の体にフィットして動きやすいものを選ぶことが重要です。
両腕を挙げた状態のときにウェアの裾がベルトよりもうえに来ていないか、肘を曲げたときに手首が裾から出すぎていないか、ファスナーを閉めたときに圧迫感がないかをポイントにしながら、体になじみやすいものを選びましょう。
また、フードを被ったときにも圧迫感を感じないか、視界は充分確保できるかといったポイントも重要です。とくに登山など天候の変化が激しいアウトドアシーンで利用する場合は、フードのフィット感は必ずチェックしておきましょう。
デザインやブランドから選ぶ
ソフトシェルのウェアを開発しているブランドは数多くありますが、国産ブランドとして高い人気を誇っているブランドがモンベルです。高機能でカラフル、幅広い用途に応じた製品を取り扱っており、比較的手頃な価格のものが多いという特徴があります。
一方で、海外ブランドのなかではアメリカ発のアウトドアブランド、パタゴニアも有名。アウトドア経験者も多く愛用しているブランドで、高いデザイン性と機能性を両立しています。激しい動きへの対応力も高く、身軽で動きやすいウェアがとくに多いため、アウトドアブランドとして高く評価されています。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)