スターバックス コーヒー ジャパンが、事前にスマートフォンで注文・会計して店舗で商品を受け取れる「Mobile Order & Pay」(モバイルオーダー&ペイ)サービスを6月26日より開始すると発表した。東京都内56店舗を皮切りに、2020年末には全国展開を目指す。
モバイルオーダー&ペイは、米国や韓国、香港、イギリス、中国などですでに提供されているサービスで、スターバックス公式アプリからコーヒーなどを注文し、その場で決済が可能。注文した商品はアプリのプッシュ通知で完成が確認でき、店舗に行けばレジを通ることなく、受け渡し口に置かれた商品をそのまま受け取ることができる。
利用するには、26日にアップデートされた最新のスターバックス公式アプリのインストールに加え、STARBUCKS REWARDS会員への加入も必要。支払いはスターバックスカードのみのため、事前にチャージもしておく必要がある。
アプリからは、近隣のモバイルオーダー&ペイ対応店舗の検索が可能で、当初はコーヒーをはじめとした定番メニュー40品目からオーダーに対応。注文時にはカスタマイズにも対応しており、ミルクを無脂肪乳に変更するなど、それぞれの品目に合わせたカスタマイズが可能だ。
近隣の店舗が表示されるので、選択する。現在の待ち時間も表示されるので、注文した商品がどれくらいで提供されるかも予想できる。現時点で時間指定して注文はできないが、今後提供を予定する。
もともと、同社の商品はカスタマイズに対応していたが、自分の後ろの列に人が並んでいる状態で、バリスタに相談しながらカスタマイズすることを気兼ねする人も多かったため、そうした気遣いのないモバイルオーダー&ペイで、自分の好みのカスタマイズを見つけて欲しいとアピールする。
同社のCMO(Chief Marketing Officer)の森井久恵氏によれば、スターバックスに対するコメントで最も多いのが「レジの列が長い」「混雑している」というもので、その結果「10人に一人が混みすぎていてはいるのを諦めたりためらったりしている」という。こうした声に応える形で提供するのがモバイルオーダー&ペイだ。
すでに海外では提供されているが、同社のSTARBUCKS REWARDS会員が430万人を超えたことで、サービス提供の素地が整ったと判断。このタイミングでの提供になったという。また、今年10月の消費税増税にともなって、持ち帰りと店内飲食で税率が変わる軽減税率も視野に入れており、持ち帰りが増えることによるニーズに応えたい考えだ。
当初サービスを提供する56店舗のうち、東京・丸の内、大手町エリアを中心としたビジネス街では、朝昼の限られた時間に利用するビジネスパーソンが、時間を気にせず購入できるようにしている。さらに、都内郊外の店舗では、ショッピングモールにおいて、子ども連れや買い物客で長時間の行列が難しいという人の利用を想定する。海外では、こうした郊外店での利用は多くないとしているが、日本ではニーズが高いと判断。今後の動向を見ながら、実際のニーズを見極めるほか、オペレーションを改善していき、年内には300店舗、2020年末には全国での展開を目指すとしている。